2010年02月20日
天気予報は当たるのか?(2月20日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝6時半の長野駅周辺。
気温は-2℃で寒々とした風景に変わりありません。
そして屋根の上には薄っすらと雪・・・昨夜のうちに少し雪が舞ったようです。
ところで、昨日の朝の某テレビ局(長野ローカル)の天気予報で、「中部と南部は、平地で雪の降る所はないでしょう」とアナウンサーさんが原稿を読んでいました。
このとき画面に表示されていた中部と南部の天気マークはこれ・・・

ただ、予報文には、中部と南部いずれも「所により 昼過ぎ から 夕方 雪」と書かれていました。
気象庁の予報は地域を限定などしていないのです。
で・・・・昨日の中南部、平地でも雪が舞ったはずです。
気象庁の予報を使った天気予報のはずなのに、原稿を作った人・・・某気象会社の原稿作成者だと思いますが、雪は山沿い中心という自分の考え方を原稿に盛り込んでしまったんでしょうね。
天気マークに描かれていない雪をコメントできちんとフォローしなくてはいけない場面で・・・・
気象庁の予報を伝えている天気予報番組でも、原稿を作成する人間の考えが入り込むと、誰が作ったかわからない予報になってしまうのです。
たかが天気予報の原稿ですけど・・・・・イイカゲンな気持ちでは作れないんです。
テレビをラジオの天気予報を使う立場でも気を付けないといけませんね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

相変わらず雪エリアと晴れエリアに二分される天気分布ですけど、その形が日本海側と太平洋側に二分される分布とは異なります。
そこで、東北を拡大してみると、太平洋側でも雪マークがついて、予報文も読むと北日本の太平洋側では昼頃から一時雪という予報になっています。
長野県付近はあいかわらず日本海側雪、太平洋側晴れの傾向に変わりはありませんが、なにか雪を降らせるものが日中北日本を通過するようです。
これが県内に影響しないか?気になります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

基本的に県内全域晴れベース。
二個セットの左側に太陽マークが目立っています。
ただ、予報文を見ると、北部では「所により 夕方 から 夜のはじめ頃 雪」。
用語集によれば、「夕方」は15時~18時、「夜のはじめ頃」は18時~21時を指していますから、午後3時~午後9時までの間、北部では雪の降る所があるようです。
全国の天気マークで見た北日本に雪を降らせるもの・・・県北部にも影響しているかもしれませんね?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

なぜ一時的に雪が降るのか?ちょっと見ただけではわかりにくい天気図です。
上空の気圧の谷が通過して・・・という手もありますが、上空の気圧の谷という表現は一般の人にはわかりにくい表現ですから、使わないで済むなら使わないほうがイイに決まっています。
ということで、上空の谷の下にできた弱い気圧の谷の影響ということでアニメをまとめてみました。
良く見ると、岩手県の東海上に等圧線が凹になっている部分があります。
ここが弱い気圧の谷(地図でいえば沢)なのですが、凹の部分が今日日中北日本を通過します。
弱い気圧の谷の部分では風向きが急激に変化していて、そこに雪雲が発生します。
この雪雲が通過するタイミングで北日本や北陸の雪が一時的に強まるわけです。
あとでもうちょっと詳しくチェックしておきましょう。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
北部の雪が気になりますから、まずは天気図のアニメで見た弱い気圧の谷が通過する様子を詳しくチェックします。

細く黒い線が等圧線なのですが、日本海で凹になっていることがわかります。
そして、この弱い気圧の谷の部分にそって降水エリアがライン状に出来ています。
これが今日日中北日本を通過。

午後3時が北日本にかかるタイミング。
このタイミングで北陸でも雪のエリアが拡大し、降水量も増加します。
そして、長野県内でも降水域拡大。
昨日のように、県内奥深くまで広がらないで、北アルプス付近や新潟県境付近が中心。
北部全域ではなくて「所により」という表現がピッタリです。
また、降水域の拡大が午後3時頃ですから「夕方から」という表現もピッタリ。
17時15分追記:
午後5時発表の北部の予報は「くもり 山沿い では 雪」。実況をもとに朝の予報の「所により」を「山沿い」に限定してきました。実況は、ほぼ計算値どおりに推移しているようです。
降水域拡大のタイミングはちょっとずれる可能性もありますが、北部の予報、雪に関しては文字どおりに受け取ってよさそうです。
また、県境付近では朝から雪が舞ってもおかしくな状態ですが、北部全域を平均的に見れば「時々 くもり」でよさそうに思えます。
晴れベースの予報が曇りベースに変わって「時々 晴れ」になる可能性もありますが、そうなっても大ハズレということではありませんから、北部の予報は当たると考えます。
で・・・中南部。
雲の様子ですが・・・・

上層雲はありませんから、白っぽい青空というより普通の青空。
ただ、北部で雪雲が広がる頃には岐阜県方面から中層下層の雲が迫ってきます。
ただ、この雲はほとんど北アルプスを越えられそうもないので、「時々 曇り」程度で済むということでしょう。
この部分、「のち くもり」になってしまう可能性もありますけど、そこまで考えるのはアラ探しになっちゃいますから、中南部の予報も当たるということにしておきます。
晴れベースの週末・・・明日はもっと晴れベースですから、雪質がまだ良い今の時期にウィンタースポーツを楽しんでおきたいですね。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
1、今日の一言

今朝6時半の長野駅周辺。
気温は-2℃で寒々とした風景に変わりありません。
そして屋根の上には薄っすらと雪・・・昨夜のうちに少し雪が舞ったようです。
ところで、昨日の朝の某テレビ局(長野ローカル)の天気予報で、「中部と南部は、平地で雪の降る所はないでしょう」とアナウンサーさんが原稿を読んでいました。
このとき画面に表示されていた中部と南部の天気マークはこれ・・・

ただ、予報文には、中部と南部いずれも「所により 昼過ぎ から 夕方 雪」と書かれていました。
気象庁の予報は地域を限定などしていないのです。
で・・・・昨日の中南部、平地でも雪が舞ったはずです。
気象庁の予報を使った天気予報のはずなのに、原稿を作った人・・・某気象会社の原稿作成者だと思いますが、雪は山沿い中心という自分の考え方を原稿に盛り込んでしまったんでしょうね。
天気マークに描かれていない雪をコメントできちんとフォローしなくてはいけない場面で・・・・
気象庁の予報を伝えている天気予報番組でも、原稿を作成する人間の考えが入り込むと、誰が作ったかわからない予報になってしまうのです。
たかが天気予報の原稿ですけど・・・・・イイカゲンな気持ちでは作れないんです。
テレビをラジオの天気予報を使う立場でも気を付けないといけませんね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

相変わらず雪エリアと晴れエリアに二分される天気分布ですけど、その形が日本海側と太平洋側に二分される分布とは異なります。
そこで、東北を拡大してみると、太平洋側でも雪マークがついて、予報文も読むと北日本の太平洋側では昼頃から一時雪という予報になっています。
長野県付近はあいかわらず日本海側雪、太平洋側晴れの傾向に変わりはありませんが、なにか雪を降らせるものが日中北日本を通過するようです。
これが県内に影響しないか?気になります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

基本的に県内全域晴れベース。
二個セットの左側に太陽マークが目立っています。
ただ、予報文を見ると、北部では「所により 夕方 から 夜のはじめ頃 雪」。
用語集によれば、「夕方」は15時~18時、「夜のはじめ頃」は18時~21時を指していますから、午後3時~午後9時までの間、北部では雪の降る所があるようです。
全国の天気マークで見た北日本に雪を降らせるもの・・・県北部にも影響しているかもしれませんね?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

なぜ一時的に雪が降るのか?ちょっと見ただけではわかりにくい天気図です。
上空の気圧の谷が通過して・・・という手もありますが、上空の気圧の谷という表現は一般の人にはわかりにくい表現ですから、使わないで済むなら使わないほうがイイに決まっています。
ということで、上空の谷の下にできた弱い気圧の谷の影響ということでアニメをまとめてみました。
良く見ると、岩手県の東海上に等圧線が凹になっている部分があります。
ここが弱い気圧の谷(地図でいえば沢)なのですが、凹の部分が今日日中北日本を通過します。
弱い気圧の谷の部分では風向きが急激に変化していて、そこに雪雲が発生します。
この雪雲が通過するタイミングで北日本や北陸の雪が一時的に強まるわけです。
あとでもうちょっと詳しくチェックしておきましょう。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
北部の雪が気になりますから、まずは天気図のアニメで見た弱い気圧の谷が通過する様子を詳しくチェックします。

細く黒い線が等圧線なのですが、日本海で凹になっていることがわかります。
そして、この弱い気圧の谷の部分にそって降水エリアがライン状に出来ています。
これが今日日中北日本を通過。

午後3時が北日本にかかるタイミング。
このタイミングで北陸でも雪のエリアが拡大し、降水量も増加します。
そして、長野県内でも降水域拡大。
昨日のように、県内奥深くまで広がらないで、北アルプス付近や新潟県境付近が中心。
北部全域ではなくて「所により」という表現がピッタリです。
また、降水域の拡大が午後3時頃ですから「夕方から」という表現もピッタリ。
17時15分追記:
午後5時発表の北部の予報は「くもり 山沿い では 雪」。実況をもとに朝の予報の「所により」を「山沿い」に限定してきました。実況は、ほぼ計算値どおりに推移しているようです。
降水域拡大のタイミングはちょっとずれる可能性もありますが、北部の予報、雪に関しては文字どおりに受け取ってよさそうです。
また、県境付近では朝から雪が舞ってもおかしくな状態ですが、北部全域を平均的に見れば「時々 くもり」でよさそうに思えます。
晴れベースの予報が曇りベースに変わって「時々 晴れ」になる可能性もありますが、そうなっても大ハズレということではありませんから、北部の予報は当たると考えます。
で・・・中南部。
雲の様子ですが・・・・

上層雲はありませんから、白っぽい青空というより普通の青空。
ただ、北部で雪雲が広がる頃には岐阜県方面から中層下層の雲が迫ってきます。
ただ、この雲はほとんど北アルプスを越えられそうもないので、「時々 曇り」程度で済むということでしょう。
この部分、「のち くもり」になってしまう可能性もありますけど、そこまで考えるのはアラ探しになっちゃいますから、中南部の予報も当たるということにしておきます。
晴れベースの週末・・・明日はもっと晴れベースですから、雪質がまだ良い今の時期にウィンタースポーツを楽しんでおきたいですね。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
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