2010年02月23日
天気予報は当たるのか?(2月23日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日は北陸で春一番が吹きましたが、長野も春の陽気。
9時15分追記
長野地方気象台から生物季節情報の電文が発表されました。
気象台では、植物の開花や野鳥の鳴きはじめなども観測しているんです。
長野市内、梅が開花しちゃいました。
■日時:2010年02月23日
■場所:長野県 長野
■内容:梅開花
■平年比:25日早い
■昨年比:08日早い
■備考:ジヨウヤマコウエン
(午前10時半 長野城山公園標本木)

18時15分追記
夕方のラジオニュースで、梅の開花が観測開始以来2番目に早いことを伝えていました。
午前中、ちょっと抜けだして気象台で標本木を確認して撮影したんですけど良い記念になりました。
信濃毎日新聞のサイトを見ると・・・・撮影時間はこちらのほうが2時間早かった!!
日曜日は長野の上空から春探しをしましたが、昨日は地上から。

長野大橋付近から見た景色の美しさについパチリ。
先週は日本海の雪雲の南端が頂上にかかっていた飯綱山や戸隠連峰の高妻山もくっきり。
空の青と山の白が素敵なコントラストを見せていました。

もちろん志賀高原も青空の中。
千曲川の水量も、雪融けのせいでしょうか?こころなしか増しているような気がします。
また、堤防はまだまだ枯れ草ばかりでしたが、もう少しすれば地面の中から息吹が聞こえてきそうな雰囲気でした。
今日から明日もますます春めく善光寺平ですが、ちょっと季節の変わり目が早すぎですよね。
寒の戻りなんていうコトバがありますけど・・・・・・
むこう一週間、多少は気温が下がる日もありますけど、それでも平年を上回り続ける可能性が高くなっています。
このまんま冬が終わりっていうわけじゃないと思いますけど、もうちょっと冬の楽しさを満喫したいもんです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

日本の北と南はぐずつきエリアですけど、ほとんどのエリアは晴れベース。
ぐずつきエリアに近いところは雲マークとセットになっていますけど、晴れベースエリアのど真ん中の長野県は太陽マーク一発。
天気のハズレを検討するのもバカバカしくなりそうですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

太陽マーク一発の県内・・・今日は「時々」も「一時」も「所により」もありません。
予想最高気温も書き込んでおきましたが、昨日以上に暖かくなりそうです。
昨日は、南風に乗って流れ込む湿った空気がぶつかる北アルプス方面を中心に、夕方雨雲が発生しましたけど、今日はその気配もなし。
また、昨日は松本方面で強風注意報が発表されましたが、強風の兆候もなし。
ホント、穏やかな春の陽気になりそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

北海道の解説は省いちゃいました。
県内は高気圧のど真ん中で晴れ。
ただ、天気図に前線は描かれていませんけど、南岸には前線モドキのような風向・風速が急変する場所(シアーライン)ができて、そこに雨雲が発達します。
この雨雲のエリアが、全国の天気マークで見た南岸のぐずつきエリアにあたります。
今日、県内の晴れに影響してくるとしたら、このエリアの南部への影響だと思います。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の県内の天気予報は当たり・・・ということで終わらせちゃおうかと思いましたが、それじゃ天気チェックのリハビリにならないので、生の計算値を見るのもやめて、昔ながら?の専門天気図をまとめてみることにしました。
せっかくいじくった天気図をそのままにするのももったいないし・・・・・
専門天気図を使った天気チェックなんてオタッキー以外のなにものでもありませんから、興味のない方は天気予報は当たるということにして、これ以上は読み進める必要はありません。
チェックのポイントは南岸のぐずつきエリアの県内への影響。
風向・風速が急変する南岸のシアーラインの様子から。

地上付近の風の流れは南岸で急激に西風に変化しています。
二つの方向の風がぶつかると、空気が上昇して雲が発生しますけど、今日の南岸では南の暖かく湿った空気に急ブレーキがかかって雨雲発生というイメージです。

これは上で見た予想図にアニメの原図ともいえる専門天気図。
南岸のシアーラインのあたり、水色で塗ったところが12時間の予想降水量。
傘マークがついていた九州南部や紀伊半島南部ギリギリに降水が計算されています。
こいつがちょっと北よりに変化したら、南岸の天気はすぐに悪目になってしまいそうです。
また、アニメに使った一般的な予想天気図を作る際に、関東南岸の低圧部は省かれていましたけど、一応低圧部が出来る可能性があるわけですから、この低圧部の発達次第でも南岸の天気傾向は悪目に変化しそうです。
で・・・この南岸の雨のエリア・・・今日日中、九州方面を通過する上空の気圧の谷からパワーをもらって活発になります。

上空の気圧の谷は九州を通過したあと、かなり南下する傾向。
九州の雨雲は活発になりそうですけど、その後ぐずつきエリアの北上に関係する可能性は低いと思われます。
ついでに上空の寒気もチェック。

上空の気圧の谷は寒気を伴っていますから、上空の気圧の谷が通過するタイミングで大気は不安定。
九州では落雷の可能性なんかもあるかもしれません。
まあ・・・長野にゃ関係なさそうですね。
で・・・雨のエリアより広い曇りのエリアもチェック。

上空3000m付近の湿り気の図。色を塗った所が湿った曇りエリア。
このエリアの周囲は薄曇りというイメージですけど、曇りエリアのコアの部分は南海上ですから、エリアが北上してもそうそう県内まで影響することはなさそうです。
長野県内の天気チェックのためには、あんまり意味のない検討ばかり。
最後におなじみ目に見える生データを見ておきましょう。

昼の計算値ですけど、雨のエリアは九州と紀伊半島南岸が中心。
雲のエリアも雨のエリアとほぼ対応していて、県内にはほとんど影響なさそうです。
細かくいえば、静岡県境に近いほど大空が白くなって場合によっては曇りのエリアもあるかも知れないという感じ。
最悪、南部は「晴れ 時々 くもり」が良かったということになるかもしれませんが、これじゃうるさい小姑のようですから、予報文のまま「晴れ」でイイでしょう。
・・・・あまり生産的じゃないことしたような気分です・・・・・
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Posted by kasayan at 07:37│Comments(0)
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