2010年02月17日
天気予報は当たるのか?(2月17日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
このところ、県内ではしばしば低温注意報が発表されますけど、「低温って何度?」と考えたことありませんか?
水道管の凍結の恐れがある気温だよ・・・・なんて気がしますけど・・・・気象台も漠然と注意報を出しているわけじゃなくて一定の基準にもとづいて発表しています。
長野県の場合は・・・・
冬期 :最低気温が-11℃以下、または高冷地で-17℃以下になるとき
で、高冷地とは、おおむね標高 800m 以上の所のようです。
昨夜も低温注意報が発表されていましたが、実際はどうだったんでしょう。

5時の気温ですけど、0時以降の気温もあわせて見ると、注意報レベルまでは下がらなかったようですね。
県内上空には雲がかかっていたので、雲が毛布の役目をして放射冷却が少なかったからだと思います。
ところで、岩手県の放送局の中には、「農業県だから」という理由で、朝の天気予報では実況気温をことのほかこだわって発表している局があります。
同じ農業県の長野県の朝の天気予報・・・・もうちょっとコダワリがあってもイイような気がします。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日の天気分布・・・もうちょっと細かく分けることもできるんですけど、ゴチャゴチャしてしまうので、大ざっぱに分けるだけにしました。
長野県周辺、太陽マークが目立ちますけど、ほとんどのマークが雲マークとセットになっていて、「のち 曇り」のマークもちょっと多めです。
スカッと晴れる感じにはならないのでは・・・・・・・・
あとは赤丸で囲った関東方面。
雲マーク一発ですから、周辺の天気傾向から浮いた感じがします。
県南部や東部に影響する可能性がありますから、あとでもうちょっと詳しく見ておきましょう。
こんなチェックをすれば、長野の天気マークだけ見るよりずっと役立ちそうな気がしませんか?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部は「時々 晴れ」で、中南部は「のち くもり」。
朝の段階で雪の北部は次第に回復。
ただ、晴れ間も広がりますが、回復不十分で曇りベースになりそうです。
一方、中部や南部は午前中晴れ間が出るものの、午後から曇り空。
お隣の県に目を向けても、雪が止む新潟県、曇りベースの岐阜県飛騨地方など似たような傾向ですから、天気分布のエリアが大きくずれても、予報が大ハズレすることはない感じがしますよね。
ただ、全国の天気マークで見たように、関東付近だけベタっと雲マークがついていて、伊豆大島に傘マークがついていることだけが気になります。
マークだけでは県内への影響がわかりませんから天気図でチェックしましょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

冬型の気圧配置が、春?の移動性高気圧の気圧配置に変わったと思ったら、夜には気圧の谷がやってくる・・・・なんと早い天気変化でしょう。
天気変化が早くなるのは春のきざし・・・・と思いたいですね。
中部や南部は朝から晴れベースですから、高気圧が通り過ぎて雲が広がるタイミングだけが問題。
北部は冬型がゆるんで雪が止むタイミングと、気圧の谷で雲が広がるタイミングが問題になりそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の天気・・・大ハズレしても雨や雪がじゃんじゃん降る可能性はありません。
あまり重箱のスミとつつき「破る」ような無意味な検討はしたくないので、今日の予報は当たる、という前提で今日の天気変化・・・・上のアニメで問題になった変化のタイミングを詳しくチェックしていきます。
まず、北部の雪が止むタイミング。

新潟県境付近はしつこく降水が予想されていますが、午後3時ころまでにはおさまるとう感じ。
予報文では「朝まで」ですけど、これは平均的な傾向と思っておいたほうが良いでしょう。
ついでに関東付近の気圧配置も見ておきますが、関東には鹿島灘方面から湿った北東の風が吹き込みます。北東流と呼ばれていて、高気圧が張り出しても雲が広がりやすいパターンです。
このため、関東の天気マークは曇りだったわけですが、少なくとも長野県に降水エリアは影響しないようです。
次は雲が広がるタイミング。
まずは地上に近い下層の雲の変化から。

北部の雪雲が薄くなる様子と、南部南アルプス方面に関東の雲がちょっとだけかかるのがわかりますが、どんよりとした雲がべたーっとかかる感じではありません。
次に高い所の中層、上層の雲。

左型、上層の高い雲は一日中かかり続けるようです(12時のものだけ掲載しました)。
ということは、晴れ間が出ても白っぽい空。
12時30分追記:結局、中南部も曇りで推移してしまいそうです。11時の予報もくもりに修正されました。
一方、右側の図、中層の雲(北アルプス頂上付近の高さ)が午後3時頃から広がってきます。
中層雲+上層雲=くもり というカタチで、予報どおり「昼過ぎ から くもり」ということになりそうです。
まあ・・・回復傾向の今日の天気チェックはこのくらいにしておきましょう。
むしろ、今夜やってくる気圧の谷の影響が出る明日の天気。

日本海と太平洋に低気圧。
太平洋側の低気圧の県内への影響は、今のところ少ないようですけど、日本海側の低気圧の影響は今夜チェックですね。
オマケ:
今夜から明日の下り坂をも足らす上空の気圧の谷の様子をチェックした上空の天気図も掲載しておきます。

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