2010年02月25日
天気予報は当たるのか?(2月25日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
12時45分追記
今朝、東京湾で霧が発生し、羽田空港の離発着が停止する事態になったとのニュースがありました。
この霧の様子を通常テレビやネットで見ることのできる衛星画像で見ると何も見えません。
赤外画像という雲の温度を映した画像を使用しているため、温度の高い霧は映らないんです。
夜でも雲の様子がわかるというメリットはあるんですけど、こういう場合はダメなんですね。
ただ、気象会社のサイトや気象庁のサイトで見ることができる可視画像を見ると、キチンと映っていました。

春はあけぼの・・・なんていいますけど、日の出前の菅平。

上空に湿った空気が流れ込んでいるので、なんとなく薄ぼんやりとしたピンクに染まっています。
毎朝菅平を見ていると、冬のシャープな輪郭からずいぶん変化していることがわかります。
このところ、晴天と高温が続きましたけど、それも今日まで。

日本の北と西にまとまった雲が見えていますが、この雲が今夜から日本を覆います。
明日はズバリ雨。
女房のおかかえ気象予報士としては洗濯・布団干し情報を発表しておかねばなりません。
ところで、長野ローカルの天気予報でも衛星画像を使っていたりしますけど(全く使っていない局もありますが)、この程度の書き込みをしただけでかなり番組全体がわかりやすくなると思うんですけど・・・・
自動で天気予報画面を送出するシステムを使う前にちょっとだけズクを出せばイイんですけど、天気が即命にかかわる漁業人口の少ない長野県・・・放送局もメンドウなことはしたくないんでしょうね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

衛星画像で見た雲が北と西から接近するので、天気マークの配置もそのとおりになっています。
ただ、傘マークは北と西お端っこだけですから、これだけ見ると、どう予報がハズレても県内で雨が降るような感じはしませんよね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内全域「晴れ のち くもり」マーク。
予報文を読むと、北部と中部は昼過ぎから「時々 くもり」程度で済みそうですけど、南部は「夕方 から」しっかり「くもり」。
昼過ぎあたりから衛星画像で見た雲がゆっくりとかかってくるんですね。
明日の予報文も書き込んでおきましたが、いまのところ予報の流れでは明日の昼前後から雨ということになりそうです。
そうそう、県内各地昨日よりも気温上昇。
長野、松本、飯田のいずれも予想最高気温17度ですけど、場合によってはもっと上がるかも?
16時追記
県内各地、今年最高の気温を観測しています。長野19.4℃、松本19.2℃、飯田19.6℃、上田20.6℃で、いずれも今年最高気温。湿った空気が山々を越えるときに発生するフェーン現象が起こっているんでしょうね。
18時追記
さらに気温上昇。長野20.6℃を記録しました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

日中は昨日と同じ高気圧に覆われて晴れ。
ただ、高気圧の中心が東海上に移動してしまうので、高気圧の後ろ側を湿った暖かい風が北海道付近まで吹きあがります。
これが春一番を関東甲信・・・東北もかな・・・に吹かせそうです。
(長野県内は高い山がブロックするので、あまり春一番という感じはしないかもしれませんけど)
春一番が吹くと天気予報では必ず伝えなくちゃいけないという昔から?のお約束があるので、気象会社の番組担当者は気象庁の電文を待ち受けていることでしょう。
18時追記
18時現在、まだ春一番の発表はないようです。
東京大手町は16時58分に7.6m/sを観測していますから、あと0.4m/sに迫ったんですけど。
夕方の天気予報の前フリに春一番を企画しちゃったキャスターは困っているでしょうね。
19時15分追記
ようやく関東で春一番の発表があったようです。だからどうなの?という話なんですけど、なぜか昔からのお約束で真っ先に報道しようとするんですよね。
そして、暖かく湿った空気が北上して冷たい空気とぶつかれば雨雲が発生します。
これが前線ですが、今日から明日にかけて日本海を南下。
また、東シナ海でも雨雲が発生して明日にかけて発達。
明日はこの二つの雨雲がすっぽりと日本を覆ってしまいそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
ここまでの天気チェックでは今日いっぱい県内は雨の心配はなさそうという感じがします。
でも・・・・湿った空気が南西の強い風にのってやってくると、山の多い長野県では、高い山にぶつかった湿った空気が上昇して雨雲を発生させることがあります。
本当に雨の心配はないの?ということが気になります。
そこで、雨の原料がどの程度運ばれてくるの?という点をチェック。

昨日に引き続き、高気圧の西の縁をまわる空気が北海道付近の低気圧に吸い上げられて北海道まで南西風が吹いています。
そして、昨日に増して湿った空気=雨の原料が流れ込むことが予想されています。
また、昨日は北海道の南にあった上空1500mで0℃のラインも北海道の北まで北上。

完全に日本は春のエリアに入っています。
で・・・一番気になる降水の予測を見ると・・・・・

雨雲の本体はまだまだですけど・l・・・・
南西風がぶち当たる南部の山の南西斜面では弱い降水が予想されています。
岐阜県にも同じ程度の降水が予測されているので、岐阜県の予報文もチラリと見てみると・・・・美濃地方で「所により 夜 雨」と書かれています。
なんで長野県南部には「所により 夜 雨」がついていないの?
木曽地方・・・場合によっては塩尻方面もちょっとアヤシイ感じがするのに・・・・・
エリアが超?限定されているとの判断?
今日の県内の予報・・・南部では「所により 夜 雨」があるかも知れないということが、予報文からも降水確率からも読みとれないという点で、南部の予報はちょっとアヤシイと思います。
たいした雨ではないと思いますが、岐阜県と同様に考えても良いのでは?
一方、中部や北部では、天気を悪目にするもう一つのシナリオが現実化する可能性が少ないと思いますから、予報は当たると思います。

これは今日12時の空の湿り気。
南西の風にのって、午後にはかなり湿った空気が流れ込んできます。
朝から白っぽい青空ですけど、午後にはますます白っぽさが増してくると思われます。
昨日に増して春霞・・・という感じでしょうね。
最後に明日朝の降水量予測を掲載しておきます。

日本列島に沿うように雨雲ベッタリ。
雨の降りだしが早まる可能性もありますから、今夜の天気予報で確認する必要がありそうです。
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Posted by kasayan at 07:20│Comments(0)
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