2010年06月18日
天気予報は当たるのか?(6月18日)大雨情報発表
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝は、大雨情報・・・気象庁本庁から「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第2号」が発表されていて、長野地方気象台も本庁の全般気象情報をうけて、「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第1号」を発表しています。

ということで・・・今日のブログ・・・・天気予報の当たりハズレを云々するのはお休みして、雨の降り方を詳しくチェックすることにします。
今朝のニュースでも大雨情報・・・「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」と言うヤツ・・・やっていたと思いますが・・・どうでした?
ニュース原稿は、原文を読み原稿に書き変えて省略してしまうので、ここでは原文を掲載しておきます。
全般気象情報・地方気象情報いずれも以下のURLで原文を読むことができます。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第1号
平成22年6月18日05時58分 長野地方気象台発表
(見出し)
長野県内は、18日夜遅くから19日昼前にかけて、梅雨前線の活動が活発となるため、南部を中心に雷を伴った激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。土砂災害、河川の増水、低地の浸水、落雷、突風に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
梅雨前線が、華中から九州をとおり日本の東にのびています。前線上の九州の西海上には低気圧があって東北東に進んでおり、18日夜には山陰沿岸に達する見込みです。
この低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、前線の活動が活発となっています。
このため、県内では南部を中心に、18日夜遅くから19日昼前にかけて雷を伴った激しい雨が降
り、大雨となるおそれがあります。
[雨の予想]
18日06時から19日06時までの24時間に予想される降水量は、いずれも多い所で、
北部 70ミリ
中部 100ミリ
南部 130ミリ
の見込みです。
その後も降水量はさらに増えるおそれがあります。
[防災上の留意事項]
土砂災害、河川の増水、低地の浸水、落雷、突風に注意して下さい。
[特記事項]
次の「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報」(文章情報)は、18日11時頃に発表する予定です。

梅雨前線の雨雲が活発化していますが、活発なエリア、これから北上してくるようです。
この雲の下ではこれから何が起こるんでしょうか?

2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今夜日付が変わる頃までに雨が降り出すのが「西から強い雨エリア」。
北陸や中国地方をのぞいて、傘マークがついているエリアが、ほぼ大雨情報が注意を呼び掛けているエリアと対応していますから、太平洋側のかなり広い範囲が要注意エリア。
一日の降水量が200ミリを超えると、土砂災害の可能性が急激に高まります。
(全般情報からの抜粋)
19日6時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で
九州南部、近畿南部 250ミリ
九州北部地方、近畿中部、東海地方 200ミリ
四国地方太平洋側 150ミリ
甲信地方 130ミリ
の見込みです。
その後も梅雨前線は西日本から東日本に停滞するため、雨量はさらに増えるおそれがあります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

南部は早めの降りだしで「昼過ぎから」、中北部は「夕方から」の予想になっていますが、「夕方」の定義は午後3時~6時ですから、日の入りの遅い6月・・・イメージより比較的早めに降りだすと思っていたほうがよさそうです。
南部の「所により夜遅く雷を伴い激しく降る」の部分・・・どこが「所により」か、後で詳しくチェックします。
ところで、気温は昨日ほどではないにしろ、30℃前後まで上昇。
一日南風が予想されていますが、この風が県内全域に湿った空気を運んできます。
南部中心にドバッと降る前はジメジメの暑さになるかもしれません。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

前線上の低気圧東進+前線北上+強い暖湿流流入=大雨
という公式です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日は天気予報の当たりハズレ・・・検討しませんけど、大雨情報の内容をさらに詳しく・・・・
まず、今回の大雨のメカニズムからチェック。
地上の天気変化の原動力になる上空5700m付近の天気図を見てみると・・・・

上空の強い流れから切り離されて、動きが止まってしまった空気の渦=上空の低気圧が二つ、日本付近に。
この低気圧の位置が固定されてしまっているので、地上付近の天気変化が止まってしまい、前線が日本付近に停滞。
朝鮮半島の西の低気圧の回りを流れる強風と、日本の太平洋岸を流れる強い流れが日本付近でぶつかっています。
そして、この二つの流れが、それぞれ異なった空気を日本に運んできます。

南の流れは主に地上付近・・・太平洋の夏の湿った暖かい空気を運搬。
北の流れは大陸の冷たく乾燥した空気を運搬。
両者がぶつかる日本の南岸付近に梅雨前線発生・・・発達した雲ができるという構造。
南から地上付近に運び込まれる湿った暖かい空気には、たっぷり雨の原料が含まれていますが、雨の原料を計る目安が相当温位という数字。

345Kという一時間に50ミリを超える強い雨を降らせるだけの原料を含んだ空気・・・午前中は九州や四国方面・・・夜にかけて関東付近まで流れ込んできます。
で・・・雨はどうなるの?ということでまずは12時間降水量を見てみると・・・・

西日本中心の雨が東日本南岸に拡大してくるのがわかります。
具体的な降水量は、上で見た大雨情報に書かれていましたよね。
もっと詳しくアニメでチェック・・・まず全国版から・・・

コメントはアニメに書き込んでおきましたけど、長野県付近は夕方から今夜にかけてがピークになりそう。
長野県付近は?

予報と同じく、昼頃から東海の強い雨域の北側・・・県南部で雨が降りだして、午後6時までには県全域に拡大。
夜中には南部でオレンジの強い雨・・・1時間に20ミリ以上の強い雨が予想されています。
もっと具体的に・・・・・

湿った暖かい空気は南西の風に乗って長野県へ。
南部の盆地や谷に沿って北上・・・・中アや南ア(南アフリカじゃないっす)の南西斜面にぶつかって特に激しい雨になるものと予想されます。
北部はそれほどではない?かもしれませんけど・・・湿った空気の流れ込み次第でどうなるかわかりませんね・・・・
いずれにせよ、今日の午前中、用水路のゴミや雨どいのつまりを掃除して、雨が降りはじめたら外出しないで済むように準備はしておきたいところです。
できれば今夜・・・できればですけど・・・明日以降・・・週末の梅雨前線の様子もチェックしてみたいと思います。
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Posted by kasayan at 07:31│Comments(0)
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