2010年06月20日
天気予報は当たるのか?(6月20日)夕立雷注意です。
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日、県内は各盆地を中心に太陽が顔を出したので、気象庁の予報がはずれて晴れたという印象を持った方が多かったと思います。
このところ、長野地方気象台の予報・・・ちょっと楽観的なんじゃないの?という書き方をしていましたけど、珍しく気象台の予報を弁護してみると・・・・
気象庁がメインに使っている天気のシュミレーションプログラムには、GSMとMSMという二つのプログラムがあるのですが、このところ観測値に基づいて計算するたびに降水のエリアが変化する傾向がありました。
また、一昨日の記事にも書きましたが、MSMの計算値は昨日の天気と同じく早めに回復するという傾向が出ていたのですが、GSMという計算値には夕方までそこそこ降水が計算されていました。
一昨日に降り始めた雨の降水量は、かなり多くなっていましたから、防災上の観点から、悪目の予測をしているGSMを優先して悪目の予報を発表し、予報の訂正で対応すべきとの判断があったのでしょう。
実際、昨日午前9時に、予報を訂正し、日中「晴れ」の予報を発表しています。
これからの季節、似たような状況が多いと思いますが、気象庁は午前5時、11時、午後5時の3回予報を発表するほか、状況に応じて訂正した予報を発表していますから、天気が気になる方はネットを使って頻繁に予報をチェックすることをおすすめします。
ラジオやテレビの天気予報では、訂正された予報が反映されるのが遅くなりますから・・・・
さて、今朝の雲の様子とレーダーで見た雨の様子・・・


レーダーで見た雨のエリアは南岸中心ですけど、雲のエリアは陸地までしっかり覆っています。
長野県付近は雲の切れ間になっていて、晴れ間が出そうですけど、その晴れ間もかなり微妙な感じがします。
で・・・・今日のポイントは梅雨のシトシト雨や豪雨じゃなくて・・・・夕立の雨です。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日は、全国各地の予報文に「雷を伴う」という文字がついている不安定な天気。
あえてエリア分けはしませんでした。
そして赤で囲んだエリア・・・太陽も出れば雲も広がるし、雷も鳴るというなんでもアリの天気。
長野県はそのど真ん中ですから、昨日みたいに「晴れてるジャン」なんて考えて油断していると・・・・
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

天気マークは「のち 晴れ」マークですから、お気楽なイメージがしますけど、予報文にはしっかりと「雷」の文字。
何時?何処で?
不安定・・・ですから、あくまで傾向を見ることになりますけど、できるだけ詳しくチェックしてみます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
まずは、今朝午前3時の実況天気図から・・・

そして、今夜9時の予想天気図を見比べると・・・・

パッと見はあまり変化ありません・・・これが梅雨の天気を考える難しさ・・・・
普通の天気図だけじゃ天気変化なんてそうそうわかりません。
今日の不安定の原因は、上空に流れ込む寒気と、地上付近に吹き込む湿った暖かい空気。
不安定のときの定番の組み合わせですね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、不安定の定番の組み合わせのうち、上空の寒気から。

昨夜9時の上空の天気図ですけど、冷たい空気を運んでくる上空の流れ(青矢印)が日本上空まで南下しています。
そして、比較的冷たく乾燥した空気が上空を覆ってきていることもわかります。
これが今日はどうなるかというと・・・

-6℃の寒気は南岸まで南下して、さらに-9℃のさらに低い寒気が日本海側を通過。
一方、地上付近の空気はといえば・・・・

上空1500m付近は南西の風が吹きこんでいて、南から湿った暖かい空気を東北北部まで運んでいます。
地上が湿って暖かく、上空が乾燥して冷たければ・・・当然大気は不安定。

地上の流れと降水、上空の寒気をひとまとめにしてみると、こんな感じ。
長野県付近は日差しが出て、気温上昇による弱い低圧部も発生。
また、津軽海峡の西には弱い気圧の谷(低圧部)ができて、これらのエリア中心にモクモクわき上がる雷雲による雨が予想されています。
さらに、前線の凸部に深く流れ込む暖湿流によって西日本もかなり発達した雷雲ができそうですね。
これを時系列で見てみると・・・・

午前中は、先にレーダー画像で見たように、内陸はちょっとした梅雨の中休み傾向ですけど、夜までには西日本・東日本、北海道付近の内陸でもで雨活発化。
長野県は・・・・

午後3時頃から急速に雷雲が発達して、午後6時頃にはかなり広いエリアでザーザーの予想。
今日はGSMの予想もMSMの予想も同様の傾向を示していますから、計算の細かなMSMを中心に考えると・・・今日の天気予報は当たると思います。
上で見た雨のエリアは「傾向」ですから、「所により」の部分はかなり広めにイメージしておいてください。
もちろん、通り雨にように降ったりするところもありますけど・・・・・
一応、夜中には回復です。
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Posted by kasayan at 09:30│Comments(0)
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