2010年03月29日
天気予報は当たるのか?(3月29日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の長野市内は薄っすらと雪が積もっています。
いつもの菅平方面も雲底高度600m前後の低い雪雲に覆われて寒々とした景色。
ただ、上層の雲はないらしく、低い雪雲のすきまからは青空が顔を出していて、雪雲にすきまができれば太陽も顔を出しそうな空模様。
パッと見では、このまま天気は回復しそうな感じがするのですが・・・・・・今夜にかけて真冬でも一級品の寒気が南下してきますから・・・・今日いっぱいは回復を期待できそうもありません。
そうそう・・・今日から番組改編のテレビ局もあるはず。
長野県の天気予報番組・・・少しはかわるのかな?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北日本と日本海側中心に雪マークが多くなっていますから、冬型の気圧配置を想像させる天気マークの分布ですけど、関東や東海の天気マークをズームして見ると、沿岸部にズラリと傘マークが並んでいます。
このため、晴れマークしかない関東にぐずつきエリアの線を引いてあるわけです。
冬型の天気分布なのに何で?ということはあとでチェックしておきます。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

さて、県内は・・・北部だけ雪だるまマークがついていますけど、予報文を読むと県内全域雪がチラチラ降る可能性がありますよね。
また、北部は「昼前まで時々くもり」ですから、昼過ぎになると「時々くもり」がなくなって・・・・「雪」メインの天気になるようです。
今夜にかけて雪が強まるということですから、強まる原因と雪の降り方はチェックしておくことにします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

西高東低の気圧配置になって、日本海から北よりの風が吹く・・・同時に上空には-42℃の寒気が南下してくる・・・・日本海の海水が蒸発して雪雲発生・・・・北よりの風にのって日本海側へ・・・という流れはいつもの冬のお約束です。
もっとも、今日は東海沖に等圧線が北西側に凸になっている弱い気圧の谷が発生。
北風と西北西の風が交差するラインができて雨雲発生。
このため、東海や関東南岸にぐずつきエリアができているわけです。
また、今回の寒気はこの時期としては超一級品。
寒気の中心に覆われる東北では、太平洋側でも大気が不安定になって、雷や雪が予想されています。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、冬型の気圧配置の強まりをサラリとチェック。

上空5400m付近にはこれまた一級品の気圧の谷があって、今日日本を通過。
この谷に対応する関東付近の低気圧が急速に発達して西高東低冬型の気圧配置が強まります。
次は冬型の気圧配置とセットになって雪雲の発生・発達に関係する寒気の様子をチェック。

中心で-42℃の寒気というのは2月に南下してきたとしても一級品と言われるくらいの寒気です。
この寒気のコアが今夜東北日本海側に上陸。
県内は-36℃~-39℃くらいですけど、十分に大雪の目安にできるくらい強い寒気に覆われます。
また、上空1500m付近でも‐12℃前後になりますから、県内は何が降っても雪でしょう。
北部の新潟県境は、シーズンを終えたスキー場が復活してしまうほどのパウダースノーになるかもしれません。
気象庁の見積もりでは最大30センチの降雪の可能性もあるということですから・・・・県境付近でしょうけど・・・・
ということで、冬型がガチンコということを確認したところで、具体的な降り方を確認。

全国的に見ればこんな感じの降り方。
日本海側中心ではあるけれど、太平洋側もそこそこ不安定な雨や雪がありそうですね。

長野県にズームしてみると、一日を通して北部県境中心に降水が計算されています。
南部では晴れ間もあるかもしれませんけど、基本的にはぐずついた一日というところでしょう。
北部の雪が、寒気が南下してくる夜にかけて拡大してくるのもわかりますよね。
最後は、一応、東海・関東の南岸の雨の様子を詳しくチェック・・・というのも県内南部に影響する可能性があるから・・・・

21時の計算値ですけど、南岸に北風と西北西の風がぶつかるラインが見て取れます。
このライン・・・県内南部に影響しそう。
南部の予報・・・・「所により・・・・雪」を重めに見ておいたほうが良いかもしれませんね。
ということで・・・・今日の天気予報・・・・・・午前中に顔を出す晴れ間にだまされない・・・・今夜にかけて北部中心に雪の可能性が高まるということを理解しておけばハズレというイメージは持たないでしょう。
昨日ほどではないにしろ、大気は不安定ですから、中部や南部でも午後から夜にかけて突然に広がる雪雲と舞ってくる雪を十分に想定しておいたほうがよさそうです。
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Posted by kasayan at 07:12│Comments(0)
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