2010年03月17日
天気予報は当たるのか?(3月17日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝3時の衛星画像に同時刻の実況天気図を重ね合わせてみました。

この図を言葉で説明すれば、お天気キャスターみたいですけど、誰でも簡単にできます。
というのも、気象庁は予報だけではなくて概況文も発表しているので、それを読めば良いからです。
ちなみに長野地方気象台が今朝5時に発表した概況は・・・・
「日本付近は西高東低の冬型の気圧配置となっています。長野県内は、概ね晴れで、北部では、雪の降っている所もあります。」
でした。
ちょっと視点を変えて、札幌管区気象台が発表した概況には・・。
「北海道を気圧の谷が通過中です。17日は、次第に冬型の気圧配置が強まってきます。17日3時の石狩・空知・後志地方の天気は、概ね雪となっており、ふぶいている所があります。」
となっています。
また、福岡管区気象台の概況は・・・・
「九州北部地方は、高気圧に覆われて晴れています。」 だけ。
同じ天気図ですけど、日本各地で自分の頭上の天気を気にしているわけですから、視点が異なっているんですね。
各地の概況をザッと読むと、全国の気圧配置と天気分布の関係が短時間で簡単に把握できる・・という裏技の話でした・・・・全国の天気マークの図を見ながら試してみてください。
概況はお天気マークをクリック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日の一言で各地の概況を読んであれば、なんでこのようなエリア分けがされているかわかりますよね?
北日本中心に冬型・・・日本海側で雪傾向・・・・ですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

気象台発表の概況には、実況だけではなく予報の理由も書かれています。
せっかく気象台の予報官が作った解説があるなら、それを読まなければソンですよね。
ちょっと読んでみましょう。
「今日は、はじめ冬型の気圧配置となりますが、夜には日本の南に進んで来る高気圧に覆われる見込みです。
このため、北部では、日中は晴れますが、朝晩は曇りで昼前まで雪の降る所があるでしょう。中部、南部では晴れますが、夜は雲が広がる見込みです」
風のことは書かれていませんけど、予報文では諏訪地方と下伊那地方では西風がちょっと強めに吹くと言っています。
同じ県内だけでこれだけ複雑に風向が変わるのは、関東などの平野部の県では考えられないことです。
これが長野県の特徴ですね。
今日は晴れベースなので、風の様子でもチェックしてみましょうか・・・・・
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

これからの気圧配置の説明も、概況に書かれている予報の理由を読めばわかっちゃいます。
県内は冬型が崩れて日本の南に進んでくる高気圧に覆われるんでしたよね。
天気図が読めない、読めるようになりたい・・・と思われている方は、概況を読みながら天気図を見る練習を試してみてください。
時々、概況になってねーじゃんと思うような出来の悪い概況もありますけど、短文でわかりやすい素晴らしい概況はとても勉強になります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
最初は、唯一天気が悪そうな要因・・・北部の「所により昼前まで雪」の様子をチェックしておきましょう。
まずは今朝のレーダー画像。

雪(雨)雲はほとんど新潟県内。
県北部は雪ではなく低い雪雲に覆われているという感じでしょう。
そして、夕方6時の下層雲と降水の計算値。

新潟富山県境付近は下層の雲に覆われて一部で降水が計算されています。
予報文では「昼前」には止むようですけど、なんだかんだと今日いっぱいは重い雲に覆われやすくチラチラの可能性もあるようですね。
ちなみに新潟地方気象台の概況は「北日本中心の冬型の気圧配置となりますが、午後には西から緩む見込みです。」となっていますから、予報官の頭の中は冬型中心なんですね。
ついでに長野県内の風の様子・・・図中の矢印を見てみましょう。
ものすごく複雑に風が流れていますが、地形に依存していることがわかります。
山を迂回し、盆地に沿って流れるという目で見ると、それぞれの風の理由がわかってきます。
ホースの先をつまむと水が勢いよく飛ぶ・・・ベルヌーイの定理ですね・・・も加味して考えると、山間の風の強さもなんとなくわかります。
予報文の風と照らし合わせてみてください。
ちなみに同時刻の全国の風の様子・・・・

冬型が残る北日本は西の風で西日本は北西の風。
長野県はその中間で、さらに高い山々が風を乱しています。
乱れた風の風下の関東・東海も複雑な風になっていますけど、この複雑な風が関東の天気予報を難しくしています。
乱れの原因の長野県の天気も複雑になるのがわかりますよね。
最後に、上空の寒気も見ておきましょう。

上空1500m付近の気温は県内で-5℃前後。
北部の降水は雪になりますし、太陽が出ても北部や中部は6℃前後までしか上がりません。
ずいぶん暖かくなってきたという感じはしますけど、今日は春よりも冬のほうがちょっとだけ勝っているという感じですね。
で・・・・今日の予報・・・・北部県境付近の山沿いで雲が多いということを理解していれば、はずれることはなさそうですよね。
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Posted by kasayan at 07:21│Comments(0)
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