2010年03月16日
天気予報は当たるのか?(3月16日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の長野市内ではアスファルトの水をはね上げる車の音がしています。
昨夜雨を降らせた雨雲はほぼ東海上に抜けていますが、ほんの数時間前・・午前3時頃は県南部や静岡県で雨のピークでした。

静岡県では警報も発表されており、県南部の飯田市や飯島町では、24時間降水量が3月としては観測史上最大を記録しています。

県内では警報こそ発表されませんでしたけど、この時期にしては激しい雨。
計算値どおりでしたけど、記録が塗り替えられるような気象現象はなにかイヤな感じがしますね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

大きくは北日本とそれ以外のエリアに分けられて、北日本以外では西から回復傾向。
もうちょっと細かくチェックすると・・・・・
北陸や北日本の日本海側では夜に雨や雪・・・冬型の天気分布。
回復傾向のエリアでも関東付近、特に沿岸部ではぐずつき気味。
関東は北東の風が吹くと、三陸沖の冷たく湿った空気が流れ込んですぐに曇ってしまいます。
11時30分追記:
関東地方沿岸もズバッと晴れてきました。気象庁は11時の予報で完全に晴れベースに修正しています。この後、北東風が遅れて吹き込んで雲がかかったら修正失敗ということになりますが、どうなりますやら?
17時45分追記:
東京の日照は14時でストップ。午後になってすぐに北東風が入っちゃったんですよね。朝は曇りベースの予報でしたが、午前中の晴天を見て11時の予報で晴れベースに修正し、夕方から曇りに変更したのだと思いますが、修正失敗だったのでは・・・・・・

冬型の天気分布崩れという感じです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内は、雲マークが太陽マークの左側にありますから、曇りベースの天気。
予報文では午後中心に「晴れ」ということになっていますが、基本的には曇り優先です。
また、中部では「昼前」、南部では「朝」まで雨。
一方、北部は「所により 夜 雪」。
前線の雨が上がって、今度は冬の雪が北部に降るというエリアチェンジがありそうですね。
中南部の雨が上がるタイミングと、北部の雪が降るタイミングとエリアをあとで確認しておきましょう。
今日、北部は北風ですが、中南部は南風。
このパターン、13日の土曜日の寒冷前線通過後、北部中心になかなか雨が上がらなかったときの風向きにちょっと似ています。
とすると・・・・ちょっとイヤな感じがしてきますが・・・・これもチェックしておくことにしましょう。
11時30分追記:
県北部の雨は終息に向かっているようです。前線通過後回復という教科書通りで良かったのか?
取り越し苦労だったかもしれませんが、夕方にもチェックしておかないといけませんね。
17時30分追記:
長野市の今日の日照時間は14分。アメダスでも体感的にも曇り。
午前中11時まで降水が観測されていましたから、曇りベースで「所により雨」もない予報文はハズレだったと思います。「昼過ぎから夕方晴れ」もハズレと思われる方が多いと思います。
13日に引き続き、今日のパターンは北部で天気の回復が遅れる傾向にあるようです。予報官はどのような解析をしたのだろう?


4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

基本的なところは図に書き込んであります。
昨日の記事のアニメと比較するとよくわかりますが、南岸を進んだ前線と、日本海から南下した前線が一体となって東へ抜けていきます。
その際、関東付近を前線が「へ」の字になる部分・・・・キンクといいますが・・・・が通過。
午後9時のこの天気図ではすでに東海上に遠ざかっていますが・・・
この部分には低気圧のような反時計回りの渦ができやすいく、天気はぐずつきやすいのですが、関東付近の回復の鈍さと関係しているようです。
また、このようなキンクは13日の土曜日にも見られました。
県内への影響は・・・東へ遠ざかる速度が異なるので、問題はなさそうですが・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、昼前後に雨が上がるとされている昼の降水の計算値を見てみましょう。

寒冷前線と南岸の前線が一体化する頃だと思います。
長野県は一体化の連結器のエリア・・・・いやな感じ・・
12時の段階で南西から流れ込む風がぶつかりやすい中アや南ア方面で降水が予想されています。
今朝のレーダー画像では南部の雨は上がっていますけど、午前中の降水の変化を流れで見ても、南部が特に早く回復するというわけでもなさそうです。
中南部は午前中いっぱい、パラッとある所もある・・・特に山沿いでは・・と考えておいたほうが無難かもしれません。
北部は回復する感じですけど、志賀高原付近から越後湯沢付近にかけて降水が計算されています。
これも13日(土曜日)と似ているんですよね・・・・上空3000mの風速も強いし・・・
だからといって、北部の雨が長引くとは断定できませんから・・・・ここは今日の実況をしっかりと見届けて経験を積みたいと思います。

この時間帯の地上付近の空気の流れを見ても、県南部は北西の風と南よりの風が複雑に入り乱れています。
関東沖では南西と北西の風がぶつかるシアーラインができていますが、その西の端っこに県南部があたりそうです。
シアーラインではぶつかった空気が上昇して雨雲の帯ができやすいのが特徴。
ここで具体的にどのような変化が起こるのか?ここも長野県の天気を勉強中のKasayanの今日のチェックポイントです。
次は、北部の「所により 夜 雪」の確認。

北ア付近や新潟県境付近に降水が計算されています。
そして、上空の気温は・・・・・

今夜、一応何が降っても雪になるという気温が新潟県まで南下していますから、雪でしょうね。
北西の風が強ければ長野盆地まで雪がチラチラということになるかもしれませんが、それは実況を見つつ判断しなければ難しいところです。
最後は、中南部で晴れてくるタイミング。

午後3時ころに上層、下層の雲がまとまって東へ抜けそうです。
予報文では昼前後から晴れてくるようですが、先に見たシアーラインの影響もあいまって、多少遅くなる可能性もあるかもしれません。
ということで、素直に計算値を見る限りでは、ほぼ予報文のとおりになります。
ただ、今日は長野県の天気を勉強中のKasayan の課題が多いので、当たりハズレは抜きにしておきます。
昨日のように、時間が許す限り、追記で最新情報を記録していくつもりです。
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