2010年03月09日
天気予報は当たるのか?(3月9日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasjavascript:preview('http://kasayan.naganoblog.jp/preview.php');ayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

テレビやラジオの天気予報では「冬に逆戻り」「冬の嵐」「暴風」「雪」なんていうコメントが多いんじゃないでしょうか。
レーダーや衛星画像を見ると、すでに西日本は雨雲のすっぽりと覆われています。
九州南岸を進む低気圧の雲ですが、これが今日は発達しながらゆっくりと北東へ。
典型的な西から下り坂パターンです。
そして明日には西高東低冬型の気圧配置になって、明日は北部中心に冬の雪パターンへ。
シンプルな流れに感じますけど、実はちょっと複雑。
南岸を低気圧が進むのに、日本海に雲が盛り上がりすぎています。
この原因が、低気圧が南岸にありながらも北部にも長時間しっかり降らせる理由になります。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日は津軽海峡までが下り坂エリア。
あとでチェックしますけど、南岸の低気圧は今夜東海沖までしか進まないのに、ずいぶん早めに雨(雪)雲が先行するようです。
長野県は下り坂エリアの真ん中ですから、天気悪化という点はガチンコの予報になりそうですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

南部や中部では「朝から」雪。
北部は「昼前 から」。
いずれにしても午前中には降り始めて、昼には全域でしっかり降っているというイメージです。
止むタイミングも知りたいので、明日の予報文も書き込んでおきました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

一般的な天気図を見る限り、南岸を低気圧が進んでいくだけに見えます。
また、低気圧が進むタイミングで寒気が南下してくるので、一定の寒気のエリアでは雨ではなくて雪になることもわかります。
さらに、低気圧が発達中なので、反時計回りに吹き込む風が強くなって荒れ模様になることも容易にわかります。
テレビやラジオの解説ではここまでだと思いますが、ここでもう一点解説を加えるか否か?ということが番組構成を考える上で悩むところでしょう。
今日は明日夜の予想天気図も掲載しておきます。

西高東低冬型の気圧配置ですね。
日本海側の雪が予想されます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の県内の天気は降水の様子と寒気の様子だけで決まってしまいそうですから、この二つを中心にチェックしていきましょう。
いつものように降り出しのタイミングの様子から。

図の書き込みがすべてですが、北への雨(雪)域の拡大がちょっと大きめになっています。
予報文では、中南部のほうが早めに悪化するように書かれていましたけど、実際はそれほど時間差なくして午前中に県東部まで雨(雪)域が広がるようです。
で・・・次は回復に向かうタイミング。

明日午前9時には南部や中部で回復に向かうようですが、北部、特に新潟県境付近ではこの時点から日本海の雪雲が流れ込み始めます
南岸の低気圧の雨(雪)雲から、西高東低の冬型で発生する日本海の雪雲にバトンタッチ。
ここで、等圧線にも目配りしてみると、日本海には通常の天気図では見えなかった弱い低気圧(低圧部)が計算されています。
今日の段階では、この低圧部ができる前の空気の渦が、日本海側を北上するので、雨(雪)のエリアが北まで拡大しているんですね。
このあたりの解説・・・日本海側沿岸の県の放送なら解説に入れるかもしれませんけど、全国ネットなら悩むところです。
荒れ模様の一つの原因ですから、日本海側の漁師さんにとっては重要な情報なんですよね。
横道にそれましたが、この雪が止むタイミング・・・予報文のようになるかは今夜・明日朝の天気予報で再チェックが必要です。
次は雪の原因、寒気の様子をチェックしておきましょう。

上空の寒気は2月前半の大雪のときよりちょっと高めという程度で、そこそこしっかりした冬の寒気。
ただ、ドバッと大量に南下してくるというよりは、寒気の本体からブチッと切り離された寒気のカタマリが日本付近を通過していくという感じです(表現がヒドイですね。すみません)。
したがって、寒気通過時は真冬に戻りますけど、通過すればすぐに春が回復ということになります。
ついでに雨と雪の境目の下層の寒気の様子。

雪の目安の寒気の線が関東甲信付近にU字型に南下しています。
だから県内の予報は雪だるまマークだったわけですね。
地上付近では北東の風が吹いて、北の寒気を引きずりおろしているようです。
青の線、全国の天気マークの雪だるまマークと傘マークの境目と一致していますよね。
で・・・・どれだけ積もるんだよ・・・ということが気になりますが・・・・・これが難しい・・・・
雪の降り方は、一昨日の日曜日と同等かそれ以上も考えられますが、積雪については正直なところKasayanにはわかりません。
今日の日中の最高気温は、長野と松本で2℃。
明日朝の最低気温の予想も長野と松本で1℃。
地上付近は、おもったほど気温が下がらない予想になっています。
積雪は地面の暖かさや、下層に残る暖気の様子と密接に関係していますから、イイカゲンにえいやっ!と言えるもんでもないんです。
雪になれば降る量がそここそありますし、気温が下がる夕方以降も降り続けますから、積もり始めたら一気に積もるという程度に考えておくのが良いと思います。
いいかげんでごめんなさい。
12時40分追記
11時過ぎに、長野地方気象台から「大雪と着雪に関する長野県気象情報 第1号」が発表されました。
北部の気温上昇は2℃程度で頭打ちになりそうですから、夕方以降の降雪は、平地でも積雪になる可能性が高くなっています。
原文をそのまま引用掲載しておきます。
大雪と着雪に関する長野県気象情報 第1号
平成22年3月9日11時10分 長野地方気象台発表
(見出し)
長野県では、9日夕方から10日朝にかけて雪が降り、中部を中心に大雪となる見込みです。大雪による交通障害や路面の凍結、農業施設等の損壊、電線や架線等への着雪、着氷に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
四国の南には、前線を伴った低気圧があって東北東に進んでいます。この低気圧は、発達しながら9日夜から10日朝にかけて本州の南岸を東北東に進む見込みです。
このため、長野県では9日夕方から10日朝にかけて湿った重い雪が降り、中部を中心に大雪となる所があるでしょう。
また、低気圧の通過後は一時的に強い冬型の気圧配置となるため、北部では、11日にかけて更に降雪量が増える見込みです。
[予想降雪量]
10日12時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 中野飯山地域 :30センチ、
大北地域山沿い :30センチ、
平地 :15センチ、
長野地域山沿い :30センチ、
平地 :15センチ、
中部 乗鞍上高地地域 :40センチ、
上田地域 :20センチ、
但し 菅平周辺 :40センチ、
佐久地域 :20センチ、
松本地域 :20センチ、
但し 聖高原周辺:40センチ、
諏訪地域 :20センチ、
南部 木曽地域 :10センチ、
上伊那地域 :10センチ、
下伊那地域 :10センチ
の見込みです。
[防災事項]
大雪による交通障害や路面の凍結、湿った重い雪による農業施設等の損壊、電線や架線等への着雪、着氷に注意して下さい。また、積雪の多い傾斜地では、なだれに注意して下さい。
[補足事項]
次の「大雪と着雪に関する長野県気象情報」は、9日17時頃に発表の予定です。
17時45分追記
17時過ぎに新しい大雪情報が発表されています。予想降雪量のみ抜粋引用いたします。
[予想降雪量]
10日18時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 中野飯山地域 :30センチ、
大北地域山沿い :30センチ、
平地 :15センチ、
長野地域山沿い :30センチ、
平地 :15センチ、
中部 乗鞍上高地地域 :30センチ、
上田地域 :15センチ、
但し 菅平周辺 :30センチ、
佐久地域 :15センチ、
松本地域 :15センチ、
但し 聖高原周辺:30センチ、
諏訪地域 :15センチ、
南部 木曽地域 : 5センチ、
上伊那地域 : 5センチ、
下伊那地域 : 5センチ
この雪のデータを蓄積して、来年にはもうちょっとしっかり考えられるようにしたいと思っています。
で・・・今日の予報は・・・・はずれないでしょうね・・・この検討結果からすれば・・・。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。