2010年03月13日

天気予報は当たるのか?(3月13日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 今朝は、早朝から一仕事あったので、アップが遅くなりました。




 長野市内、日の出直後は太陽が顔を出していましたが、北から次第に厚い雲が広がっています
 放射冷却で千曲川の川霧も見えますねぇ・・・・秋に良く見える川霧の様子に似ています。

 今日日中は、寒冷前線の通過
 春の空気と冬の空気の境目が南へと進んで・・・・今夜は冬の星空?

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 全国的に、冬と春の境目が通過するので、一日を通したエリア分けはできません。
春から冬に入れ替わったあと、北日本を中心に日本海側は一時的に真冬のようなどんよりとした雲に覆われて雪や雨になるところもあります。
 また、一番最後に冬と入れ替わるエリアは下り坂のまま今日一日が終わってしまうところもあります。

 時々刻々と天気が変化する今日のような日は、目的の地域にズームした天気チェックが必要。
全国の地図は早めに回復するエリアとそうでないエリア、どのような天気からどのような天気に変化するのかを大ざっぱにチェックするために使うことになります。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 前線通過のわりには、傘マークがついていません
おとなりの岐阜県・富山県・新潟県に傘マークがついているにもかかわらず・・・・
 なんだか影響を受けそうですが・・・・この理由は後でチェックすることにしましょう。

 もっとも県内全域で「所により雨(雪)」がついています。
いずれも「朝から昼過ぎ」のタイミング。
 前線通過の影響があるということですね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 前線の雲の様子からスタートしてみました。
シンプルなんでコメントは特にありません。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 前線通過の影響・・・「昼前から昼過ぎ」に雨や雪が降るという「所により」の場所をチェックしておきましょう。




 昼の様子・・矢印は地上付近の風の流れですが、南西の暖かい風と北西の冷たい風がぶつかる前線は太平洋側まですでに南下しています。
 ということは、前線の直接の影響はサッサと終わってしまいます。

 もっとも、昼になっても、上越国境付近では雨(雪)が計算されています。
これが、サッサと前線が南下しても「昼過ぎ」まで・・・と予報文に書いてある理由ですね。

 そこで長野県付近にズーム。




 前線通過後、風の流れは全体的に北西にかわりますが、長野県付近は西寄りの風。
北アルプスや北信五岳にぶつかった風が上昇して雨(雪)雲発生
中央アルプスや南アルプス付近にも降水が計算されています。

 もっとも、これらの山にブロックされて、これらの山々以外では雨や雪があまり降りそうもありません
それほど身構えるほどの降水ではありませんから、長野県の天気マークに傘はついていないんですね。

 また、降水の少ない東のエリアは前線通過後、急速に天気回復
そこそこ早めに晴れ間が出てきそうです。




 午後3時頃の高層から下層にかけてのすべての雲量の図ですが、すっきりと晴れないまでも、晴れ間が出るという感じにまではなりそうですね。

 今日はちょっと時間がなくて、あまり検討ができませんでした。
ここまで見てきたデータだけから見れば、気象庁発表の予報以外のもう一つの天気のシナリオはあまり考えにくいという感じです。
多少きまぐれの雪雲が流れてきても「所により」に含まれてしまいますから、悪い方向で予報がはずれることもないでしょう

17時15分追記
 今日の天気予報、久々に大ハズレでした。見抜けなかったKasayanも、今日は検討が足りませんでした。読み切れなかった情報が次回に生かされるためのメモ・・・・
 県西部中心に雨・雪で、東部は比較的広い範囲で晴れ間がでると予想しましたが、実際は東部の一部で晴れ間が広がった程度で、ほとんどが曇りベース。北部にいたっては、アメダスで観測できないレベルの雨(気温があと2℃低ければ雪でした)が降り続けました。気象庁発表の予報が「昼過ぎまで雪」でしたが、一日をとおして「くもり時々雨」のイメージで推移したと思います。
 北アルプスのブロック効果を過大に評価していたことが原因?北アルプスの山頂付近の西風の風速がことのほか強く、北アルプス付近の雨(雪)雲を県東部まで押し流したのかもしれません。
 また、寒気の南下が遅く、北部平地では雨が中心になったと思います。






 むしろ、晴れのイメージが強かったら、良かったね・・・で済ましてください。

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
 可能な限り返信いたします。