2010年03月16日
天気予報は当たるのか?(3月16日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の長野市内ではアスファルトの水をはね上げる車の音がしています。
昨夜雨を降らせた雨雲はほぼ東海上に抜けていますが、ほんの数時間前・・午前3時頃は県南部や静岡県で雨のピークでした。

静岡県では警報も発表されており、県南部の飯田市や飯島町では、24時間降水量が3月としては観測史上最大を記録しています。

県内では警報こそ発表されませんでしたけど、この時期にしては激しい雨。
計算値どおりでしたけど、記録が塗り替えられるような気象現象はなにかイヤな感じがしますね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

大きくは北日本とそれ以外のエリアに分けられて、北日本以外では西から回復傾向。
もうちょっと細かくチェックすると・・・・・
北陸や北日本の日本海側では夜に雨や雪・・・冬型の天気分布。
回復傾向のエリアでも関東付近、特に沿岸部ではぐずつき気味。
関東は北東の風が吹くと、三陸沖の冷たく湿った空気が流れ込んですぐに曇ってしまいます。
11時30分追記:
関東地方沿岸もズバッと晴れてきました。気象庁は11時の予報で完全に晴れベースに修正しています。この後、北東風が遅れて吹き込んで雲がかかったら修正失敗ということになりますが、どうなりますやら?
17時45分追記:
東京の日照は14時でストップ。午後になってすぐに北東風が入っちゃったんですよね。朝は曇りベースの予報でしたが、午前中の晴天を見て11時の予報で晴れベースに修正し、夕方から曇りに変更したのだと思いますが、修正失敗だったのでは・・・・・・

冬型の天気分布崩れという感じです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内は、雲マークが太陽マークの左側にありますから、曇りベースの天気。
予報文では午後中心に「晴れ」ということになっていますが、基本的には曇り優先です。
また、中部では「昼前」、南部では「朝」まで雨。
一方、北部は「所により 夜 雪」。
前線の雨が上がって、今度は冬の雪が北部に降るというエリアチェンジがありそうですね。
中南部の雨が上がるタイミングと、北部の雪が降るタイミングとエリアをあとで確認しておきましょう。
今日、北部は北風ですが、中南部は南風。
このパターン、13日の土曜日の寒冷前線通過後、北部中心になかなか雨が上がらなかったときの風向きにちょっと似ています。
とすると・・・・ちょっとイヤな感じがしてきますが・・・・これもチェックしておくことにしましょう。
11時30分追記:
県北部の雨は終息に向かっているようです。前線通過後回復という教科書通りで良かったのか?
取り越し苦労だったかもしれませんが、夕方にもチェックしておかないといけませんね。
17時30分追記:
長野市の今日の日照時間は14分。アメダスでも体感的にも曇り。
午前中11時まで降水が観測されていましたから、曇りベースで「所により雨」もない予報文はハズレだったと思います。「昼過ぎから夕方晴れ」もハズレと思われる方が多いと思います。
13日に引き続き、今日のパターンは北部で天気の回復が遅れる傾向にあるようです。予報官はどのような解析をしたのだろう?


4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

基本的なところは図に書き込んであります。
昨日の記事のアニメと比較するとよくわかりますが、南岸を進んだ前線と、日本海から南下した前線が一体となって東へ抜けていきます。
その際、関東付近を前線が「へ」の字になる部分・・・・キンクといいますが・・・・が通過。
午後9時のこの天気図ではすでに東海上に遠ざかっていますが・・・
この部分には低気圧のような反時計回りの渦ができやすいく、天気はぐずつきやすいのですが、関東付近の回復の鈍さと関係しているようです。
また、このようなキンクは13日の土曜日にも見られました。
県内への影響は・・・東へ遠ざかる速度が異なるので、問題はなさそうですが・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、昼前後に雨が上がるとされている昼の降水の計算値を見てみましょう。

寒冷前線と南岸の前線が一体化する頃だと思います。
長野県は一体化の連結器のエリア・・・・いやな感じ・・
12時の段階で南西から流れ込む風がぶつかりやすい中アや南ア方面で降水が予想されています。
今朝のレーダー画像では南部の雨は上がっていますけど、午前中の降水の変化を流れで見ても、南部が特に早く回復するというわけでもなさそうです。
中南部は午前中いっぱい、パラッとある所もある・・・特に山沿いでは・・と考えておいたほうが無難かもしれません。
北部は回復する感じですけど、志賀高原付近から越後湯沢付近にかけて降水が計算されています。
これも13日(土曜日)と似ているんですよね・・・・上空3000mの風速も強いし・・・
だからといって、北部の雨が長引くとは断定できませんから・・・・ここは今日の実況をしっかりと見届けて経験を積みたいと思います。

この時間帯の地上付近の空気の流れを見ても、県南部は北西の風と南よりの風が複雑に入り乱れています。
関東沖では南西と北西の風がぶつかるシアーラインができていますが、その西の端っこに県南部があたりそうです。
シアーラインではぶつかった空気が上昇して雨雲の帯ができやすいのが特徴。
ここで具体的にどのような変化が起こるのか?ここも長野県の天気を勉強中のKasayanの今日のチェックポイントです。
次は、北部の「所により 夜 雪」の確認。

北ア付近や新潟県境付近に降水が計算されています。
そして、上空の気温は・・・・・

今夜、一応何が降っても雪になるという気温が新潟県まで南下していますから、雪でしょうね。
北西の風が強ければ長野盆地まで雪がチラチラということになるかもしれませんが、それは実況を見つつ判断しなければ難しいところです。
最後は、中南部で晴れてくるタイミング。

午後3時ころに上層、下層の雲がまとまって東へ抜けそうです。
予報文では昼前後から晴れてくるようですが、先に見たシアーラインの影響もあいまって、多少遅くなる可能性もあるかもしれません。
ということで、素直に計算値を見る限りでは、ほぼ予報文のとおりになります。
ただ、今日は長野県の天気を勉強中のKasayan の課題が多いので、当たりハズレは抜きにしておきます。
昨日のように、時間が許す限り、追記で最新情報を記録していくつもりです。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年03月15日
天気予報は当たるのか?(3月15日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
長野市内、朝から白っぽい空が広がっています。
南風もちょっと強め。

今日は西から下り坂。
天気の坂?を登ったり降りたり、似たようなことを繰り返していますけど、毎回似て非なるものなので、長野の天気を勉強するには最適な気圧配置になっています。
朝の天気チェック、ちょっと時間がかかるようになってしまって、ブログを書く時間があまりなくなってきました。
ブログに使えそうな天気図を羅列してしまう傾向になりますけど、天気図のアニメだけはキチンと作っているつもりなので・・・・

下り坂はすでに西日本にかかっています。
長野県付近は上空の薄い雲がかかり始めています・・・・これが白っぽい空の原因ですね。
今夜、県内は下り坂をスピードを上げて転がり落ちそうです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

一日の中で天気が変化してしまうので、○○エリアというようにエリア分けができません。
全国的に「のち」マークのオンパレード。
「/」の右側のマークは、左側より全部悪いマークになっています。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

長野県周辺も「のち」の右側は傘マークばっかり。
予報文で「のち」のタイミングを見ると、「夜」。
降り出しのタイミングはキチンとチェックしておくことにします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧がズルッと滑り落ちるように南東方向へ抜けていきます。
そのかわり・・・低気圧やら前線やら・・・気圧の谷が西からやってくるので下り坂。
西日本は太平洋側中心に湿った空気が流れ込んでまとまった雨が予想されます。
また、東日本方面は日本海側の雨が先行しつつ、太平洋側の雨とはさみうちで雨になりそうです。
北海道も下り坂ですけど、県内に関係ないので無視しちゃいました。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
どんなイメージで天気が下り坂を落ちるんだろう?ということで雲の様子の計算値から。

今朝からすでに上空の雲(卷層雲)がかかっていますけど、昼頃から中層の雲(高層雲)がかかってきて、太陽が顔を隠しはじめ、夕方には下層の雨雲(乱層雲・積乱雲)がかかってくるという感じでしょうか。
雲の下の雨は・・・・

日本列島を縦断する南北のひとつの帯のようになっています。
もっとも、南岸の前線と日本海の寒冷前線の二つの系統にわかれていますから、その中間にあたる長野県の雨はちょっと複雑な様相を見せる可能性があります。
ここが、今日の勉強のポイントです。
北アルプスなどの山々の影響・・・どうなるんでしょうか?
とりあえず、雨の降りだしのタイミング。

二つのシュミレーションデータの比較。
予報文では、「夜 雨」ですけど、実際は、夕方4時過ぎには県西部で雨が降りだして、午後6時頃には全県に雨が拡大する傾向。
県西部では、ちょっと早めの降りだしを想定しておいたほうが良いでしょうね。
12時45分追記:
レーダーを見る限り、県西部山岳方面ではすでに降り始めているところがありそうです。
11時発表の予報も「夜 雨」になっていますが、県西部では14時前後の降り始めも想定しておいたほうが良いかもしれまません。
22時追記:
雨の降りだしの様子を時系列でまとめました。
アメダスの観測がされるようになったのは16時以降ですが、レーダーにはかなり早期に雨雲が映っています。Yahoo天気の投票による人の目で見た天気傾向では15時過ぎから白馬付近で雨の投票数が増えています。下層暖気の北アルプスによる強制上昇で濃尾平野をジャンプして北アルプスから降りだす・・・・という理由かな?


南岸を通過する前線には雨の原料が、強い南風にのって流れ込んでくることがわかります。
今夜県南部の雨はちょっと激しく、大気も不安定なので雷の可能性もあるかもしれませせん。
久々のまとまった雨には注意が必要です。
気象庁では、東海・甲信で明日朝までに120ミリの雨を予想していますから・・・・
ということで、ここまでのチェックでは今日の天気予報の理由を見ただけになっています。
その先は・・・・・今日は長野県の天気変化の勉強なので、ここまでにしておきます。
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2010年03月14日
天気予報は当たるのか?(3月14日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日朝の予報・・・特に長野県北部の予報はハズレだったと思います。
予想よりずっと東のエリアまで雨(雪)雲が流れ込んで、シトシト状態。
どこまで北アルプスや北信五岳の”壁”が雨(雪)を阻止できるか?の難しさを感じました。

昨日午後2時の衛星画像・・・可視画像といって人間の目で見えるのと同じ映像です。
長野県付近には南北に数本の雲の帯があって、それぞれアルプスの山々と一致した位置にあることがわかります。
これらの雲がもう少しシャープに縦に並ぶことを想像してたんですが、結構広がっています。
また、北部付近は北信五岳から志賀高原付近にかけて広く雲が拡大していて、日中は晴れ間がのぞくどころか雨(雪)もしつこく残りました。
上空の風速と風向の予測との微妙なズレで寒冷前線通過時の県内の天気は複雑に変化するようです。
関東は長野県にブロックされて晴れのエリアになっていますが・・・・昨年までは関東の天気ばかり見ていたのでちょっと甘く見ていたようです。
山の天気は変わりやすいなどといいますが、長野県・・・・難しいぞ!
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークの配置をわけると、うんと大ざっぱに二つのエリアにわけることができます。
「のち」回復エリアと、「のち」下り坂エリア。
本当に天気変化が早いですね。
もう西から下り坂に向かってしまいます。
まあ、長野県は回復エリアの真ん中くらいですから、予報の大ハズレはない感じはします。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

朝のうち曇っていても回復傾向。
本当は昨夜の時点で回復していると考えられたんですけど、ずいぶん尾を引いてしまいました。
南風が早めに入る南部ほど気温が上昇。
飯田17℃、松本12℃、長野10℃。
北部は昨日の午前中より低めですけど、午後から急激に気温が下がったので、昨日よりはずっと暖かく感じられそうですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

長野県だけなら、高気圧のど真ん中ですから、今日の天気については特に解説も必要ないですね。
西からやってくる気圧の谷。
今のところ、明日長野県に影響してくるのは、夜になってからのようです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日は高気圧のど真ん中へ。
基本的に晴れベースですから、雲の様子だけ見ておきましょう。

下層から上層までの全雲量の計算値ですが、長野県は晴れのど真ん中。
朝残っている低い雲が取れたら青空が広がるというイメージだと思います。
ただ、上空の湿気がそこそこ多いので、抜けるような・・ではない青空といったところかもしれません。

上空の気温は高気圧が南下してくるにしたがって、西から上昇してきて、凹型の0℃の線が凸型に変化します。
もっとも長野県や関東方面はイマイチ変化がありません。
関東などでは高気圧からの吹きだしの風で下がる傾向も。
数日前の暖かさまで回復するのは難しそうです。
昨日は、”もう一つの天気のシナリオ”の可能性を読めませんでしたが、実は今日も同じです。
今日の予報は当たると思いますが・・・・ハズレた昨日の流れで起こっている今日の天気ですから、ちょっと不安があるというのが正直なところです。
可能性の低いシナリオとして、弱ーい気圧の谷が出来る関東沖、北東風の影響で夜に雲が広がる関東付近の雲が南部の晴れに影響する?・・・ことが考えられますけど・・・・可能性低いわなぁ・・・・?
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2010年03月13日
天気予報は当たるのか?(3月13日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝は、早朝から一仕事あったので、アップが遅くなりました。

長野市内、日の出直後は太陽が顔を出していましたが、北から次第に厚い雲が広がっています。
放射冷却で千曲川の川霧も見えますねぇ・・・・秋に良く見える川霧の様子に似ています。
今日日中は、寒冷前線の通過。
春の空気と冬の空気の境目が南へと進んで・・・・今夜は冬の星空?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

全国的に、冬と春の境目が通過するので、一日を通したエリア分けはできません。
春から冬に入れ替わったあと、北日本を中心に日本海側は一時的に真冬のようなどんよりとした雲に覆われて雪や雨になるところもあります。
また、一番最後に冬と入れ替わるエリアは下り坂のまま今日一日が終わってしまうところもあります。
時々刻々と天気が変化する今日のような日は、目的の地域にズームした天気チェックが必要。
全国の地図は早めに回復するエリアとそうでないエリア、どのような天気からどのような天気に変化するのかを大ざっぱにチェックするために使うことになります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

前線通過のわりには、傘マークがついていません。
おとなりの岐阜県・富山県・新潟県に傘マークがついているにもかかわらず・・・・
なんだか影響を受けそうですが・・・・この理由は後でチェックすることにしましょう。
もっとも県内全域で「所により雨(雪)」がついています。
いずれも「朝から昼過ぎ」のタイミング。
前線通過の影響があるということですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

前線の雲の様子からスタートしてみました。
シンプルなんでコメントは特にありません。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
前線通過の影響・・・「昼前から昼過ぎ」に雨や雪が降るという「所により」の場所をチェックしておきましょう。

昼の様子・・矢印は地上付近の風の流れですが、南西の暖かい風と北西の冷たい風がぶつかる前線は太平洋側まですでに南下しています。
ということは、前線の直接の影響はサッサと終わってしまいます。
もっとも、昼になっても、上越国境付近では雨(雪)が計算されています。
これが、サッサと前線が南下しても「昼過ぎ」まで・・・と予報文に書いてある理由ですね。
そこで長野県付近にズーム。

前線通過後、風の流れは全体的に北西にかわりますが、長野県付近は西寄りの風。
北アルプスや北信五岳にぶつかった風が上昇して雨(雪)雲発生。
中央アルプスや南アルプス付近にも降水が計算されています。
もっとも、これらの山にブロックされて、これらの山々以外では雨や雪があまり降りそうもありません。
それほど身構えるほどの降水ではありませんから、長野県の天気マークに傘はついていないんですね。
また、降水の少ない東のエリアは前線通過後、急速に天気回復。
そこそこ早めに晴れ間が出てきそうです。

午後3時頃の高層から下層にかけてのすべての雲量の図ですが、すっきりと晴れないまでも、晴れ間が出るという感じにまではなりそうですね。
今日はちょっと時間がなくて、あまり検討ができませんでした。
ここまで見てきたデータだけから見れば、気象庁発表の予報以外のもう一つの天気のシナリオはあまり考えにくいという感じです。
多少きまぐれの雪雲が流れてきても「所により」に含まれてしまいますから、悪い方向で予報がはずれることもないでしょう。
17時15分追記
今日の天気予報、久々に大ハズレでした。見抜けなかったKasayanも、今日は検討が足りませんでした。読み切れなかった情報が次回に生かされるためのメモ・・・・
県西部中心に雨・雪で、東部は比較的広い範囲で晴れ間がでると予想しましたが、実際は東部の一部で晴れ間が広がった程度で、ほとんどが曇りベース。北部にいたっては、アメダスで観測できないレベルの雨(気温があと2℃低ければ雪でした)が降り続けました。気象庁発表の予報が「昼過ぎまで雪」でしたが、一日をとおして「くもり時々雨」のイメージで推移したと思います。
北アルプスのブロック効果を過大に評価していたことが原因?北アルプスの山頂付近の西風の風速がことのほか強く、北アルプス付近の雨(雪)雲を県東部まで押し流したのかもしれません。
また、寒気の南下が遅く、北部平地では雨が中心になったと思います。

むしろ、晴れのイメージが強かったら、良かったね・・・で済ましてください。
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2010年03月12日
天気予報は当たるのか?(3月12日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝は放射冷却もあって、冷え込んだ感じがしますけど、気温の数字的には2月上旬のあの寒さほどではありません。

乱高下の気温に翻弄されながらも、少しずつ身体は春モードに変化しているんですね。

今朝5時の衛星画像ですが、春と冬、夏と冬の間に雲の帯が見えています。
春と夏の境目の上空の流れの蛇行が季節の入れ替わりの激しさの原因ですが、春から夏への入れ替わりも激しくなるんでしょうか?興味があるところです。
北半球はこれから春・夏のエリアが北上し、南半球では南極方面から冬のエリアが北上してきます。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

基本的に、日中は全国的に晴れベースですけど、強いて言えばこのようなエリア分けになります。
晴れベースの例外部分2か所の理由は予想天気図でチェックしましょう。
北の下り坂エリアは明日、他のエリアにも影響しそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

このエリアの天気マークは、日本海側は太陽マーク一発ですが、太平洋側は雲マークとセットになっています。
もっとも、周囲の県も含めて予報文を読む限り、日中はほぼ晴れベースで、雨の心配はなし。
中部や南部で南風が「やや強く」と書かれていますが、これが影響しているようですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

テレビの天気予報の解説もだいたい同じようなものだと思います。
むしろ、明日の寒冷前線南下のほうを強調して解説しているキャスターも多いと思います。
全国天気でチェックした二つの晴れベースの例外エリア・・・・北は低気圧と寒冷前線の接近、南岸は湿った空気による雲が原因ですね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
高気圧に覆われて晴れ・・・の部分を一応チェック。

北海道の日本海側で夜降水の可能性がありますが、全国的に日中は降水が計算されていません。
高気圧のエリア内ガチンコですから、まあこんなもんでしょう。
次は、南から暖湿流が流れ込んで気温上昇の部分もチェック。

上空1500mの0℃以下のエリアが、今日日中だけで西日本から北海道付近まで北上してしまいます。
一気に上空の寒気が北上し、晴れるということで、気温急上昇になるわけですね。
もっとも、今夜北海道付近にやってくる低気圧と寒冷前線の後ろ側には寒気があります。
暖かい空気と寒気がぶつかると雲が発達しますけど、明日の寒冷前線の前後は温度差が結構ありますから、明日は北日本中心に荒れ模様かもしれません。
で・・・・最後は、晴れの様子・・・南岸の曇り具合もチェック。

これは12時の雲の様子。本州にかかっている雲のほとんどは中層・下層の雲です。
南岸には南北に筋のような雲ができていますが、南西風がもたらす暖湿流による雲。
これが南岸にかかってくるのは、午後3時前後。
ということですから、日中はほぼ晴れ。先行する湿った空気は春霞ですね。
どうせ雨なんて降りませんし、晴れベースはガチンコですから、今日は天気予報の当たりハズレなんてヤボなことをしなくてもイイですよね。
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2010年03月11日
天気予報は当たるのか?(3月11日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
朝方まで雪がチラチラ舞っていた長野市内も、太陽が顔を出し始めました。

今日、明日と天気は回復。
再び春がやってきますが・・・・・・・
今日、午前11時から明日午前5時までサーバーメンテナンスでブログ休止。
まあ、晴れのタイミングなので追記することもないでしょう。
2、全国の予報
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天気の変化は他県からやってきます。

エリア分けしていません。
別に手抜きじゃないんですけど、ひさびさに「全国的」という言葉が使える状態。
「全国的に回復」ですね。
全国的に晴れ・・・ではありません。今降っているところもあるから。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

今日、明日の予報文を書き込んでおきました。
「のち 晴れ」のタイミングがチェックポイントですけど、上の長野市内の写真を見ると、それなりに早そうな感じがしますよね。
はぶいちゃいましたけど、中部の風の予報文は「北の風 諏訪地域 では 西の風 やや強く」です。
高気圧の張り出しのタイミングでは風が強めなんですよね。
北部と中部は5℃前後の予想気温ですから、晴れてもイマイチ暖かくない感じです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

特にコメントする必要はないですけど、晴れても寒気残って北日本中心に風強めというところがポイントです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、きちんと回復するのか?北部や西部の雪の様子をチェックしておきましょう。

新潟県境付近の降水が昼前後にはみるみる小さくなりって午後3時ころにはほぼ消滅。
高気圧が張り出してきて、冬型の気圧配置がゆるむわけですから当然ですね。
ただ、高気圧から低気圧に流れる北西の風が吹く傾向はまだ続きます。
で・・・・キチンと晴れるのか?ですが・・・・

高い所の雲はすっかり無くなっていて、背の低い雪雲・・・一番上の写真の菅平にベタっとかかっている雲ですね・・・・が北部県境付近に残りますが、次第に消える傾向。
県境以外にも少し雲は計算されていますが、上空の雲がほとんどなくなっているので、雲の切れ間ができれば予報より早く春の青空が広がってくるはずです。
そして、暖かくなるのか?ですが・・・・

日中、雪を降らせるに十分足りる程度の寒気は北日本付近まで北上しますが、ちょっとゆっくり気味。
イマイチ気温が上がりません。
北西の風とあいまって、空は春でも空気は冬という感じですね。

最後に風速の様子をチェックしときました。
北アルプスの南側、御嶽山の北側を岐阜県側から吹き込む風が、諏訪盆地を山梨にむけて通過していきますが、これが西風になって寒さを感じさせそうです。
・・・・で・・・これなら今日の天気、はずれないでしょ?
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2010年03月10日
天気予報は当たるのか?(3月10日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
嵐の夜が明けて、真っ先に気になる積雪の様子。

中部や南部木曽方面中心に20センチ前後の積雪になっているようです。
一方、北部で新たに積もった雪の量はそれほどでもありません。
気温を見ると、北部より中南部のほうが低くなっているんですね。
長野市では今朝になって雨になっている所もあって、長野駅付近の道路の雪はほとんどなし。
南部ほど降水量が多く観測されていることに加えて、このような気温の分布も積雪に影響しているものと考えられそうです。

今朝の予報が発表された頃、午前5時半頃のレーダー画像。
まだまだ県内にも雪(雨)雲が散在しています。
そして、午前9時、中南部がゆっくりと回復に向かう頃の地上付近の空気の流れの様子。

こうやって見ると、日本海側にある弱い低気圧もしっかりと渦を作っていて、この渦が長野県ならではの高い山の影響を受けつつ、複雑な気温と降雪の分布をもたらしています。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

西日本は日本海側で雪の冬型の天気分布なのですが、太平洋側もすっきりと晴れにはならないようです。西日本にも強い寒気が南下していて、四国の山でも雪が降る場合に良く見られれるパターン。
北日本には雪だるまが風に吹かれている暴風雪マークまでついていますから、昨夜の県内の嵐がますます強まりながら北日本に影響するんでしょうね。
一方、関東東海の太平洋沿岸部には太陽マークがついています。
ここは冬型の天気分布になるようです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

中部や南部は朝から回復のようですが、マークは「のち くもり」ですから、スパッと回復するようではなさそうです。
中部の予報文には「後 晴れ」がついていますけど、予報官は「後 くもり」マークを選択していますから、基本的に曇りベースで考えておくべきでしょう。
一方、今朝雨になっている所もある北部は「時々 雪」が予想されています。
中南部が回復して、北部に雪の予報ですから、冬型のパターンにこれから移行していくということですね。
移行途中で晴れ間が出ることもよくあるパターンですから、一時的に晴れ間もあるかな?
冬型のパターンになっても、中南部で晴れない理由・・・冬型なら北か西よりの風はずなのに、中南部で一日南風が予想されていることと関係がありそうですから、あとの詳しいチェックで着目してみます。
17時15分追記
17時発表の予報では、冬型へのバトンタッチのタイミングが少し遅くなっているようです。
北部のバトンタッチ前の晴れ間も午後になってようやく出たという状態。
予報文では「夜遅く」となっていますから、午後9時以降を予測しているようです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

テレビでもこんな感じの解説が一番多いんじゃないでしょうか?
日本海の低気圧は消えて、北海道の東で低気圧が猛烈に発達。
大陸の高気圧の中心が中国の南のほうに見えますから、典型的な冬型の気圧配置とはちょっと違いますけど、西から冬型になるといえるでしょう。
そして、寒気も西日本から南下してきます。
西日本も広い範囲で降るものは雪になりそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
こういう状況ですから、天気予報の当たりハズレを云々するのはやめておきます。
で・・・気になる今日の雪や雨の様子ですが・・・・午前9時の様子はすでにご覧いただきましたので・・・・
午後3時と午後9時の様子。

全体に北西の風が中心になってきて、太平洋側の雲が消え、反対に日本海沿岸の雲が活発になってくることがわかります。
冬型の天気分布に、西からゆっくりとバトンタッチするという感じですね。
でも、なぜ、中南部がすっきりと回復しないんでしょう。
では、今日正午の様子を県内にズーム。

まだまだ、中南部にも雪(雨)が予想されています。
全体としては北西の風が中心ですけど、新潟県沖には消滅しつつある低気圧があって、この低気圧が岐阜県付近の北西の風を吸い上げて、県南部を南よりの風になって再び北上しています。
このため、北西の風があたる北アルプス付近、南西の風があたる中ア・南ア・八ヶ岳方面でも雨や雪がしぶとく残って、平地でも曇りがちの天気になってしまうようです。
中南部の「後 くもり」の予報はちょっと悪目のイメージにしておいたほうがよいかもしれませんね。
日本海の消えつつある低気圧・・・・県内の雨や雪にかなり影響を与えましたけど、昨夜の県内の天気予報番組も今朝の県内の天気予報番組でも、Kasayanがチェックした限り、解説はありませんでした。
一般的な生活に必要はないかもしれませんが、そうでない方もいるわけですから、雪の様子を映像で流しているヒマがあるなら、あと7秒コメントしてもらいたいと思うのですが・・・・。
横道にまたそれちゃいましたけど、雨・雪の判断要素になる寒気の様子も見ておきましょう。

上空1500m付近で-5℃の寒気が西日本から日本を覆ってきます。
この範囲では降るものはほとんど雪になりますから、上で見た中南部の降水エリアは、いったん雨になっても再び雪になる可能性が高くなってきます。

そして、今夜は上空5300m付近に今回の雪の主役、マイナス35℃以下の寒気の中心部がやってきます。
西から冬型になるといいましたけど、夜には東日本も冬型の気圧配置。
強い寒気とあいまって、雪雲が発達しやすくなり、日本海側の雪が強くなります。
県北部、特に新潟や富山県境付近の雪が多くなりそうですから、北部はこれからが雪本番といったところでしょう。
最後に今朝長野地方気象台が発表した「大雪と着雪に関する長野県気象情報 第4号」を抜粋掲載しておきます。今回の大雪情報は、これが最後の発表になるようです。
[予想降雪量]
11日06時までの24時間降雪量は、いずれも多い所で、
北部 中野飯山地域 :20センチ
大北地域山沿い :20センチ
平 地 :10センチ
長野地域山沿い :20センチ
平 地 : 5センチ
中部 乗鞍上高地地域 :10センチ
上田地域 : 2センチ
但し 菅平周辺 : 5センチ
佐久地域 : 2センチ
松本地域 : 2センチ
但し 聖高原周辺 : 5センチ
諏訪地域 : 2センチ
南部 木曽地域 : 5センチ
上伊那地域 : 2センチ
下伊那地域 : 2センチ
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年03月09日
天気予報は当たるのか?(3月9日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasjavascript:preview('http://kasayan.naganoblog.jp/preview.php');ayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

テレビやラジオの天気予報では「冬に逆戻り」「冬の嵐」「暴風」「雪」なんていうコメントが多いんじゃないでしょうか。
レーダーや衛星画像を見ると、すでに西日本は雨雲のすっぽりと覆われています。
九州南岸を進む低気圧の雲ですが、これが今日は発達しながらゆっくりと北東へ。
典型的な西から下り坂パターンです。
そして明日には西高東低冬型の気圧配置になって、明日は北部中心に冬の雪パターンへ。
シンプルな流れに感じますけど、実はちょっと複雑。
南岸を低気圧が進むのに、日本海に雲が盛り上がりすぎています。
この原因が、低気圧が南岸にありながらも北部にも長時間しっかり降らせる理由になります。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日は津軽海峡までが下り坂エリア。
あとでチェックしますけど、南岸の低気圧は今夜東海沖までしか進まないのに、ずいぶん早めに雨(雪)雲が先行するようです。
長野県は下り坂エリアの真ん中ですから、天気悪化という点はガチンコの予報になりそうですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

南部や中部では「朝から」雪。
北部は「昼前 から」。
いずれにしても午前中には降り始めて、昼には全域でしっかり降っているというイメージです。
止むタイミングも知りたいので、明日の予報文も書き込んでおきました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

一般的な天気図を見る限り、南岸を低気圧が進んでいくだけに見えます。
また、低気圧が進むタイミングで寒気が南下してくるので、一定の寒気のエリアでは雨ではなくて雪になることもわかります。
さらに、低気圧が発達中なので、反時計回りに吹き込む風が強くなって荒れ模様になることも容易にわかります。
テレビやラジオの解説ではここまでだと思いますが、ここでもう一点解説を加えるか否か?ということが番組構成を考える上で悩むところでしょう。
今日は明日夜の予想天気図も掲載しておきます。

西高東低冬型の気圧配置ですね。
日本海側の雪が予想されます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の県内の天気は降水の様子と寒気の様子だけで決まってしまいそうですから、この二つを中心にチェックしていきましょう。
いつものように降り出しのタイミングの様子から。

図の書き込みがすべてですが、北への雨(雪)域の拡大がちょっと大きめになっています。
予報文では、中南部のほうが早めに悪化するように書かれていましたけど、実際はそれほど時間差なくして午前中に県東部まで雨(雪)域が広がるようです。
で・・・次は回復に向かうタイミング。

明日午前9時には南部や中部で回復に向かうようですが、北部、特に新潟県境付近ではこの時点から日本海の雪雲が流れ込み始めます
南岸の低気圧の雨(雪)雲から、西高東低の冬型で発生する日本海の雪雲にバトンタッチ。
ここで、等圧線にも目配りしてみると、日本海には通常の天気図では見えなかった弱い低気圧(低圧部)が計算されています。
今日の段階では、この低圧部ができる前の空気の渦が、日本海側を北上するので、雨(雪)のエリアが北まで拡大しているんですね。
このあたりの解説・・・日本海側沿岸の県の放送なら解説に入れるかもしれませんけど、全国ネットなら悩むところです。
荒れ模様の一つの原因ですから、日本海側の漁師さんにとっては重要な情報なんですよね。
横道にそれましたが、この雪が止むタイミング・・・予報文のようになるかは今夜・明日朝の天気予報で再チェックが必要です。
次は雪の原因、寒気の様子をチェックしておきましょう。

上空の寒気は2月前半の大雪のときよりちょっと高めという程度で、そこそこしっかりした冬の寒気。
ただ、ドバッと大量に南下してくるというよりは、寒気の本体からブチッと切り離された寒気のカタマリが日本付近を通過していくという感じです(表現がヒドイですね。すみません)。
したがって、寒気通過時は真冬に戻りますけど、通過すればすぐに春が回復ということになります。
ついでに雨と雪の境目の下層の寒気の様子。

雪の目安の寒気の線が関東甲信付近にU字型に南下しています。
だから県内の予報は雪だるまマークだったわけですね。
地上付近では北東の風が吹いて、北の寒気を引きずりおろしているようです。
青の線、全国の天気マークの雪だるまマークと傘マークの境目と一致していますよね。
で・・・・どれだけ積もるんだよ・・・ということが気になりますが・・・・・これが難しい・・・・
雪の降り方は、一昨日の日曜日と同等かそれ以上も考えられますが、積雪については正直なところKasayanにはわかりません。
今日の日中の最高気温は、長野と松本で2℃。
明日朝の最低気温の予想も長野と松本で1℃。
地上付近は、おもったほど気温が下がらない予想になっています。
積雪は地面の暖かさや、下層に残る暖気の様子と密接に関係していますから、イイカゲンにえいやっ!と言えるもんでもないんです。
雪になれば降る量がそここそありますし、気温が下がる夕方以降も降り続けますから、積もり始めたら一気に積もるという程度に考えておくのが良いと思います。
いいかげんでごめんなさい。
12時40分追記
11時過ぎに、長野地方気象台から「大雪と着雪に関する長野県気象情報 第1号」が発表されました。
北部の気温上昇は2℃程度で頭打ちになりそうですから、夕方以降の降雪は、平地でも積雪になる可能性が高くなっています。
原文をそのまま引用掲載しておきます。
大雪と着雪に関する長野県気象情報 第1号
平成22年3月9日11時10分 長野地方気象台発表
(見出し)
長野県では、9日夕方から10日朝にかけて雪が降り、中部を中心に大雪となる見込みです。大雪による交通障害や路面の凍結、農業施設等の損壊、電線や架線等への着雪、着氷に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
四国の南には、前線を伴った低気圧があって東北東に進んでいます。この低気圧は、発達しながら9日夜から10日朝にかけて本州の南岸を東北東に進む見込みです。
このため、長野県では9日夕方から10日朝にかけて湿った重い雪が降り、中部を中心に大雪となる所があるでしょう。
また、低気圧の通過後は一時的に強い冬型の気圧配置となるため、北部では、11日にかけて更に降雪量が増える見込みです。
[予想降雪量]
10日12時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 中野飯山地域 :30センチ、
大北地域山沿い :30センチ、
平地 :15センチ、
長野地域山沿い :30センチ、
平地 :15センチ、
中部 乗鞍上高地地域 :40センチ、
上田地域 :20センチ、
但し 菅平周辺 :40センチ、
佐久地域 :20センチ、
松本地域 :20センチ、
但し 聖高原周辺:40センチ、
諏訪地域 :20センチ、
南部 木曽地域 :10センチ、
上伊那地域 :10センチ、
下伊那地域 :10センチ
の見込みです。
[防災事項]
大雪による交通障害や路面の凍結、湿った重い雪による農業施設等の損壊、電線や架線等への着雪、着氷に注意して下さい。また、積雪の多い傾斜地では、なだれに注意して下さい。
[補足事項]
次の「大雪と着雪に関する長野県気象情報」は、9日17時頃に発表の予定です。
17時45分追記
17時過ぎに新しい大雪情報が発表されています。予想降雪量のみ抜粋引用いたします。
[予想降雪量]
10日18時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 中野飯山地域 :30センチ、
大北地域山沿い :30センチ、
平地 :15センチ、
長野地域山沿い :30センチ、
平地 :15センチ、
中部 乗鞍上高地地域 :30センチ、
上田地域 :15センチ、
但し 菅平周辺 :30センチ、
佐久地域 :15センチ、
松本地域 :15センチ、
但し 聖高原周辺:30センチ、
諏訪地域 :15センチ、
南部 木曽地域 : 5センチ、
上伊那地域 : 5センチ、
下伊那地域 : 5センチ
この雪のデータを蓄積して、来年にはもうちょっとしっかり考えられるようにしたいと思っています。
で・・・今日の予報は・・・・はずれないでしょうね・・・この検討結果からすれば・・・。
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2010年03月08日
天気予報は当たるのか?(3月8日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の衛星画像と、明日朝の「予想される衛星画像」の様子。

コンピューターの計算値をちょこちょこっといじると、未来予想図?ができます。
上空の雲の様子を取り外してしまっているので、本当はもうちょっと全体に白っぽい画像になるはず?
ところで、3月といえば番組改編期。
放送局にある天気予報画面の自動送出システム(パソコンみたいなものです)も更新の季節で、天気予報の画面も刷新されることが多くなります。
番組を制作している気象会社は様々なCG画面を放送局に売り込むわけですが・・・・・
県内で見ることのできる天気予報の画面はどれも横並び。
そろそろ「わかりやすくて」、「未来の天気変化が視聴者の頭に自然と焼きつく」ような冒険的な企画してほしいものです。
もちろん、CGだけじゃなくて、一番大切な声の解説についても。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道付近はまだまだ冬。
その他のエリアは基本的に晴れ。
「のち」に傘マークがついている九州地方の予報文を読むと、日中は晴れ間が広がるようです。
下り坂のタイミングは「夜」です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

今日はつかのまの晴れですから、明日の「雪」の予報文も書き込んでおきました。
北部の回復だけちょっと遅い感じですけど、全般に回復傾向ですね。
日中は晴れ間が広がってくるようです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧が張り出してきて晴れ間が広がってくるけど、早くも西から前線がやってきて、夜には下り坂・・・という一言でまとまっちゃいます。
ただ、高気圧が張り出してくるタイミングで、昨日雪を降らせた南岸の低気圧との間で、ちょっとだけ西高東低の気圧配置っぽい状態になります。
また、上空に寒気が残りますから、日本海側の雲が残ってしまい、長野県北部の回復が遅れ気味というところです。
本当は、北海道の雪のことも触れないと完全な解説にはならないんですけど、長野県内への影響はありませんから、省いちゃいました。
プチ冬型だから雪とだけコメントしておきます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日は回復基調。
少なくとも、雨も雪も降る可能性は非常に低くなっていますから、重箱のスミをつつくような検討はする気になりません。
ざっと計算値を眺めてみても、予報にあやしさを感じるところもありません。
気象庁が発表している業務用?の解説資料を見ても、ほとんど今日のことは触れていませんから、気象庁の関心も今夜からの下り坂中心。
多少雲が消えにくい予感もするのですが・・・今日の予報はあたる・・・ということにしておきます。
問題は明日。
一応・・・・・・明日夜の天気図がこれ。

昨日の低気圧より、ずっと発達した低気圧の姿が見えます。
春の嵐の低気圧。
今夜には、降るものは全部雪になるとい-6℃の寒気が南下してきます。

明日もこの寒気が残る傾向ですから、雪になる可能性が高いでしょう・・・今のところ。
低気圧の発達度合い、進む速度はまだまだ不確定要素がありますから、降り出しのタイミングなんかは17時発表の予報・・・・今夜の天気予報でチェックしてください。
で・・・・明後日は、この低気圧が北海道付近まで進んで、久々の「西高東低 冬型の気圧配置」?
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2010年03月07日
天気予報は当たるのか?(3月7日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
午前6時15分、朝の長野駅付近は冷たい雨に煙っています。

今日の県北部の予報は「雪か雨」ですが、長野市街地は雨でスタートしています。
昨日夕方の気温は6℃前後。ここ数日の暖かさを思えば肌寒かったとは思いますが、冬というイメージではなかったですよね?
でも今朝6時の長野市内の気温は1.2℃。まだまだ下がる傾向です。

これから長野県上空には寒気が南下してきます。
そして、寒気の南下の程度と地上の気温がベストマッチしたと瞬間から雨は雪へ。
と・・・書いている瞬間外を見たらもう雪に変わっていました(午前7時)。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨日に引き続き北海道付近だけは日本海側雪傾向の冬が続いています。
一方、昨日と同様、西から天気下り坂。
昨夜から下り坂を下りはじめていますから、今朝の段階ですでに坂の真ん中付近にきています。
ただ、今日の下り坂は長い坂。
西日本の「のち くもり」・・・予報文を読んでみると、タイミングは早くて午後で、太平洋側では夕方以降。
長野県付近では今日いっぱい雨や雪になってしまいそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部と中部が「雪か雨」で、南部が「雨か雪」。
雨と雪のどっちがメインかがわかりますよね。
寒気が北から南下する程度でこのようになっているわけですから、今日のチェックポイントは、寒気の南下の様子になりますね。
降り方についてもチェックしますけど、予報文からするとずっと降り続けるようですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

南岸の前線上の低気圧の動きが遅い。
これが一日降り続ける理由の一つです。
そして大陸の高気圧から吹きだす北東の風。
これが寒気を地上付近にもたらします。
この寒気の影響で、地上付近が冷えると上空の雪が融けずに落ちてくるというメカニズムですが・・・単純じゃないんです。
南から流れ込む湿った空気が今日の雨の原料ですけど、これが流れ込みすぎると上空が暖かくなりすぎちゃいますし・・・・・・
特に関東付近は特に雨か雪か悩ましい状態でしょう。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、一日何かが降り続けることを見ておいてください。

午前、昼、午後と、雨域の様子がほとんど変わりません。
おまけに東海や中部地方だけ雨域が北に拡大しています。
低気圧が南海上にやってくるためですけど、ちょっと拡大が大きいですよね?
そこで、上空1500m付近の風の流れをチェック。

南の低気圧付近で反時計回りに渦が巻いているのは当然ですが、長野県南部付近にも反時計回りの渦が計算されています。
弱い低圧部が出来ていて、そこに南から暖かく湿った空気(雨の原料)が流れ込んでいるようです。
これが北に雨域が拡大する原因だったんですね。
一方、北部や関東には北東の風。
冷たい空気を運んできますから、長野県付近は二つの空気がミックス状態。
雨雲もそこそこ発達するはずです。
ここで、地上付近の風の様子も見てみましょう。

地上付近は南岸の低気圧までストレートに冷たい北東の風が吹きこんでいます。
南の暖かく湿った空気が、地上付近に北から流れ込んでいる冷たい空気の上を滑り上がっているんですね。
二つの空気の接触面で雲ができて、北へいくほど寒気で冷やされて雪になるという構造でしょう。
ということで、雲を冷やす寒気の様子をチェック。

夜にかけて降るものは完全に雪という-6℃のラインが南下してきます。
北部の雪はますます確実なものになってきますが、南部はイマイチどちらにも定まらない傾向。
でも夜になると地上付近の気温も下がって、雪の可能性が高まるということだけは確かですね。
ということで・・・・今日の予報・・・・・
どう見ても何かが降ることは確実ですし、予報文には「雪か雨」や「雨か雪」なんてあいまいに書いてありますから、ハズレの要素を考えられません。
当たるとしかいえないでしょう。
先週の日曜日の朝も雪でしたけど、今週も同じ景色になっちゃいました。
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