2010年03月10日
天気予報は当たるのか?(3月10日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
嵐の夜が明けて、真っ先に気になる積雪の様子。

中部や南部木曽方面中心に20センチ前後の積雪になっているようです。
一方、北部で新たに積もった雪の量はそれほどでもありません。
気温を見ると、北部より中南部のほうが低くなっているんですね。
長野市では今朝になって雨になっている所もあって、長野駅付近の道路の雪はほとんどなし。
南部ほど降水量が多く観測されていることに加えて、このような気温の分布も積雪に影響しているものと考えられそうです。

今朝の予報が発表された頃、午前5時半頃のレーダー画像。
まだまだ県内にも雪(雨)雲が散在しています。
そして、午前9時、中南部がゆっくりと回復に向かう頃の地上付近の空気の流れの様子。

こうやって見ると、日本海側にある弱い低気圧もしっかりと渦を作っていて、この渦が長野県ならではの高い山の影響を受けつつ、複雑な気温と降雪の分布をもたらしています。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

西日本は日本海側で雪の冬型の天気分布なのですが、太平洋側もすっきりと晴れにはならないようです。西日本にも強い寒気が南下していて、四国の山でも雪が降る場合に良く見られれるパターン。
北日本には雪だるまが風に吹かれている暴風雪マークまでついていますから、昨夜の県内の嵐がますます強まりながら北日本に影響するんでしょうね。
一方、関東東海の太平洋沿岸部には太陽マークがついています。
ここは冬型の天気分布になるようです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

中部や南部は朝から回復のようですが、マークは「のち くもり」ですから、スパッと回復するようではなさそうです。
中部の予報文には「後 晴れ」がついていますけど、予報官は「後 くもり」マークを選択していますから、基本的に曇りベースで考えておくべきでしょう。
一方、今朝雨になっている所もある北部は「時々 雪」が予想されています。
中南部が回復して、北部に雪の予報ですから、冬型のパターンにこれから移行していくということですね。
移行途中で晴れ間が出ることもよくあるパターンですから、一時的に晴れ間もあるかな?
冬型のパターンになっても、中南部で晴れない理由・・・冬型なら北か西よりの風はずなのに、中南部で一日南風が予想されていることと関係がありそうですから、あとの詳しいチェックで着目してみます。
17時15分追記
17時発表の予報では、冬型へのバトンタッチのタイミングが少し遅くなっているようです。
北部のバトンタッチ前の晴れ間も午後になってようやく出たという状態。
予報文では「夜遅く」となっていますから、午後9時以降を予測しているようです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

テレビでもこんな感じの解説が一番多いんじゃないでしょうか?
日本海の低気圧は消えて、北海道の東で低気圧が猛烈に発達。
大陸の高気圧の中心が中国の南のほうに見えますから、典型的な冬型の気圧配置とはちょっと違いますけど、西から冬型になるといえるでしょう。
そして、寒気も西日本から南下してきます。
西日本も広い範囲で降るものは雪になりそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
こういう状況ですから、天気予報の当たりハズレを云々するのはやめておきます。
で・・・気になる今日の雪や雨の様子ですが・・・・午前9時の様子はすでにご覧いただきましたので・・・・
午後3時と午後9時の様子。

全体に北西の風が中心になってきて、太平洋側の雲が消え、反対に日本海沿岸の雲が活発になってくることがわかります。
冬型の天気分布に、西からゆっくりとバトンタッチするという感じですね。
でも、なぜ、中南部がすっきりと回復しないんでしょう。
では、今日正午の様子を県内にズーム。

まだまだ、中南部にも雪(雨)が予想されています。
全体としては北西の風が中心ですけど、新潟県沖には消滅しつつある低気圧があって、この低気圧が岐阜県付近の北西の風を吸い上げて、県南部を南よりの風になって再び北上しています。
このため、北西の風があたる北アルプス付近、南西の風があたる中ア・南ア・八ヶ岳方面でも雨や雪がしぶとく残って、平地でも曇りがちの天気になってしまうようです。
中南部の「後 くもり」の予報はちょっと悪目のイメージにしておいたほうがよいかもしれませんね。
日本海の消えつつある低気圧・・・・県内の雨や雪にかなり影響を与えましたけど、昨夜の県内の天気予報番組も今朝の県内の天気予報番組でも、Kasayanがチェックした限り、解説はありませんでした。
一般的な生活に必要はないかもしれませんが、そうでない方もいるわけですから、雪の様子を映像で流しているヒマがあるなら、あと7秒コメントしてもらいたいと思うのですが・・・・。
横道にまたそれちゃいましたけど、雨・雪の判断要素になる寒気の様子も見ておきましょう。

上空1500m付近で-5℃の寒気が西日本から日本を覆ってきます。
この範囲では降るものはほとんど雪になりますから、上で見た中南部の降水エリアは、いったん雨になっても再び雪になる可能性が高くなってきます。

そして、今夜は上空5300m付近に今回の雪の主役、マイナス35℃以下の寒気の中心部がやってきます。
西から冬型になるといいましたけど、夜には東日本も冬型の気圧配置。
強い寒気とあいまって、雪雲が発達しやすくなり、日本海側の雪が強くなります。
県北部、特に新潟や富山県境付近の雪が多くなりそうですから、北部はこれからが雪本番といったところでしょう。
最後に今朝長野地方気象台が発表した「大雪と着雪に関する長野県気象情報 第4号」を抜粋掲載しておきます。今回の大雪情報は、これが最後の発表になるようです。
[予想降雪量]
11日06時までの24時間降雪量は、いずれも多い所で、
北部 中野飯山地域 :20センチ
大北地域山沿い :20センチ
平 地 :10センチ
長野地域山沿い :20センチ
平 地 : 5センチ
中部 乗鞍上高地地域 :10センチ
上田地域 : 2センチ
但し 菅平周辺 : 5センチ
佐久地域 : 2センチ
松本地域 : 2センチ
但し 聖高原周辺 : 5センチ
諏訪地域 : 2センチ
南部 木曽地域 : 5センチ
上伊那地域 : 2センチ
下伊那地域 : 2センチ
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