2010年02月15日
天気予報は当たるのか?(2月15日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
この暗い写真の場所・・・12年前は世界で一番?明るく、大勢の人であふれていました。
長野オリンピックの表彰式の会場になったステージ。
今は駐車場になり、所々ペンキのはがれたステージが暗い灯りにてらされているだけです。
バンクーバーでオリンピックが開催される中、時期が時期だけにちょっと寂しい気持ちになったのは私だけでしょうか?
善光寺の灯明祭りが開催されていてもポツンと取り残されたこの一画。
せめて、ライトアップくらいできないかなぁ・・・などと考えていました。
先日、着氷現象を発生させ、県内の電車をストップさせた南岸低気圧。
今日もやってきます。
前回ほどは着氷が発生する可能性は低いと思いますが、その可能性はゼロではありません。
電車を使われる方は、気象台の着氷注意報発表や鉄道会社の情報は一応チェックしてくださいね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道方面だけが冬・・・・その他のエリアは冬から春への政権交代(ちょっと古いですね)ののろしが上がりつつあります。
先日と同じ南岸低気圧が通過。
西は「のち くもり」、東は「のち 雨」・・・・西から天気下り坂という天気マークの並びです。
そして下り坂エリアのど真ん中の長野県。
周囲の傘マークとは対照的に雪だるまマーク。
標高が高いということが効いていると思いますが、雨・雪は微妙なラインという気がしますね?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

長野県周辺を見ても傘マークと雪だるまマークが混在。
南部は「雪か雨」ですから、気象台は雪優勢と考えても、雨の可能性も想定しているようです。
また、北部と中部は左側に雲マークがありますから曇りベースの雪。
一方、南部の左側は雪だるまマークですから、雪が天気のメイン。
南岸低気圧ですから、南部ほど降る・・・のは当然ですね。
とにかく、南部中心に何か降ることは確実です。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

予想降水域も天気図上に重ねちゃいました。
ちょっと斬新でしょ?
寒気の中心は北海道付近ですから、単純に雨の可能性のほうが高いんですけど、低気圧は掃除機と同じで地面付近の空気を吸い寄せます。
このため、北の寒気を地上付近に引きこんで、地上付近で冬の空気と春先の空気が入り乱れます。
だから・・・雨になるのか?雪になるのか?は微妙な状態。
県内の地上付近・・・・上空1500mの気温は氷ができる0℃前後です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。

今日日中の降水の様子ですが、昼頃にちょっと少なくなりますが、まあ一日中何かが降ってくる可能性が十分にあります。
南岸を低気圧が進みますから南部の降水が多いですよね。
で・・・いつ止むの?ですが、今夜日付が変わる頃。

結局、一日回復しないということになります。
そして、低気圧が東海上に抜けると気圧配置は西高東低。
日本海には雪雲が発生し始めます。
で・・・・今日の予報・・・・南部は「朝晩 くもり」ですから、事実上今日の予報は「雪か雨」。
南岸低気圧の影響を一番受ける所ですから、ガチンコの予報です。
「晩」のくもりをあまり期待しない・・・と考えておけば、予報は当たると考えます。
また、低気圧から一番遠い北部・・・曇りベースの予報で雪も・・・ということですから、あまり降らなくても予報のストライクゾーンからははずれません。
こちらも予報は当たると考えます。
一方、中部。
なぜか「昼過ぎ から 雪」なんですよね。
午前中、降水エリアがあまり拡大しない・・・北アルプス等のブロック効果や東信地方の降りだしの遅れを考慮して平均的に「昼過ぎ」と考えたのかもしれません。
ただ・・・・・計算値や今朝のレーダーを見る限り・・・??????
安全を見れば「昼前から」でも良いのでは?・・・・中部の予報はアヤシイと思います。
特に西のエリアの方は、安全マージンをとったほうが良いと思います。
12時30分追記:
中部、松本付近では午前9時前後には降りだし、上田方面でも昼前には降っています。
やっぱり「昼前から」のほうが良かったと思いますが、いかがでしたか?
そして、着氷は?
着氷するには、上空の比較的低めの所に暖かい空気が入り込み、反対に地上付近の気温が上昇せず氷点下になったときに発生しやすくなります。
過冷却といって、0℃以下の雨粒が落ちてきて瞬間的に電線に凍りつくという現象。
今朝の県内・・・軽井沢方面で冷え込んでいます。

この気温が日中も氷点下のままでいると着氷の危険が増加します。

予報では、県内全域プラスですが、本当にここまで上がるのか?
上空の寒気も前回の南岸低気圧よりは南下しない傾向ですが・・・・
このあたりは実況監視が必要です。
12時30分追記:
東御では12時の段階で-1.5℃。軽井沢で0.6℃。11時発表の予報では、各地の予想気温を朝の予報より約1℃前後下げてきました。ただ、軽井沢方面はギリギリプラスになるところが多いので、着氷の危険はあまりなくなったと思います。
ただ、これから夕方にかけて気温が下がってきても、雪になっていない・・・という場合は要注意です。
一方、上空に暖かい空気が流れ込まないか?ですが・・・・

昼前後、松本付近には弱い低圧部ができて、関東や愛知県方面から暖気が流れ込みやすい傾向が計算値から読み取れます。
この暖気で上空下層に暖かいエリアができ、一方、地上が氷点下のままで推移すれば、またまた着氷の可能性があります。
気象台の着氷注意報・・・日中の予想気温からすれば出ないと思いますが・・・・・
軽井沢付近に暖気が流入し、地上気温が氷点下になるとすれば、実況監視の結果いきなり発表される可能性もありますから、電車を使う方は注意しておいたほうが良いと思います。
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Posted by kasayan at 07:25│Comments(0)
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