2010年03月06日

天気予報は当たるのか?(3月6日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 今朝の菅平方面・・・・どんよりと低い雲に覆われて菅平の姿は見えません。
そして清掃工場の煙突の煙は北よりの風が吹いていることを示しています。
 上空ではまだまだ南の湿った暖かい空気が流れ込んでいますが、地上付近にはすでに冷たい空気が流れ込み始めているようです。

 暖かい空気と湿った空気が、長野県の上で層のように重なり合って雨雲を作っているようですが、午後には上空も北風になって・・・・・明日には雪・・・・冬に逆戻りですね。




 日本付近は春と冬の境目
境目には雲の帯ができていて、春と夏の境目の梅雨のような姿を見せています。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 ここ数日、北海道付近とそれ以外のエリアで天気変化が二分されています。

 日本付近には、南岸付近と北海道付近に二つの流れがあって、互い違いに低気圧や高気圧がやってくるから。
 今日の雨域通過エリア、「のち 雨」や「のち くもり」のタイミングを見ると、低気圧通過のタイミングがよくわかります。
 
3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 週末なので、明日の予報文も書き込んでおきましたが、いずれにしてもあいにくの週末ですね。
今日、低気圧が通過するタイミングで、南部も北風に変わって、その後いったん天気は回復しますけど、そこから寒気南下がスタート。
 今夜からグググッと寒くなってきます。

 とりあえず、今日雨が上がるタイミングと明日雨が降るタイミングがチェックポイントになりそうです。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 書き込みだけで十分かな・・・と思いますが、明日雪を降らせる寒気は真冬の大雪とは違って、地上付近に流れ込む寒気
 上空の気温はあまり下がっていません。

 このところの雨で雪質が悪くなってしまったスキー場ですが、明日の雪もベタベタの雪になりそうですから、パウダースノーはもうおしまいですね。
 春が来るのは嬉しいものですけど、ちょっと早すぎるような気もします。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 まず、今日の雨のピークと、いったん回復するタイミングからチェックていきましょう。







 ザクッとチェックすると、昼前後に南部中心に雨のピーク
静岡県付近を低気圧が通過するタイミングです。

 ただ、低気圧が通過すると急速に雨は上がり始めて、午後3時頃にはほぼ上がってくるようです。

 もっとも、低気圧が通過するタイミングでそれまで南よりの風が吹いていた上空も北よりの風に変化




 上空の寒気がジワジワと南下を始めます。




 今夜、北部上空1500m付近には0℃の寒気が入り始めます。
そして、明日朝には-6℃・・・・降るものは雪になる寒気が県内を南下開始。
 夜には南部まで達しますから、明日夜には、県内に降るものはすべて雪になる条件が整います。

 そして、明日の雨の様子・・・・・




 朝から雨で昼頃は再び降水のピーク
そこで降るものは・・・・北部は雪、中部は雨まじりの雪、南部は雪まじりの雨といった感じでしょうか。
 夜には全県で雪になりそうですね。

 明日の天気については、多少計算値が変化する可能性もありますから、一応の目安にしておいて、今夜の予報でチェックしてください。
 できれば明日朝の予報のほうが良いかもしれません。
というのも、昨夜の予報が今朝になってずいぶん変化しているように、計算値にふらつきがあるようですから。

17時15分追記
 最新の計算値も同様の結果でした。週末に限って悪い計算値は良い方向にズレないもんですね。
北部も「雪か雨」の予報になっていて、雪がメインですが、雨まじりの可能性も想定されています。
 また、前回の計算値より多少止み間が多くなるような感じもしていますが・・・・どうなりますやら?


 で・・・・今日の予報・・・・降水量が少なめに計算されている北部では「くもり 時々 雨」のようなイメージになるかもしれませんが、そうなっても大ハズレというわけではありませんから、一応当たるということにしておきます。

 この週末、一日だけちょっと楽しみにしていたことがあるんですが・・・・こりゃ残念だ・・・・


 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年03月05日

天気予報は当たるのか?(3月5日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 今朝の松代方面は低い雲海のような景色




 雨がやんで晴れ間がのぞき、春めいた空になってくると、週末にはちょっと出かけてみようかという気持ちになるものですが・・・・・・
 今週末は残念ながら・・・・ということになりそうです。

 今日の天気予報の深い検討はあまり意味がなさそうなので、週末の天気を中心にチェックしてみることにしました。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 北日本の日本海側を除いて、晴れ間が広がるところが多くなります。
長野県周囲の県の天気マークは雲マークとセットになっていますが、長野県は太陽マーク一発。
 全国的に見てもトップクラスの晴れという感じですけど、北部傘マークまでついている新潟県のお隣。
この影響がちょっと気になる感じです。

 あとは、九州方面の下り坂エリア
 これが明日どのように影響してくるか?です。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 周辺の県は「朝晩 くもり」の予報になっているところが多いですが、長野県は堂々の「晴れ」
とはいっても、県北部・・・長野市の朝の空はほぼ曇り
 ケチをつけるつもりはありませんけど、多少他県の気象台の予報を横目で見て、朝晩は雲が多いくらいには考えておいたほうがよさそうですね。

 もっとも日中は問題なさそうです。

 で・・・・週末土曜日の明日の天気




 中部・北部は「昼前から昼過ぎ 雨」で、南部は「昼前から夕方 雨」ですから、南部ほど長く降る感じ。
天気予報の用語からすると、最大午前9時~午後3時・6時の間で雨になりそうですから、日中はほぼ雨ということでしょう。

 ここはもうちょっとチェックしてみたいと思います。
また、ついでに気になる日曜日の様子もチェックします。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 今日はとくに問題はありませんけど、明日以降南岸に停滞する前線と、前線上の低気圧が注意点
梅雨時に前線の北側にどれだけ雨雲が拡大するのか?が天気予報を微妙にするのですが、それに似たような状況になっています。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今日の天気予報は当たるということにしておきます。
 少なくとも今日日中、雨が降る可能性はかなり低いですし、多少雲がかかっても晴れのイメージを大きく崩すものではないと考えるからです。

 ということで、今日の空の色?だけみておきます。




 図の書き込みがすべてですが、北部県境の雲が多めという点と、午後から上空の雲がかかってくるという点がポイント。
 コバルトブルーに青空は望めませんが、昨日の雨の水蒸気も手伝って、花曇り手前の白っぽい青空は十分に望めそうです。

で・・・・気になる明日の雨の様子




 明日午前9時が県西部から降りだすタイミング。
昨日のように降ったりやんだりなかなか本降りにならないという感じではなく、しとしとと降り始めて次第に強くなるというイメージ。
 低気圧に近い南部ほど雨が強めです。
ひょっとしたら北部の雨は少なめかな?曇りベースで済むかな?という感じもしますが、それは今夜の最新の天気予報でチェックしてください

 そして、明後日日曜日の雨の様子




 もう朝から雨
南岸に停滞する前線上を低気圧が進んできますから、日中にかけて雨が強まる傾向
 今夜・明日の天気予報でも大きな変化はなさそうですけど、明日朝まではあきらめない・・・・南岸の低気圧の進み方が南よりに変化することを期待しましょう。

 なんて週末の検討をしていたらアップする時間が遅くなっちゃいました・・・
 今日はちょっと手抜きかな?

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年03月04日

天気予報は当たるのか?(3月4日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 昨日は、午前5時発表の予報が、午前7時には早々に修正されて発表しなおされるほど早く青空が広がりましたけど、今朝は西日本中心にすでに雨雲がかかってきています。

 今朝は太平洋岸に発達した雨雲が見えますけど、これから日本海側まで拡大

 降りだしたら夜まで断続的に降り続きますから、今日の帰りは雨の中。
標高の高いところでは雪の可能性もありますから、仕事が終わったらサッサと帰るのが吉・・のようです。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 今日は、西から下り坂エリアがほとんど。
それだけ下り坂の原因がデカイということです。

 長野県は下り坂エリアの真ん中くらいですから、昼頃には雨になりそうかな?なんて感じがしますよね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 南部は「昼前」、中部と北部は「昼過ぎ」から雨のようですから、レーダーで見たように、南の雨雲が優勢という予測にもとづいているようです。

 また全県ともに南風
南風といえば、湿った暖かい空気が流れ込んできて雨雲を発達させることを想像させます。
 普段、南風が強く吹くことのあまりない北部で「やや強く」になっているのが特徴的です。

 で・・・・夜まで雨が降り続くとなると、止むタイミングが知りたくなるのが人情。
まだまだ予報が変わる可能性はありますけど、一応チェックしておきましょう。




 全県で「明け方 まで」ということですから、事実上明日は回復ですね。
ただ、後で説明しますけど、予想が不安定な状況ですから、絶対に今夜の予報をチェックして修正してください
 
 天気予報は信じるものじゃなくて、可能性を計るもの
先日も書きましたけど、予想より早く株価が下がったら、さっさと株を売り払うのと同じように、予報もキチンと修正してください。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 低気圧の動きが遅いです。

 気圧配置の変化が遅いときは、予想がズレる可能性が高いとき。
スピードが遅いと自転車の運転が難しくなってフラフラしてしまうのと似ています。
 
 西から下り坂の傾向には変わりありませんけど、日本海の低気圧と太平洋側の低気圧が一体として考えたほうが良い場合も出てくるかもしれませんし、進む速度も微妙に変化するかも?

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 例によって、一番気になる昼前後の雨の降りだしのタイミングを先にチェックしておきましょう。




 昼の段階では、雨雲の本体は滋賀県付近
ゆっくりと雨域が拡大していく傾向です。
 
 また、低気圧に吹き込む地上付近の風は南東方向
北アルプスのブロック効果のある南西や北西の風とはちょっと違いますから、県内への雨雲の広がり具合もちょっと異なるはず・・・・




 地形の効果を見るのに適している上空1500m付近の風の様子と降水の様子

 こちらも南南東方向から吹き込んでいますが、この風がぶつかる南アルプス、御嶽山付近、そして伊那谷から安曇野を流れた風が北アルプスにぶつかったところで降水が計算されています。

 雨雲の本体がやってくる夜9時頃までは、ベターっとした雨ではなくて、風向きと地形によって雨雲が発達したり弱まったりを繰り返して、「くもり 時々 雨」のような天気で推移するように思います。

17時10分追記(画像3枚)
 夕方、雨は南アルプスや北アルプス周辺に偏っています(レーダー画像)。
地上付近は、南部で南東方向中心で、甲府から諏訪盆地、松本方面に抜ける強風帯があります(アメダス風向・風速)。
そして、上空2000m付近までは南東方向の風が観測され、上空3000m付近は南西方向(ウィンドプロファイラ)。どう考察するか?ですね。










 ついでに、南風が運んでくる湿った暖かい空気の様子もチェック。
雨雲の発達のしやすさの目安になります。




 夜には日本海側まで湿った空気が流れ込みますから、夜の県内は一時的にドバッと降るところもあるかもしれません。
 引き続き雪の多い北部中心になだれには厳重注意ですね。

 このところの雨ですっかり重たい積雪になっているはずですから。

 最後は、雪の可能性・・・予報文には「雨か雪」と書かれていますから、雨がメインの予想だということですけど・・・・・




 上空の寒気は西日本に南下していますけど、下層の0℃の線は東北まで北上しています。
西日本は特に不安定・・・・関東付近は下がるなぁ・・・・よそ見はやめて・・・・0℃以上がほとんどの県内の雪は標高の高い所に限定されてくる?

 もっとも、関東付近に南下している寒気の影響を受けやすい県東側中心にそこそこチラチラも?

 微妙なので、やっぱり「雨か雪」でしょう。

 で・・・今日の予報・・・・昼間の雨をベターっとした雨のイメージに”しなければ”今日の予報は当たると考えます。
 もっとも、今日は降りだしのタイミングがズレやすい状況ではありますけど・・・・早まるか遅くなるかはレーダーをみて確認してください。
    http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/

 わからんものはわからんです。

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年03月03日

天気予報は当たるのか?


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 長野市内は日の出から青空が広がっています。




 長い飛行機雲・・・・・上空の湿度の計算値を見るとそこそこ湿っているようなので、雲がなかなか消えないんでしょうね。

 長野にUターンしてから空を見上げる機会が増えたのですが、空の写真を撮ろうとすると、飛行機雲が目につくことが多いです。
 北アルプスや北信五岳をバックに飛行機雲がとても綺麗に見えますが、排気ガスなんですよね。

 綺麗ですけど、ちょっと微妙な気持ちになります。

 今朝の実況天気図
低気圧と高気圧が二つの上空の流れに乗って、列車のように並んでいます




 天気がコロコロ変化する理由が一目瞭然ですね。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 北海道、東北の日本海側や北陸を除いて晴れ。
秋田に晴れマークがついていますけど、夜から晴れっていうだけです。

 私はこういった場合、「全国的に晴れ」という表現は使わないんですけど、今朝の天気予報番組では結構使われていました。

 実はこのエリア分け・・・・もとはといえば、全国ネットの天気予報番組の原稿を作るときに必ずやっていた作業なんです。
 これを文章にすれば誰でもお天気キャスター?

 ぐずつきエリアに隣接する長野県北部の予報が気になる天気分布です。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 南部は晴れベース
 中部と北部は「のち 晴れ」

 回復傾向なんですけど、北部の回復は「夜」ということになっていますから、事実上くもりの予報。
もっとも、午前7時のアメダスの日照時間を見ても、空を見渡してみても、昨日のように回復が遅いという感じがしません。

 北部の平均的な天気がくもりということで、曇りベースの予報も納得できますが、11時発表の予報で修正がかかるかもしれません。
 実際、時系列予報では太陽マークがそこそこついていますから微妙なところなんでしょう。
     http://www.jma.go.jp/jp/jikei/322.html

 となると、チェックポイントは北部の「所により 昼前 まで 雨」の部分だと思います。

8時45分追記
 早くも予報が訂正されていました。
 北部は「晴れ 時々 くもり 所により 昼前 まで 雨」、中部も「晴れ 時々 くもり 」です。


4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 アニメの書き込みを読んでいただければOKだと思います。

 明日になると、東シナ海に進んでくる低気圧で県内は雨になりそう。
女房のおかかえ予報士のKasayanは、早期洗濯情報を出すことになります。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 ということで、北部の「所により 昼前 まで 雨」だけチェックしておくことにします。

まず、レーダー画像から・・・・




 新潟県沖に雨雲が見えますが、陸地に雨雲は見えません。
もっとも、アメダスの降水量の観測値を見ると、北陸ではそこそこの降水が観測されています。
 レーダーに映りにくい低い雲が雨を降らせていることと、福井の東尋坊にあるレーダーがメンテナンスのために止まっているためかもしれません。

 計算値ではどうでしょう?




 お昼になっても、新潟県境付近に降水が計算されています。
強い雨ではありませんけど、周辺は低い雲ドンヨリ、時々弱い雨がパラパラといった感じでしょう。
 このエリアは弱まる傾向ですから、いったん晴れ間が見えたらあとは安心して良いといったところです。

 今日も回復傾向なので、微妙な曇りを検討するのも生産的じゃないので、この程度にしておきます。
北部や中部の予報がはずれるとしても、早めに青空が広がる方向ですし、南部にしても「朝晩 くもり」がついていますから、おおはずれもないでしょう。

 今日の予報も当たる・・・です。

 で、これで終わってはテレビの天気予報とあまり変わらないので・・・・・
明日の天気図と降水量の予測も掲載しておきます。







 春の嵐にもなりそうですから、明日は覚悟しておいたほうが良いかもしれません。

 
 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年03月02日

天気予報は当たるのか?(3月2日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 昨夜の雨ももうすっかり東へ抜けて、関東沿岸で雨がぱらついている程度。




 ネットで天気予報をチェックしている方でしたら、レーダー画像をご覧になることも多いと思います。
雨雲が抜けていくタイミングなど、特に天気の勉強をしていなくても感覚的にわかりますから重宝な道具ですよね。
    レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/

 そんな方、できれば実況天気図もチェックしてみてください
    実況天気図: http://www.jma.go.jp/jp/g3/
 このブログでは予想天気図のアニメを掲載していますが、本当に予想天気図のとおりになるとは限りません
 そんなときは、実況天気図を使って、予測と何が違うのか?を考えていただければ臨機応変な対応ができるようになります。

 ブログで検討している予報は午前5時発表の予報をもとにしていますが、予報は午前11時と午後5時にも発表されますから、新しい予報と照らし合わせて頭の中の天気のイメージを修正するのなら、簡単ですよね?

 その昔、ヨット雑誌の読者のための気象講習会の講師をしたときの素案をを読んでいて、このブログを読んでいただいている方に役立つかな?と思われるものがあったので、抜粋して掲載しておきます。
 天気にあまり興味のない方は、飛ばしちゃってくださいね

 今の空がこれからどうなるのか?という空模様の変化の予測こそが天気予報なのですから、実況を知らないで予測だけを見るのは、現在の株価を知らずに株を買うようなものです。
また、予想より株価が下がってきたら早めに売り払ってしてしまうように、実際の空模様が予測と異なってきたと気付いた場合には、実況をもとに予測を適時修正する必要が生じます。

 当たり前のことですが振り返って思い出してみてください。いきなり予測だけを見ていませんでしたか?また、予測がはずれていることに気付いたとき、目の前の現実に愕然として予測の修正を考えようとしなかったことはありませんか?

 昔、朝のテレビ番組の天気予報を担当していた頃のことです。朝5時に発表された予報をもとに、お天気カメラの映像をバックにお天気おねえさんが、ご当地の予報をコメントする内容の原稿を書いたところ、午前7時過ぎの放送時間にはすでに予報がはずれ始めていて、あわてて実況で修正して原稿を書き直したことがありました。
 また、気象庁も実際の天気が予報と急速に異なってきた場合には、実況で修正した予報を臨時に発表する場合もあります。

 このように、予測を実況で修正できるのは、予測を考える段階から常に予測と実況を見比べているからです。
実況は予測の出発点であると同時に、予測がはずれた場合の“もう一つのシナリオ”の出発点なのです。


2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 今日のエリア分けはちょっと難しかったのですが、大ざっぱにこんな感じ。

 昨夜の雨は抜けて広く回復傾向ですけど、東北の日本海側や北陸は夕方以降下り坂傾向

 回復についてはあまり検討する必要はなさそうですけど、下り坂エリアが長野県に近いですから、この影響についてはちょっと目配りをしておきたいと思います。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 北部と中部は「昼前 から 夕方 晴れ」で、南部は「朝晩 くもり」

 用語集を開いてみると、昼前は9時~12時、夕方は15時~18時ですから、北部は”最大で”9時~18時まで晴れ
 また、朝は6時~9時、晩は18時以降なので、南部は”少なくとも”9時~18時まで晴れということになりそうです・・・文字だけ見れば・・・・

 だから、天気マークも北部や中部は雲マークが左側にある曇りベースで、南部は反対の晴れベースということですけど、まあ、日中は県内は南部ほど晴れと考えておいてよさそうですね。

 ただ、お隣の新潟県中越では「のち 雨」マークがついています。
予報文では「夜 遅く」ですから、生活上あまり問題はなさそうですけど、降り出しやその範囲については、あとで一応チェックしておきましょう。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 低気圧や前線が東へ抜けて天気回復・・・というところは誰でも解説できるところです。
ただ、東北・北陸の下り坂エリアの説明は、はっきりとした低気圧が来るわけじゃないので、簡単にまとめるのは悩むところです。

 上空の気圧の谷が接近するので・・・といってサラリと流す解説方法もありますけど、あまり好きじゃない。
 そこで、北海道の高気圧が東へ抜けて、東北付近は低気圧にはなりきらない弱い気圧の谷になる・・・ということでまとめてみました。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 まず、新潟県中越の「夜遅く 雨」の影響を先に確認しちゃいます。




 新潟県にまともに降水が予測されているのは日付をまたいだ午前2時頃
 多少のズレがあるにせよ、本当に夜遅くなってから新潟県境付近で弱い雨が予想される程度ですから、今日の予報には影響なさそうです。

 となると、あとは日中の晴れ具合だけ検討すればOK。
雨や雪さえ降らなきゃどうでもイイという方がほとんどでしょうけど、一応確認しておきます。




 今日お昼の上層と下層の雲の様子。

 南部ほど上空の雲がかかる傾向にありますけど、雲のカタマリの北端の薄い雲
一方、下層の雲については南部ほど早めに消えて、昼には長野県周辺だけ穴が開くように消えていきます。

 北部は晴れの時間が短いけど、いったん晴れればそこそこ青い青空
一方南部は、晴れの時間帯が長めだけど白っぽい空ということになるかもしれません。
(空の色はあまりあてにしないでくださいね)

12時追記
 11時発表の予報で、北部の晴れのタイミングが修正されました。
 どうも雲の消え方が遅いようです。さっそく修正の場面になりました。

 新しい予報http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html

17時追記
 結局、北部の晴れ間はずいぶん小さかったようです。長野市内、午後はくもりだったといって良いでしょう。今日午後3時の衛星画像を掲載しておきます。長野県付近だけ上の計算値と同様、雲が窓を開けていることがわかります。ここまで現実に肉薄している計算値はさすがだと思いますが、いかがですか?




 いずれにせよ、雨の心配もないし、細かくチェックするような状況じゃありませんから、この程度の検討で・・・・今日の予報は当たる・・・と考えておいてよいと思います。

 オマケになりますが、今日東北方面の弱い気圧の谷の影響で新潟県に雨や雪が降る様子をまとめてみましたので掲載しておきます。




 日本海側に風がぶつかるエリア(シアーライン)ができて、雲が発生するわけですが、このラインの西側上空には冬の冷たい空気があるので、そこそこ雪雲が発達するということのようです。

 最後は、今日の失敗作
コロコロ天気が変化するので、地上の天気変化のリズムを作っている上空の気圧の谷をアニメにしたんですけど・・・・かえって分かりにくくなっちゃいました。




 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年03月01日

天気予報は当たるのか?(3月1日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 テレビの天気予報にもストーリーがあります

 空間的ストーリーと、時間的ストーリーがありますが、空間的ストーリーとは広い視点からその中の一部にズームしていくというストーリー。
たとえば全国、県内、そして市町村へとフォーカスしていくストーリーです。
 そして時間的ストーリーとは、過去、現在、未来という時間の流れに沿ったストーリーです。

 この二つのストーリーが崩れて、現在、未来、再び現在という流れになったり、県内、全国、市町村、再び全国という流れになったりすると、情報が錯綜して内容を理解できなかったり、誤って理解してしまう可能性が高くなります。




 ローカル局の天気予報担当者さんは、たいがい県内の天気を詳しく放送したいから県内の天気を先に詳しく説明したい!と言って全国の天気は一番最後に表示する構成を好みます。
 また、ウチは農業県だから気温を真っ先に見せたい!と言って、県内の気温の実況と予想だけを表示させ、後から予想天気図とか天気の予報を表示させようとします。

 でも、こういった構成は情報を錯綜させてしまう可能性が高いんですよね。
頭の中でストーリーを再構成しながらご覧になることをおすすめします。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 北海道をのぞいて下り坂

 昨日は西から回復だったのに・・・・めまぐるしく天気が変化します。
ということは、天気予報のチェックのポイントは、今日も天気変化のタイミングになってきますね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 天気マークは県内いずれも「のち 雨」

 タイミングは「夜」または「夜遅く」
中部の雨が遅れるのは、例によって北アルプスの雨雲ブロック効果
 
 また、日中北部だけ「くもり」
北部だけ北風になっていますから、この北風が影響しているようですが、なぜ?は予想天気図でチェックしてみましょう。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 今日日中は、南海上に中心をもった高気圧の影響で、中南部で晴れますけど、県北部にまでは力が届きません。

 大陸の高気圧から吹きだす風が九州方面に進んでくる低気圧に流れ込みますが、この北東の風が南の高気圧から吹きだす南西の風とぶつかって雲を作ります。
 このぶつかるエリアが県北部・・・・・くもりの予報ですね。
(詳しくは下の相当温位図で)

 低気圧が進んでくるタイミングで雨・・・です。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 北部のくもりの予報を検討してもあまり生産的ではありませんから、やっぱり検討の中心は雨の降りだしでしょう。




 昨日は、MSMという計算値とGSMという計算値を見比べてみましたが、実際の回復のタイミングはGSMのほうが良く再現していたように思います。
 今日の降りだし・・・両方の計算値もほぼ同じで、午後4時頃から。

 先にご覧いただいた予報文では「夜」から雨
用語集を見ると、午後6時以降ということになりますが、この図の雨域が県東部までなかなか拡大しません

 北アルプスや霧ヶ峰、八ヶ岳などの長野県特有の地形が複雑な空模様を作りだし、むしろ関東南部のほうが先に降りだす傾向です。

 そして、この雨の原料は例によって南海上の湿った空気
中南部の予報文にある「南の風 日中 やや強く」の風が運んできます。




 湿った空気が特にたくさん流れ込む九州、四国、東海付近では、大気不安定
雷雲なんかも発生しそうな様相です。
 ですから県南部、静岡県境付近では一時的に強く降る可能性もありそう?

 最後に北部の「雨か雪」をチェック・・・昨日の朝は雨から雪にかわっちゃいましたから・・・一応・・・




 0℃の線は東北から新潟付近。
昨日の朝よりは北にあると思いますけど、日本海の北東の風で寒気が流れ込めば、雪になる可能性もあるということで、「雨か雪」のあいまいな表現。
 中部にまで「所により雪」が予想されています。

 雪の可能性も十分に考えておいたほうがよいでしょうね。

 ということで・・・・今日の予報・・・雨の降りだしは県西部で夕方くらいですが、平均的に考えれば夜
このあたりを理解していれば予報は当たるということになると思います。
 北部や南部では特に降り出しの前倒しを想定しておいたほうがよさそうですね。

16時25分追記
 16時のレーダー画像を見ると、やはり県西部、それも北部と南部中心に雨雲が拡大しています。
11時発表の予報も「夜 から 雨」でしたが、県西部では「夕方」に前倒ししておいたほうが良いですね。





 オマケ
 昨日、今日と天気変化がめまぐるしい理由の図を掲載しておきます。





 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
 可能な限り返信いたします。