2011年12月10日
一時的に冬型弱まるも今夜から・・・(12月10日)


今朝の長野市内・・・日の出前には弱い南風・・・快晴。
気温は07時現在-2.9℃。
見た目は寒い感じがしますけど、風が弱く、日差しが出てくると、あまり寒く感じないから不思議です。

今朝の実況把握用3点セット。
実況天気図を見ると、西高東低の気圧配置ですけど、北海道以外は等圧線の間隔が広くなっていて、風は弱め。
大陸から吹きだす冷たい季節風が弱まって、日本海で沸く筋状の雪雲の流れ込みが、やや弱くなっているようです。
このため、日本海沿岸で雪や雨は続いているものの、太平洋側まで雪雲を押し出すパワーは弱め。
太平洋側では冬の晴天・・・いわゆる冬型の天気分布になっているようです。
このまま冬型の気圧配置は弱まってしまうのか?今日から明日にかけての気圧配置をチェック。

地上の気圧配置の変化だけを見ても、冬型の天気分布がどうなるか?イマイチ分かりにくいのですが・・・・
こんなときは、上空の空模様(高層天気図)も併せて考えねばなりません。
天気変化を簡単にまとめてしまうと・・・・基本的に西高東低の冬型の気圧配置は明日まで続き、今夜、寒気を伴った上空の気圧の谷(地上の雪雲にパワーを与えます)がやってくるので、北陸~北海道は今夜から雪が強まり、雷や突風なども発生する恐れがある・・・・ということになりそうです。
ということで・・・・今夜、再び北陸~北海道に強い雪をもたらしそうな、寒気を伴った上空の気圧の谷の様子をチェック。

右側・・・上空約5500m付近-30℃の寒気の様子に重ねた等高度線(等圧線と同様に考えてください)・・・・赤の点線で示した凹になった部分が上空の気圧の谷。
地上付近に反時計回りの低気圧性の渦パワーと上昇気流発生パワーを与えます。
そんな上空の気圧の谷が、今夜日本付近に接近。
谷の南側には北西のジェット気流が流れていて、寒気を日本に運んできます。
低気圧性の渦を発生させ、暖かい日本海からの水蒸気を吸い上げる上昇気流も発生させ、その上空に寒気を運びこむ・・・・わけですから、大気は不安定。
雪雲が発達しやすく、今夜以降、北陸~北海道付近の雪が強まることが考えられます。
明日・・・北海道には-35℃以下の強烈な寒気も接近。
大雪の可能性も考えておいたほうがよいかもしれません。
そんな雪雲の様子をもっと詳しく・・・MSMシミュレーションでチェック。

上空の気圧谷が東進、接近するタイミングで、地上付近・・・日本海に発生する季節風の収束帯(シアーライン:黄色の点線)が山陰に姿を現し、北陸方面へと進みます。
シアーラインは、上空の気圧の谷から低気圧性の反時計回りの渦パワーを受けて、日本海側沿岸部に弱い低気圧(低圧部)発生。
明日朝にかけて雪や雨が強まってくることがわかります。
降るモノがどこまでが雪?ですが、先にチェックした寒気のアニメ・・・左側の上空約1500mの寒気-5℃ラインのチョット北側、-6℃ラインを目安にしてください。
で・・・・以上のチェックで頭の中にできたイメージを思い出しながら・・・・これらの気象情報を元に、予報官が考えた府県天気予報で、最寄りの地域の天気をチェックしてください。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県週間天気予報: http://www.imocwx.com/weekd.htm
短期予報解説資料(他の資料も):
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe5782&cat=e2
【Kasayan備忘録】




Kasayanの住む長野市は、北陸の天気分布と太平洋側の天気分布の境目。
季節風が強まり、北アルプスや北信五岳をすり抜ける風向になると、日本海側の天気分布に変化します。
昨日午後は、季節風が弱まり太平洋側の天気分布になりましたが、風が強まると、細切れの雪雲が時折長野市内に流れ込んでいました。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)