2011年12月06日
雨模様から冬型へ(12月6日)
まずは今朝の実況から・・・

午前3時・・・陸地にはあまり雨(雪)雲が見られませんが、海上には日本を取り囲むように雨雲が点在しています。
天気図を見ると、日本付近は大陸から張り出した高気圧に覆われて、冬型の気圧配置は北日本だけ。
高気圧に覆わわれうとなると直感的に晴れるという感じがしますが、高気圧の周辺には弱い気圧の谷や、西高東低の気圧配置の南縁にある潜在的な前線帯があって、それらの雨雲が日本を取り囲んでいるようです。
毎日天気図を見ていると、高気圧や低気圧によって単純に天気が変化するわけではなく、弱い気圧の谷とか、暖湿気の流れ込みとか・・・何かしらのチェックポイントがあるものですね・・・・・。
理科の授業で習う気象や、船舶免許などの資格試験で問われる気象は、天気図の主役・・・低気圧や前線の仕組みばかりですけど、実際に天気チェックするために役立つ知識とはちょっとだけズレあるような気がしています。
そんなズレを埋めるような簡単な解説本があったら便利かな?なんて思っているんですけど・・・。
話がそれてしまいましたが・・・・・この気圧配置がどうなるか?今日の気圧配置の変化をチェック。

大陸から張り出した高気圧・・・日本付近でひょうたんのようにちぎれて、東海上へ。
そして、ひょうたんのクビにあたる日本付近は大陸の高気圧と太平洋の高気圧にはさまれた気圧の谷になってしまいます。
さらに、今夜日本海と太平洋に二つの低気圧発生。
低気圧の位置からして・・・・山陰付近や関東甲信を中心に雨が予想されています。

そんな雨の様子、MSMシミュレーションモデルで詳しく見てみましょう。

本当は、地上の空模様の骨格・・・上空の天気図からチェックするほうが日本海の低気圧の発達具合なんかを知る上でよかったんですけど、時間が足りずに省いちゃったんですが・・・・
上空の気圧の谷が朝鮮半島付近を通過するので、日本海西部に低気圧が発生。
もっとも、上空の気圧の谷(偏西風が南側に蛇行する部分)が浅く、深まらないので、日本海の低気圧はそれほど発達せず、山陰方面にちょっと影響するだけで・・・明日には日本海で消えてしまいます。
また、太平洋側に発生する低気圧も・・・・実況天気図で東海沖に解析されていた弱い気圧の谷(シアーライン:風が集まる場所、に対応)が深まって発生しますが、こちらも、パワーを与えてくれる上空の気圧の谷がやってこないので、たいして発達しそうもありません。
結局、先日土曜日のような荒れ模様にならないで済みますけど、地上付近の寒気の位置はあまり変化しないので(アニメ中の赤線)・・・・雨の降る地域では、弱い雨でも冷たい雨ということになりそうです。
で・・・この季節、日本海や太平洋岸を低気圧が北東進すると、通常は「北日本で低気圧が急速に発達して・・・冬型の気圧配置に」というのが定番ですが、今回はどうなるんでしょうか?
GSMモデルで、今日から明日にかけての寒気や雨の様子を・・・・

明日、寒気はちょっとだけ南下して、日本海には筋状の雪雲も発生しますが、低気圧がそれほど発達しないので、弱い冬型の気圧配置・・・・ぐずつく日本海側でも、弱い雨や雪で済みそうです。
次に強い寒気が流れ込むのは、9日(金)あたり。
明日、週末の天気チェックをしたいと思います。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県週間天気予報: http://www.imocwx.com/weekd.htm
短期予報解説資料(他の資料も):
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe5782&cat=e2
【Kasayan備忘録】




雪雲の流れ込み方次第で、日本海側の天気分布にも、太平洋側の天気分布にもなる不思議な長野県北部の雪雲の様子をチェックしているんです。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)