2010年10月19日

午後から雨?微妙な予報をどう考える?(10月19日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?





 例によって、先日ドライブがてらに探した信濃町アメダス

 4要素アメダスですが、プラスアルファ・・・レーザー光線で積雪深を観測
 まだまだ雪は先ですが、白い樹脂製のプレートには、レーザー光線の赤いスポットが点滅し、雪のシーズンを待ち受けていました。
 この白いプレートの上に2メートル以上の雪が積もるんですねぇ・・・・あと2カ月もすると・・・・




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 ざっくりとエリア分けすると、太平洋側ほど曇りベースで、日本海側、そして北日本ほど晴れベース
 こういう場合は、南岸に前線が停滞しているとか、高気圧の中心が北よりに位置している場合が多いんですけど・・・・予想図ではどうなっているでしょう?




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 東日本を拡大してみても、日本海側ほど晴れベース
 関東では「のち」傘マークがついていて、予報文を読むと、「のち」のタイミングは夕方以降のようです。

 長野県内も、傘マークまではついていないものの、中南部では「所により 夕方 から 雨」
 マークだけ見て雨に降られて・・・・予報が外れた!と文句をいう早とちりな人・・・出現しそうです。

 どのあたりにどの程度?・・・はあとでチェックします。




  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 高気圧が北に張り出し、南岸の前線が微妙な位置にあるから・・・日本海側、そして北日本ほど晴れ・・・高気圧から離れていて前線の影響を受けやすい南岸ほど雲が多く、夜にはぐずつく所も・・・
 今日の天気予報番組はこういう説明が多いと思います。




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 南岸の雨の構造
 雨の降り方をチェックする前に、雨の降る理由を確認しておきましょう。



 高気圧が北に張り出すと・・・・高気圧の吹き出しの風は北東風になって三陸沖から東日本沿岸へ
 この風が湿った冷たい空気を運んでくるので、沿岸部で低い雲が広がりやすく、場合によっては雨も・・・・

 さらに、南には前線があるので、前線も活発になる傾向。

 ということで・・・・どこでどれだけ北東の湿った風が吹き込むか?湿った空気でどの程度雨雲ができるのか?が雨の降り方に影響してきます。


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 雨の降り方?・・・とても微妙・・・
 いつものように、MSMという計算値で、雨の降り方をアニメにしてみました。



 関東沖の前線が特に活発になることがわかりますけど・・・・雨雲はほとんど海上で、内陸部に降水が計算されていません。
 傘マークがついていた関東各地では、降水確率も50%になっていますけど・・・・どうしてなんでしょう?

 ということで、GSMという別の計算値を見ると・・・・



 東日本の内陸部まで降水が計算されていて・・・・・



 ズームしてみても・・・・予報のイメージどおりに降水が計算されています。

 気象庁・・・GSMという計算値を優先しているようですから、さらに分布予報という統計的な計算値も見て見ると・・・・



 夕方以降、内陸でも降水が計算されています。

 さあ・・・・どう判断すればイイんでしょう?

 前回の初期値による計算値を見比べて、計算値の傾向を読みとったり、実況との対応から考えて、採用する計算値を決定したり、計算値を修正して予報を作るわけですが・・・・
 気象庁は、このような検討をした上で、GSMという計算値に近い予報を組み立てたわけです。

 十分な根拠にもとづいて作られているわけですから、私たちは予報を基本に考えるべきですが、予報を作る立場からすれば、悪目の計算値が多く算出されている場合には、悪目の予報にバイアスがかかるのは当然です。

 そのあたりをくみ取って、対応するのが吉




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・中南部の予報・・・非常に微妙です。
 ただ・・・「所により」がついていますから、高い山でほんの少し雨が降っても、予報はそれを網羅していることになります。
 それを当たりというか、ハズレというか・・・・どうしましょう?
 



 コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
  


2010年10月18日

典型的な秋晴れ、北海道はいよいよ初冬(10月18日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 今朝目覚めて、ちょっと肌寒いかな?と感じられた方・・・いらっしゃいますよね?



 今朝の気温・・・寒気が南下している北海道より、長野県の高原のほうが気温が低く氷点下
 長野県でも高い山では氷が張ったかもしれません。
 秋晴れで熱が空に逃げる、放射冷却
 この秋一番の冷え込みのようです。

 秋が急速に深まる・・・という言葉がピッタリのこの秋ですね。
 日本海には寒気による筋状の雲・・・モドキが発生しはじめています。







  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 北海道の日本海側を除いて、晴れマーク優先の天気分布(台風モードの沖縄は・・・・)。
 東海や関東で「のち くもり」になっていますけど、予報文を読むと、「のち」のタイミングは「夜」ですから、日中は晴れと考えてよいでしょう。

 ということで・・・今日のチェックポイントは、晴れマークじゃない北海道の日本海側の傘マークの理由と他のエリアへの影響ということになりそうです。




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 関東方面の「のち くもり」のタイミングは「夜」
 上越は「のち 晴れ」になっていますけど、曇りの時間帯は「朝晩」
 結局、東日本の日中は晴れということになりそうですね。

 あとは・・・特にこの絵から読みとることはないでしょう・・・・




  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 寒気がそこそこ南下してきて、西風が強まってくると、”西高東低”という表現を使ってもイイかなという気持ちになってきます。

 北日本、朝のうちは、西高東低・・・夜になると南西高北東低へと変化。
 北海道の西の海上では強くて冷たい風が吹きつけて、いよいよ冬・・・という気配。

 一方、東日本・西日本は、大陸から張り出してくる高気圧・・・まさに秋の典型的な大陸生まれの高気圧に覆われて秋晴れです。




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 北海道の雪?・・・今回の寒気について・・・
  今日、チェックしておくべきは北日本の傘マークでしょうから、その理由・・・・西高東低の気圧配置と寒気・・・のうち、寒気の様子をチェックしておきましょう。



 昨日より極端に・・・というわけではありませんけど、北海道の北部・・稚内付近上空に-30℃の寒気が南下してきます。
 地上付近の気温さえ低ければ平地でも余裕で雪になるだけの一級の寒気

 なら、地上付近は?



 上空1500mで0℃のラインが東北北部まで
 少なくとも、ちょっと高めの峠道などでは余裕の雪
 平地でもチラチラと雪が舞う可能性はありそうですね・・・北海道と東北北部では・・・・

 もちろん、いくら寒気が南下してきても、降るモノがなければ雪になりませんけど、上の衛星画像で見たように、寒気に南下によって、比較的水温の高い日本海から水蒸気が供給される可能性は十分。
 特に日本海側中心に注意・・・・北陸・東北日本海側では雪ということはないと思いますが、予想外に、冬の雪雲のような雲が日本海から迫ってくる可能性はあるかもしれませんね。


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 今日の雨は?
 基本的に雨の心配はないんですけど、夜にかけて南岸の前線が北上してきて、関東~東海で曇りへ・・・という流れでした。
 雨までは?



 南に突き出ているため前線の影響を受けやすい紀伊半島・・・くもりを通り越して、夜には小雨の可能性も。
 三重県南部の予報文にはきちんと「夜 雨」と書かれていました。




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・今日も当たり・・・でイイですよね。




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2010年10月17日

秋の行楽日和、北海道は今夜から雪も(10月17日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 長野では、2000m前後の山々の紅葉が見ごろを迎え、まさに秋の行楽シーズン真っ盛りといったところ。
 リンゴも最盛期をむかえようとしています。

 一方、北海道の山沿い・・・場合によっては平地でも雪が降りそうな気配が出てきました。
 昨年、長野市から見える菅平が雪に覆われたのは11月3日
 あと半月ほど先のことです・・・・・・

 秋を楽しむなら今のうち・・・今日は基本行楽日和・・・比較的簡単にまとめておきます。




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 北日本・・・昨日も不安定傾向でしたが、今日も・・・
 それ以外は、基本的に晴れベース。
 関東・東海付近が雲マークが左側のくもりベースですが、「のち 晴れ」傾向ですから、東日本・西日本は秋晴れの行楽日和という表現を使ってもイイ感じ・・・実際、天気予報番組でもかなり使われるでしょうね。




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 関東付近は雲マーク左側で、どちらかといえば回復傾向のくもりベース。
 それ以外は太陽マーク左側の晴れベース。
 ・・・・こまかく分ければこうなりますけど、ざっくりと「晴れだけど関東でははじめ雲が多めだね」でイイでしょう。




  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 今日のアニメ、一言でいえば、「東日本と西日本は高気圧に覆われて秋晴れだけど、北日本は気圧の谷・・・・正確には気圧の谷に伴う風の収束線(シアーライン)が通過・・・するため、一時的に大気が不安定・・・・突風や落雷に注意してください・・・・」です。

 ひとつだけ書かなかったのは、関東・東海のくもりベースについて。
 関東沖に前線上の低気圧がありますけど、この低気圧の北側を吹く湿った北東の風が関東付近に流れ込んで午前中雲が多め
 低気圧が東へ遠ざかるにつれて晴れ間が広がってきます。




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 北日本のシアーラインと関東の曇りについて
 高気圧が張り出して晴れる様子をチェックしても意味がないので、①北日本で一時的に不安定になる原因・・・・シアーラインの通過の様子、②関東付近で午前中雲が多くなる理由・・・・北東気流の様子、をチェックします。



 今朝の地上付近の空気の流れと降水の様子
 寒冷前線とは解析されていませんが、ほとんど寒冷前線と同じ形態のシアーライン
 今日日中北日本を通過しますから、シャープな雨雲が通過するタイミングで急激に風向が変化するとともに、一時的にドバッと雨が降る可能性があります。
 風が変化するときに、竜巻の可能性なんかもありますから、要注意。

 一方、関東付近は北東の風が収束しながら流れ込んでいます。
 これが曇りの原因

 で・・・今夜になると・・・・



 シアーラインも北東気流も東海上へ遠ざかり、夜には回復傾向
 でも・・・・・


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 北日本のシアーライン通過後の寒気
 北日本、シアーラインが通過した後、今夜強い寒気が南下



 -30℃の寒気は、輪島付近まで南下すると長野でも雪になるほどの寒気
 こいつが北海道の北部にやってきます。

 また、上空1500m付近では・・・



 0度の寒気。
 北海道のそこそこ高い山や峠では、今夜から明日にかけて雪になる可能性大
 場合によっては平地でも雪になる可能性があります。

 いよいよ来たな・・・という感じですね。




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・長野県は秋晴れエリアですから細かなチェックは不要だと思いますが・・・
 北信ほど・・・やや雲が多めで推移するかもしれませんが、当たりでイイでしょう。




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2010年10月16日

東・西日本行楽日和、北日本は回復へ(10月16日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 昨日、新潟県の胎内市で突風が吹いてけが人も出たというニュースがありました。

 昨日の記事に書きましたが、ちょうどその頃、上空5700m付近、-18℃の寒気の先端が北陸付近まで南下していて、寒気と暖気の接触面が新潟付近
 地上付近には局地的な低気圧も発生していて、竜巻や突風が起こっても不思議ではありませんでした。

 これからの季節、似たような現象は何度も起こりますから、天気予報で何気に聞き流してしまう「突風などに御注意ください」という言葉・・・気にしてください。

 もっとも「どう注意すればイイの?」と思われるでしょうけど・・・・
 夕立のような雲が迫って、窓ガラスがガタガタ・・音をたてはじめたら、戸締りをきちんとして、中に待機する・・・・外出していたら、入れる建物に入る・・・ことくらいですが・・・・

 今朝は似たような現象が北海道で起こっています。







  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 東日本から西の地域では基本的に秋晴れ・・・といっても、まだまだ25℃以上の所があって、遅ーい残暑??

 北日本は、昨日の不安定な天気がまだ続いていますが、次第に回復してくる傾向
 いつのタイミングで回復?は予報文を読むのが一番ですが、ザッと斜め読みしてみると、昼前後には、雨の所はくもりに、くもりのところは晴れに・・・というタイミングが予想されています。




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 東日本・・・太陽マークが左側ですから、基本的に晴れベース
 多少雲が広がりやすい傾向はありますけど・・・・・
 まあ・・・イイでしょう・・・この程度で・・・秋の行楽日和ですから・・・



  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 高気圧が西から勢力を拡大する様子をアニメにしたかっただけ・・・です。
 あえて三陸沖の高気圧に「高」マークを書きこみませんでしたが、「高」マークを書きこむと、東日本や北日本は、東シナ海の高気圧との間にはさまれた気圧の谷になるんですよね。
 これが、東日本でやや雲が多いという理由になるんですけど、影響も少ないので、無視してしまいました(してないのかな?・・・書いちゃってるから・・)




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 今朝の実況はどうなっているのか?
 今日は、東日本・西日本は行楽日和ですし、北日本も回復傾向なんで・・・細かいことをまとめても・・・と思いましたが・・・一応、現在がこうなっていて、未来がこうなる・・・という流れをまとめておきたいと思います。



 今朝午前3時のレーダー画像
 上のアニメのスタートライン・・・午前3時の実況天気図と、一番上の衛星画像比較できるように午前3時の画像をチョイスしてあります。
 北海道付近と東北日本海側には南北のライン状の雨雲
 昨日、北陸に突風をもたらした、寒気と暖気の境目の雨雲・・・寒冷前線とは解析されていませんが、似たようなものです(シアーライン:収束線)。

 これを空気の流れで詳しく見ると・・・・



 2系統の空気の流れが北日本でぶつかりあっているのがわかります。
 

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 今夜にかけてどうなるの?
  まず、今夜の地上付近の空気の流れ・・・



 北日本の複雑な流れは東へ抜けて、全般にシンプルな流れに。
 もっとも、弱い気圧の谷にあたる東日本付近は西風と東風がぶつかるエリアになっていて、これが雲を多くしている原因
 崩れることはありませんけど・・・・

 で・・・具体的な雨は?



 日中は雨の心配なし
 ただ、になると北海道の日本海側に、今朝と似たような寒冷前線モドキ・・・シアーラインの雨雲が接近してくるようです(ちょっとだけですけど)。




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・雲の広がり具合を検討するのも生産的ではないし・・・・
 当たりでイイでしょう。

 ・・・しっかし・・・今年はまともに台風の検討していないなぁ・・・・
 13号は・・・まだちょっとアヤシイけど。




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2010年10月15日

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 先日訪ねた小谷アメダスの写真。



 降水量だけのアメダスですけど、特別にレーザーを使った積雪深計が設置されています。
 もちろん、日本有数の豪雪地帯だから・・・・

 山間の集落の片隅にひっそりと設置されていますから、探すのは今までで最も大変でした。

 これからの季節、2メートルを超える積雪のデータを届けてくれるこのアメダスですが、周囲は雑木林で、アメダスのすぐ上まで高い木が迫っています。
 木の影響や後ろの斜面の影響で吹きだまりになったりとか・・・・積雪のデータはある程度注意してチェックしないとダメ・・・かも?

 さて、ここ数日、メリハリの無い天気分布が続いていましたが、今日はちょっと天気に変化が見られそうです。




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 今日の日本はざっくりと二つのエリアに分けられます。
 マークのイメージ通り、秋晴れモードの西日本
 傘マークが目立つぐずつきモードの北日本
 その中間の東日本は両方ミックスのエリアですが、どちらかといえば西日本寄り
 東日本と北日本の境目付近が、どちらの天気にも影響されるグレーゾーンという感じです。




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 全国の天気マークと同様、東日本も太陽マーク優勢エリアと、傘マーク優勢エリアに分かれますけど、どちらも「のち」マークになっていて、どちらかといえば回復傾向
 というわけで、東日本は西日本寄り・・・に分類したんですけど、北陸は例外
 北陸が例外というとき・・・そして冬前のこの季節・・・寒気の影響が疑われます。




  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 今日、天気が動きはじめたのは、上空の寒気が日本海に南下してきたから
 寒気が南下してくれば、大気は不安定になるとともに、寒暖の空気が混ざりあおうとして、地上付近の空気の動きが活発になってきます。
 それが北日本に傘マークがつく主な原因。

 一方、西から高気圧が進んできますから、西から回復傾向です。




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 天気が動きはじめたワケ
 メリハリがなかった天気分布が動きはじめた理由・・・・上空の寒気が南下してきたから・・・と上のアニメで書きましたが、もうちょっと詳しくチェックしておきましょう。



 これ、水蒸気画像という衛星画像。
 乾燥した空気は映りにくいので暗く映り、水蒸気が多い空気ほど白く映るのですが、白の点線で示した部分が乾燥した空気・・・・寒気の南の先端部分に対応しています。
 また乾燥したエリアがU字になっていますが、最も垂れ下がった部分(赤の点線)が上空の気圧の谷と対応
 つまり、寒気を伴った上空の気圧の谷が、日本海を北東進するので、地上付近では大気が不安定になって、低気圧が発生したり、雷雲や突風が発生しやすいというわけです。

 これを天気図で見ると・・・・



 上空の気圧の谷が日本海を北東進・・・することが計算されていますよね。
 そして、上空の気圧の谷に対応する寒気



 谷とほぼ同じ形をしていて、-18℃ラインが先に見た水蒸気画像の暗域と対応しています。


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 今日の雨?
 さて、寒気を伴った上空の気圧の谷の影響で空気の動きが活発になるとして、直接に影響のある地上付近の空気の動きはどうなるのか?



 沿海州方面に空気の流れが集まるライン(シアーライン)ができたり、北陸付近に低気圧性の渦ができ、低気圧になったり消滅してみたり・・・・
 まさに不安定な大気が形成されます。

 今朝のレーダーを見ると・・・・



 低気圧の影響で北陸から東北の日本海側で雨模様
 一方、太平洋岸は低気圧が遠ざかりつつあって、回復傾向
 これがどうなるかといえば・・・・



 いつもの予想図に、発生する低気圧、消滅する低気圧、弱い低圧部などを書きこんでみましたが、北日本の雨は非常に複雑な降り方をすることがわかります。
 単純にベタっと降るわけじゃなくて、ザッと降ったり、曇ってみたり、まさに不安定な雨ということになりそうですね。




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・長野県は、どちらかといえば西日本の回復エリア寄りの天気傾向ですが、北部は日本海で消えつつある低気圧の影響を受けやすいといえます。
 予報文は単純に回復傾向を予想していますけど、不安定な空模様の新潟県との県境付近・・・まさに小谷のアメダス付近などや、信濃町、飯山方面では一時的にパラッという雨の可能性はあると思います。
 北部の予報・・・これでイイとは思いますが、県境付近では予報文に書くか書かないか悩む程度に雨の可能性があると思っておいたほうが無難でしょう。




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2010年10月14日

台風13号予想進路とメリハリのない天気(10月14日)



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 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 台風13号が発生しました。
 今年、台風の発生数が少ないですから、多発の時期が遅くなるだとか、発生したらドデカイ台風になるとか・・・色々心配されていましたが・・・・



 週間予報の検討にも使われる計算値をアニメにしてみましたが、とりあえず西へと進む模様
 日本への直接の影響はなさそうですが、しばらくは横目でチラチラと様子を見ておきたいと思います。




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 台風が漂う南の海上から日本付近の予想の天気マークに目を向けると、太陽マークと雲マークが目立ちますから、大崩れするような天気じゃないねぇ・・・・ということは一目でわかります。

 もうちょっと目を凝らして見ると、東日本は雲マーク一発や、雲マーク左側の曇りベース
 西日本は、太陽マーク左の晴れベースですけど、「のち くもり」傾向
 昨日に引き続きメリハリの小さな天気分布になっていますが、その理由は?




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 曇りベースの東日本ですが、関東を中心とした南岸で雲が多く東海や長野、北陸ではそこそこ晴れそうな天気分布になっています。
 予報文からすると、長野県は、日中青空のエリアが拡大しそうですけど、雲の多い晴れ・・・雲の少ない晴れ・・・地域によってそれぞれ・・・という感じがします。
 いずれにしても県内は雨の心配なし。

 一方、関東南岸・・・神奈川では雲マークですけど、予報文では夜に雨が予想されています。

 ところで、余談ですけど、ときどき、天気がタイトルになっているブログを読むことがあります。
 「曇りの予報なのに雨が降った!!予報大ハズレ・・」とか「一時雨の予報だったのに予報がハズレてツーリングはバッチリでした」なんていうことが書いてあったりします。
 でも・・・予報文には「所により夕方から雨」とか「朝のうち 雨」などと書いてあったりします。
 天気マークだけ見て判断して、これ見よがしに予報が外れた!と言っている人って結構多いんですよね。




  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 昨日同様、日本付近は浅い気圧の谷
 メリハリある山岳地帯じゃなくて、緩やかな丘陵地帯の気圧配置です。
 気圧の谷といっても、太陽は顔を出しますし、雨の影響も極小
 今日雨に降られる人は、かなりアンラッキーな人かもしれませんね。




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 メリハリのない天気の理由
  昨日に引き続き、メリハリの無い天気分布
 穏やかなことはイイことですけど、一応、その理由を空模様の骨格・・・上空の天気図でチェックしてみると・・・・



 右側の上空の天気図を見ると、日本の西側に上空の気圧の谷がありますが、深いというものではなくて、大きいけど緩やかな谷
 大きい谷なので、動きもゆっくり・・・・対応する地上の気圧配置の変化も穏やかでゆっくり

 そして、左側・・・上空の気圧の谷に対応する上空の寒気もシベリアで足踏み
 強い寒気が南下してこないということは、寒気と暖気を混ぜ合わせようとする低気圧もイマイチ発達しませんから、メリハリがない・・・という状態です。


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 今日の雨?
 今日の雨について・・・まとめようかと迷いましたが、ズクを出して(面倒くさがらずに・・・という長野の方言)、図を作りました。



 雨の影響はほとんどなし
 東日本・・・相変わらず東よりの湿った風が吹き込みやすいので、一時的に通り雨があるかもしれませんが、あくまで一時的・・・強いものではないはずです。
 
 メリハリのない天気ですから、今日はこのくらいにしておきましょう。



  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・あまり細かいことを突くのも生産的じゃないので、当たる・・・ですね。




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2010年10月13日

メリハリのない天気分布、今日も夕方以降雨?(10月13日)



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 今日の天気予報はあたるんでしょうか?





 こうやってレーダー画像を見て、各地の雨が降る原因について理由を考えるとき、一般的な天気図に描かれている低気圧や前線で理由を説明することができるのが一番簡単なんですけど、天気図にこれといった特徴が無い場合、専門的なコトバを使わないで説明するというのは結構難しいものです

 「気圧の谷」とか「弱い気圧の谷」、「大気が不安定」という説明はわかりやすいようで分かりにくいんじゃないでしょうか?
 今日の東北方面の天気概況では連発されていますけど・・・・・

 空気中の水蒸気が粒になり、雨粒へと成長するメカニズムがあれば、どこでも雨になるわけですが・・・・・気圧を使って説明する従来の方法に代わって、これで説明をつける方法はないもんでしょうかね?




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 天気マークの傾向でザックリと日本を二つにエリア分けしてしましましたけど、細かく見ると、西の端っこでは傘マーク、北の端っこでは晴れマーク・・・・日本海側では傘マーク、太平洋側では晴れマークという傾向もあります。
 スパッとエリア分けしにくい・・・・大崩れがあるわけでもなさそうな・・・・メリハリの少ない天気分布です。




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 長野県内は日中晴れ・・・・でも、昨夜雨がぱらついたように、今夜も「所により 夕方 から 夜のはじめ頃 雨」がついています。
 用語集で「夕方」は午後3時以降を指し、「夜のはじめ頃」は午後6時~午後9時を指しますから、日の入り前後数時間の間にパラッとありそうだということ。

 この雨の原因・・・・上越の傘マークは朝だけで「のち 曇り」なので・・・昨日と同様、関東の傘マークと関係していそうですが・・・詳しい理由は天気図で・・・




  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 昨日同様、日本付近は気圧の谷
 ただ、非常に浅い気圧の谷。
 高気圧と低気圧の気圧差が10hPaもありません。

 緩やかな丘、くぼ地が広がっている平原の景色は、高い山や深い谷の景色と比べてメリハリがないように、天気もメリハリがなくなってきます。

 晴れのエリアはスパッと晴れず、雨のエリアもドバッと降るわけでもなく・・・・・
多少は地域ごとに天気の違いはありますけど、メリハリがイマイチです。
 



  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 空模様の骨格・・・上空の気圧配置もメリハリなし
 下の図・・・左側はおなじみ1時間降水量のアニメですが、右側は、対応する時間の上空5700m付近の天気図



 上の天気図のアニメに書きこんだ3つの雨エリア・・・・いずれもそれほど活発というわけでもなく、かといって、全国的に雨が計算されていない・・・というわけでもありません。

 また、右側の上空の天気図も、等高度線(実線:等圧線と同じ見方をします)が東西に緩やかに傾いているだけで、これといって蛇行しているわけでもありません。
 しいて言えば、赤の点線を書きこんだ部分が弱い気圧の谷ですけど、かなり浅い谷なので、地上付近の低気圧も活発になるわけではありません。

 で・・・地上付近の様子も併せて見ると・・・・



 どこかに大きな渦を巻いて風が吹き込むというわけでもなく、低気圧や高気圧、前線に対応した教科書通りの緩やかな空気の流れが見てとれます。
 そして、空気が集まる場所にそこそこ降水が計算されているだけ。

 関東付近の雨は低気圧の北側に流れ込む北東の風が湿った空気を運んできて雨雲形成・・ということのようです。

 また、長野県内への影響は、関東に流れ込む湿った空気が県内へも流れ込み、日本海からの北風とぶつかり、上昇気流発生・・・上空の南下しつつある寒気と相まって大気不安定・・・雨に・・・ということだと思います。

 ところで・・・北日本・・・
 気圧配置は西高東低の冬型
 冬と似たメカニズムで日本海側がぐずつく傾向ですけど、この時期に西高東低とか冬型とか言いにくい感じがします。




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・「所により雨」「夕方から夜のはじめ頃」にありそうだよ・・・ということをきちんと理解していれば当たりだと思いますが・・・・

 今朝、県内のテレビを見ていたら、気象庁の予報を使い、気象庁指定のマークを表示しているにも関わらず、「所により・・・」以下をコメントしていませんでした
 マークだけじゃ夕方以降の雨は絶対に分りません
 原稿に入れ忘れたのか?故意に外したのか、アナウンサーが勝手に読まなかったのか?
 いずれにしても、ヒドイ天気予報番組だと思いませんか?




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 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
  


2010年10月12日

連休明けて気圧の谷へ、曇りベースでやや下り坂(10月12日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 三連休も終わって、また平常の日々へ。
 Kasayanはちょいと出かけたついでにアメダスに立ち寄ってきました



 これは、聖高原アメダス(雨量計のみ設置)。
 高原にある資料館の敷地内に設置されているので、鉄条網越しの映像になっています。
 
 よーく見ると、アメダスの向こう側に横たわるグレーの筒状のもの
・・・・これ「戦艦陸奥の41センチ主砲」なんですよね。
広島で爆沈した後に引き上げられ、ここに展示されているそうですが、戦艦陸奥の主砲をバックにしたアメダスという、なんともシュールな写真になりました




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 今日の天気マーク・・・・太陽マークが目立ってはいますけど、よーく見ると、西日本は太陽が左側にある晴れベース東日本以北は太陽が右側にある曇りベース
 「のち」どうなるか?を見ても、西日本は「晴れ」ですけど、東日本以北は「雨」。

 この違いはなぜ?・・・・が今日のポイントになりそうです。




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 東日本は曇りベースですが、さらに拡大してみると、関東は傘マークだらけ
 「のち 雨」マークが多くなっているので、予報文を読んでみると、雨のタイミングは夕方以降のようですが・・・・
 レーダーを見ると、関東南岸では朝からそこそこの雨になっています。
 もうちょっと予報文を読んでみると、曇りマークだけの東京の予報文は「朝晩 雨」、神奈川は一日を通して「所により雨」。

 結局、今日の関東は南岸中心にぐずつき気味で、夕方以降北関東に雨が拡大・・・・
 長野県の予報にある「所により 夕方 から 雨」もその延長線上にあるようです。

 どうして?
 



  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 東日本・北日本は二つの高気圧の間の気圧の谷というのが雲マークや傘マークの原因。
 気圧の谷というと、漠然とした感じがしますけど、弱い低気圧があると思えばイイでしょう。
 暖かい空気と冷たい空気がそれぞれどのように流れて、どのようにぶつかって、曇りの雲や雨雲を形成するか・・・・を考えればOK。

 今日は関東沖に収束線が形成されます。
 関東沖は収束線が発生しやすいところ・・・長野県付近の高い山を迂回して北風が吹けば、関東付近で合流域ができやすいのは容易に想像できますよね。




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 気圧の谷の原因・・・上空の気圧の谷(トラフ)
 いつものように、地上の気圧配置の骨格・・・上空の気圧配置からチェックします。



 今日日中、上空の弱い気圧の谷が東日本~東北を通過
 深い谷じゃないので、地上で低気圧が発生するということはないですけど、地上も気圧の谷になって、低気圧ほどイタズラしないけれど、そこそこ天気を悪くします

 そして、今夜、北日本を上空の気圧の谷が通過
 これもそれほど深い谷じゃありませんけど、先の上空の谷とは異なり、谷の西側には、それなりの寒気を伴っているので、暖かい空気と混ざりあおうとするパワーが強く、地上付近には低気圧や寒冷前線が発生することになります。
 ですから、今夜からの北日本の雨や風はそこそこシビアなものが予想されるわけです。


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 今日の雨は?
 上空の様子がわかったところで、対応する地上付近の風の様子を見てみましょう。



 12時の予想図ですけど、高気圧からは時計回りの風が吹き出し、寒冷前線の南側は南西風、北側は北西風・・・そんな流れになっていますよね。
 その延長線上・・・・関東沖では南西風と南東風が収束する線ができています。
 そして東日本付近では、なんとなく渦をまいているような・・・・・

 低気圧になりきれない、気圧の谷の中の様子ですが、風が収束すれば上昇気流発生・・・上昇気流は雨雲発生のパワーになりますから、関東付近がぐずつき気味・・・気圧の谷が深めになる夕方にかけてぐずつきエリアは甲信越に拡大・・・という流れ。
 アニメで見ると・・・・



 関東付近の雨域が内陸に拡大するのがわかります。
 また、北海道にかかる寒冷前線はシャープでまとまった雨になりそうですね。




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・ぐずつき気味の関東とは一線を画す位置関係ですから、日中は雲が多くても、晴れ間が出そう・・・夜には、関東の収束線のとばっちりを多少は受けそうですから・・・・まあ・・当たるといってよさそうですよね。
 ただ、太陽マークはオマケ程度に考えておいたほうがよいかもしれません。




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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
  


2010年10月11日

体育の日は11日でも晴れの特異日?(10月11日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 連休最終日、体育の日の朝・・・・レーダー画像を見ると・・・



 北陸から東北にかけての日本海沿岸で雨雲が散在
 これが拡大するものか?消滅するものか?ということくらいでしょうね・・・気になるとしたら・・・

 昨夜、テレビの天気予報をご覧になったのなら、このブログを読み進める必要もないと思いますが、まあ・・図くらいはチラリと見て、レジャー前の確認でもしてください




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 太陽マーク一発・・・ばかりではありませんけど、「のち」の天気変化がどうなるのか?をざっくり書きこむとこんな感じ。
 少なくとも日中は全国的な秋晴れ!といえるだけの晴天域が広がるようです。




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 レーダーで見た北陸の雨・・・予報を見る限りは回復傾向のようです。
 ただ、雲は完全にとりきれないということのようですね。
 一方、長野県内は、秋晴れ・・・というか、南部では26℃が予想されていますから、残暑のような晴天?
 湿気は少ないでしょうから、快適な暑さでしょう。




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 秋の移動性高気圧に覆われて秋晴れ
 これだけでイイでしょう。




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 空の骨格も秋晴れモード
 いつものように、地上の空模様の骨格・・・上空の天気図のチェックから。



 秋になると天気がコロコロ変化しますが、空模様の骨格・・・上空の気圧配置が偏西風の蛇行にあわせて、谷→尾根→谷→尾根・・・と短期間に順番に変化するから

 今日は気圧の尾根の場・・・高気圧の順番になるようです。
 また、尾根も南から北までしっかりしたものですから、典型的な秋晴れモードと考えてよさそうです。

 そして、大陸東岸付近にある次の気圧の谷・・・かなり浅い感じがします。
 今回の尾根が通過しても、次の下り坂は少なめで済むかもしれません。


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 今日の雨?
 今日は雨の心配なし・・・・ということを一応確認しておきましょう。



 北陸の雨も上がるようですね。
 雲の様子などチェックしようと思えばいくらでもチェックするところはありますけど、今日は祭日体育の日・・・Kasayanもこれから善光寺まで散歩に行きますから・・・この程度で・・・・




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・重箱のスミを突き破るようなヤボなことはしたくないので・・・・当たりでイイですよね。




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2010年10月10日

三連休の天気・・2日目は雨の回復がポイント(10月10日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?





 今朝・・・なんとなく雨は止んでいるようなんだけど・・・・これから出かけちゃっても大丈夫?という方が多いでしょう。

 三連休2日目の天気・・・雨の回復を中心にざくっとまとめてみました。




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 東日本・北日本に傘マークが目立ちますし、「のち」回復マークも少ないので、ダメかぁ!!という感じがしますけど・・・・マークの印象だけで判断するともったいないかも?




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 東日本、大雨だった太平洋岸ほど「のち」・・・太陽・・・あるいは雲マークの回復傾向マークが多くなっています。
 一方、日本海側は「時々」「一時」傘マークのぐずつき傾向
 上越なんかは「のち 雨」マークまでついていますから、日本海側の回復はイマイチというところでしょう。

 長野県内は、マークこそ「一時」「時々」傘マークですけど、予報文を読むぶんには、昼前に「一時」的な雨が予想されているものの、南部ほど回復傾向の内容になっています。
 午前中はパラリ・・の可能性はあるものの、上のレーダーも併せ見れば、基本的に回復ということのようですね。

 予報官的にはスパッと回復・・・とは言いにくい状態らしいですから、あとで計算値を詳しく見てみましょう。




  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 実況図と予想図の変化を見ていただいて・・・太平洋岸、日本海、それぞれの低気圧の動きがうーんと遅いというのがポイント
 当然、回復が遅いよね・・・と考えられますが、南からの湿った空気をキャッチする南岸の低気圧のコースがちょっと南よりになれば回復も比較的早めになる可能性はあると思います(北海道は別)。
 予報は、安全マージンをそこそことっているのかな?という感じがするんですけど・・・・




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 回復が遅いわけ
 空模様の骨格・・・上空5700m付近の天気図から・・・



 地上の悪天をもたらず上空の気圧の谷(赤点線)がゆっくりと東進するんですけど、今夜になっても北日本から北陸に横たわっていて、なかなか東海上に抜けません。
 北日本は今日夜まで・・北陸もぐずつきが尾を引くことになりそうですが・・・実際の計算値はどうなっているんでしょう?
 こうやって一応は空模様の骨格から考えられるようにしとかないと、計算値を鵜呑みにしてしまうことになるので・・・・


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 今日の雨の様子
 とにかく、回復はどうなるのよ?ということが一番知りたいところですから、まずアニメを・・・・



 回復は遅めですけど、遅いのは関東東岸付近と、北陸付近
 それ以外は、比較的早めに回復と言っちゃってよさそうです。
 もちろん、上で見たように、上空の気圧配置は気圧の谷ベースですから、西日本を除いて、北へいくほど完璧な秋晴れモードに入ることまでは望めないでしょうし、一時的にパラ・・・くらいは想定しておいても良いかもしれませんけど・・・・

 東日本にズームしてみると・・・・



 午後3時の様子ですけど、低気圧本体の雨は千葉県付近
 それ以外はとりあえず雨は回復するものの、北陸方面と長野県北部県境付近は雪雲のような低い雨雲に覆われてぐずつき傾向。
 
 長野県北部では山沿いに出かけるなら雨の心積もりが必要
 それ以外では、上空の気圧の谷の影響のお守りに雨具は用意しても、原則曇り(ラッキーなら薄日も)、例外雨という心積もりで対応というところでしょう。




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・予報文の「一時 雨」は朝だけだと思います。
 傘マークの印象が強いので、これにひっぱられると、はずれたじゃん・・・ということになりそうですが、予報文をきちんと読んでいれば・・・当たり・・・でイイんじゃないでしょうか?

 そして、明日体育の日・・・こちらは雨の心配・・・ないでしょうね




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