2010年10月06日
今日もにわか雨?夕方以降はちょっと注意(10月6日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

先日、志賀高原方面に出かけた際に、標高1400m付近にある笠岳アメダスを撮影してきました。
アメダスには風向風速や気温、日照、降水量の4要素を測定する観測地点と、降水量だけを測定するだけの地点がありますが、笠岳アメダスは降水量だけ。
例によって、大ざっぱな緯度経度だけしか公表されていませんし、笠岳アメダスは山の森の中にありますから、探し出すのはGPSを頼りにしてもかなり大変なことでしたが・・・・見つけました。

夕立のある夏場には、北信地方の中でもトップクラス数字を叩き出すこともある雨量計。
ペンション脇の斜面の上にポツンと設置されていましたが、ご覧のように周囲には結構大きな木が迫っています。
ニュースなどで○○ミリの降水!・・・などと発表される雨量は、結構こじんまりと観測されています。
信州新町アメダスの記事は: http://kasayan.naganoblog.jp/d2010-09-21.html
菅平アメダスの記事は: http://kasayan.naganoblog.jp/e370385.html

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

太陽マークと雲マークの組み合わせしかありませんが、よーく見ると、日本海側は「のち 晴れ」傾向。
一方、東日本の太平洋側は「のち 曇り」マークだったり、雲マークが左側の曇りベースマーク中心。
昨日まではプチ冬型の天気分布で、日本海側のほうがぐずつき気味でしたが今日は逆転です。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

こっちでも太平洋側曇りベース、日本海側回復傾向。
この分布、どうしてなのか?
長野地方気象台発表の天気概況には「今日は、朝鮮半島付近の高気圧が日本海に移動し、北から県内を覆う見込みです。」
北から覆う・・・というところがポイントのようですが、あとでもうちょっと詳しくチェックしてみましょう。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

3個の高気圧が確かに「北から」日本を覆っています。
南側の太平洋岸は高気圧のパワーが届かず曇りベース・・・・
高気圧縁辺の北東風が関東に冷たく湿った空気を運びこんで曇りベース・・・・
上空に寒気が南下して大気不安定の雲が発生して曇りベース・・・・
色々な解説ができそうな状況です。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |
短期予報解説資料というプロ用の資料を作成する予報官が、今年になって好んで使っているのが逆位相の場という言葉なんで・・・具体的に・・・

多くの場合、日本付近の上空の気圧配置は、南から北まで上空の気圧の谷なら谷の場、上空の気圧の尾根の場なら尾根の場になって、高気圧・低気圧が地上付近を交互に通過していくわけですが・・・・・
逆位相の場とは、北日本方面は気圧の尾根の場、南岸方面は気圧の谷の場になります。
今日は赤点線の谷と、青点線の尾根が、それぞれ南岸と北日本を支配していますから、日本海側や北日本は回復しても、南岸方面はイマイチということになっています。
今日も関東甲信の天気マークに傘マークはありませんけど・・・・今日もチトあやしい。

今日も-12℃の寒気が上空に停滞して大気は不安定。
引き続き地上付近が日差しで暖まったり、風が収束して上昇気流が発生したりすると雨雲発生・・・昨日ほどじゃないですけど、にわか雨の可能性があります。

どうやら今日も東日本や東北南部中心の様子。
もっとアップしてみると・・・・

夕方以降山沿い中心ににわか雨の可能性あり。
人口の多い平地では曇り程度で済むとは思うんですけど・・・雲の色が濃くなってきたら、今日は雨の可能性が十分あったんだ・・・と思い出して、早めに対応してください。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
せめて予報文に「所により 雨」を付けてもよかったんじゃないの?という気持ちがしますから、今日の予報はちょっとアヤシそう。(雨に降られなかった人にとっては当たりですけど・・・ね)

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)