2010年10月12日

連休明けて気圧の谷へ、曇りベースでやや下り坂(10月12日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 三連休も終わって、また平常の日々へ。
 Kasayanはちょいと出かけたついでにアメダスに立ち寄ってきました



 これは、聖高原アメダス(雨量計のみ設置)。
 高原にある資料館の敷地内に設置されているので、鉄条網越しの映像になっています。
 
 よーく見ると、アメダスの向こう側に横たわるグレーの筒状のもの
・・・・これ「戦艦陸奥の41センチ主砲」なんですよね。
広島で爆沈した後に引き上げられ、ここに展示されているそうですが、戦艦陸奥の主砲をバックにしたアメダスという、なんともシュールな写真になりました




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 今日の天気マーク・・・・太陽マークが目立ってはいますけど、よーく見ると、西日本は太陽が左側にある晴れベース東日本以北は太陽が右側にある曇りベース
 「のち」どうなるか?を見ても、西日本は「晴れ」ですけど、東日本以北は「雨」。

 この違いはなぜ?・・・・が今日のポイントになりそうです。




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 東日本は曇りベースですが、さらに拡大してみると、関東は傘マークだらけ
 「のち 雨」マークが多くなっているので、予報文を読んでみると、雨のタイミングは夕方以降のようですが・・・・
 レーダーを見ると、関東南岸では朝からそこそこの雨になっています。
 もうちょっと予報文を読んでみると、曇りマークだけの東京の予報文は「朝晩 雨」、神奈川は一日を通して「所により雨」。

 結局、今日の関東は南岸中心にぐずつき気味で、夕方以降北関東に雨が拡大・・・・
 長野県の予報にある「所により 夕方 から 雨」もその延長線上にあるようです。

 どうして?
 



  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 東日本・北日本は二つの高気圧の間の気圧の谷というのが雲マークや傘マークの原因。
 気圧の谷というと、漠然とした感じがしますけど、弱い低気圧があると思えばイイでしょう。
 暖かい空気と冷たい空気がそれぞれどのように流れて、どのようにぶつかって、曇りの雲や雨雲を形成するか・・・・を考えればOK。

 今日は関東沖に収束線が形成されます。
 関東沖は収束線が発生しやすいところ・・・長野県付近の高い山を迂回して北風が吹けば、関東付近で合流域ができやすいのは容易に想像できますよね。




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 気圧の谷の原因・・・上空の気圧の谷(トラフ)
 いつものように、地上の気圧配置の骨格・・・上空の気圧配置からチェックします。



 今日日中、上空の弱い気圧の谷が東日本~東北を通過
 深い谷じゃないので、地上で低気圧が発生するということはないですけど、地上も気圧の谷になって、低気圧ほどイタズラしないけれど、そこそこ天気を悪くします

 そして、今夜、北日本を上空の気圧の谷が通過
 これもそれほど深い谷じゃありませんけど、先の上空の谷とは異なり、谷の西側には、それなりの寒気を伴っているので、暖かい空気と混ざりあおうとするパワーが強く、地上付近には低気圧や寒冷前線が発生することになります。
 ですから、今夜からの北日本の雨や風はそこそこシビアなものが予想されるわけです。


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 今日の雨は?
 上空の様子がわかったところで、対応する地上付近の風の様子を見てみましょう。



 12時の予想図ですけど、高気圧からは時計回りの風が吹き出し、寒冷前線の南側は南西風、北側は北西風・・・そんな流れになっていますよね。
 その延長線上・・・・関東沖では南西風と南東風が収束する線ができています。
 そして東日本付近では、なんとなく渦をまいているような・・・・・

 低気圧になりきれない、気圧の谷の中の様子ですが、風が収束すれば上昇気流発生・・・上昇気流は雨雲発生のパワーになりますから、関東付近がぐずつき気味・・・気圧の谷が深めになる夕方にかけてぐずつきエリアは甲信越に拡大・・・という流れ。
 アニメで見ると・・・・



 関東付近の雨域が内陸に拡大するのがわかります。
 また、北海道にかかる寒冷前線はシャープでまとまった雨になりそうですね。




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・ぐずつき気味の関東とは一線を画す位置関係ですから、日中は雲が多くても、晴れ間が出そう・・・夜には、関東の収束線のとばっちりを多少は受けそうですから・・・・まあ・・当たるといってよさそうですよね。
 ただ、太陽マークはオマケ程度に考えておいたほうがよいかもしれません。




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 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)