2010年10月25日
今日の雨、明日の雪、そして週末台風14号(10月25日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

この週末、多忙につき更新ができず、訪問していただいた方・・・申し訳ありませんでした。
さて・・・・

テレビの天気予報では、明日からの冬の到来?(長野県高地でも雪?)、で持ち切りだと思いますが、台風14号・・・・こちらも忘れるわけにはいきません。
最新のGSMという計算値をアニメにしてみましたが、”今のところ”29日あたりに最接近ということのようですが・・・・他の計算値と比較してみると、速度にかなりバラツキがある状態。
接近のタイミングを断定できる状態ではありませんけど、台風接近に伴い、奄美大島で発生したようなことが、今度は本州で発生する可能性があります(28日の降水を見てください)。
今週は寒波の襲来と同時に、台風の接近・・・それに伴う大雨と、多くのチェックポイントがありますから、天気予報は新しいものでキチンとチェックしておいてください。

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

ここまで全国的に傘マークが散らばったのは久々です。
「のち 雨」 「のち くもり」 「時々 雨」 「時々 くもり」 「一時 雨」など、内容は様々ですけど、予報文にザッと目を通す限り、地方によって止み間は様々なタイミング。
雨を降らせる原因が大きく二つあって、それぞれの動きによって各地の雨のタイミングがズレるので、詳しい降り方は、各地の予報文を読んで確認してください(上のリンク参照)。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

東日本も傘マーク散在。
長野県中北部は、「のち くもり」マークで、予報文に書かれた曇りのタイミングは「昼前」。
でも・・・周辺の県の予報を見る限り、「朝晩 雨」の所がほとんどで、新潟方面は一日「雨」。
周辺と比較してイレギュラーな予報の長野県・・・・「のち」回復をあまり期待しないほうがイイような気がしませんか?
たぶん北アルプスなど、高い山による雨雲のブロック効果を想定したものだと思いますが・・・・・・夜の雨・・・・冷たい雨があってもおかしくないと思うんですけど・・・・
ところで、明日は今シーズン初の雪も予想されているので・・・明日の予報も・・・

「雨か雪」ですから、雨の可能性のほうが高い予報になっていますけど、海抜次第で「雪か雨」だと思うのが吉。
高原の方は、せめてチェーンが使えたかな?、どこに仕舞ったな?はチェックしておきましょう。
スタッドレスへの交換は、時期的にためらわれますけど・・・・交換上手な方は、心積もりくらいは・・・・

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

今日の雨の原因は、南岸の前線と、北日本を通過する前線・・・二つの前線の影響。
南岸の前線の南側は秋の空気・・・その北側は晩秋の空気・・・そして北日本通過の寒冷前線の北側は初冬・・・それも雪モードの空気。
それぞれの空気の境目で雨が降るのですが、境目の間隔が非常に狭いので、全国的に雨模様です。
特に東日本から北日本では、今日から明日にかけて晩秋から初冬へと季節が変化・・・なんて話がテレビやラジオの天気予報でバンバン解説されると思います。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |

まず、今回冬型の気圧配置になる原因ですが・・・・上空5700m付近を気圧の谷(赤の点線)が深まりながら通過します。
谷の東側では南西の風にのって暖気が北上、西側では寒気が南下するのですが、谷が深いので、ずいぶん南まで寒気が南下。
南下してくる寒気は・・・・・・

上空5700m付近で-30℃以下の寒気が東北北部まで南下。
輪島に-30℃の寒気が南下してくれば、北陸や長野県北部の平地でも雪になる・・・・という寒気ですから、北日本・・・特に北海道の平地ではかなりの確率で雪になる可能性がありそうです。
また、図の下段・・・上空1500m付近で0℃のラインが本州内陸まで南下していますから、少なめに見積もっても、本州の海抜1500m以上の峠では雪の可能性大。
地上付近で2℃前後まで下がっていれば雪になる可能性はありますから、安全をみれば、海抜1000m前後の山も雪の可能性が・・・・・
スタッドレスは早すぎる感じもしますけど、峠越えするなら車のトランクにはチェーンくらいは入れておきたいものですねぇ・・・・
志賀高原・・・軽井沢付近・・・・安房峠・・・・・
日本海はいよいよ冬の日本海の様相でしょうか・・・・

北日本中心に北西~西の季節風が急に強まりますから、海は荒れ模様というところでしょう。
また、海面水温は比較的高めですから、上空の寒気が入ってくると、日本海沿岸では活発な積乱雲が発生しやすい状態。
先週ありましたけど・・・・竜巻や突風・・・・可能性が高まりますから、北陸や東北日本海側では竜巻の警戒情報にアンテナを立てておいたほうが良いかもしれませんね。

南岸の前線・・・多少は本州から離れるものの、スパッと回復するものではなさそう。
また、北日本を通過する寒冷前線もサッサと抜けきるものでもありません。
そして、それぞれが影響するエリアも東日本中心に混在傾向。
「のち くもり」の地域も、雨がそこそこ尾を引く可能性があるとおもっておいたほうが無難かもしれません。
東日本にズームしてみると・・・

ベタっとした雨雲で雨が降るわけじゃないので、日中は曇りベースで推移する所もあるでしょうけど・・・・・
北日本を通過する寒冷前線の影響・・・・15時の計算値を見ると、北アルプスのブロック効果は多少ありそうなものの、県内の雨は「のち くもり」というように、スパッと回復するような雰囲気ではありません。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
11時30分追記 午前11時、長野地方気象台発表の予報は「北部:北の風 くもり 夕方 から 雨」、「中部:北の風 くもり 夕方 から 雨」。 「所により」のオマケはついていますが、夜の雨が加わってきました。 なんで午前5時の予報から雨の可能性を伝えないんでしょうか? 帰宅時間の雨の予想は朝の段階で伝えないと意味がないと思うのですが・・・・不思議でなりません。 |

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)