2010年10月15日

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?
寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 先日訪ねた小谷アメダスの写真。

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 降水量だけのアメダスですけど、特別にレーザーを使った積雪深計が設置されています。
 もちろん、日本有数の豪雪地帯だから・・・・

 山間の集落の片隅にひっそりと設置されていますから、探すのは今までで最も大変でした。

 これからの季節、2メートルを超える積雪のデータを届けてくれるこのアメダスですが、周囲は雑木林で、アメダスのすぐ上まで高い木が迫っています。
 木の影響や後ろの斜面の影響で吹きだまりになったりとか・・・・積雪のデータはある程度注意してチェックしないとダメ・・・かも?

 さて、ここ数日、メリハリの無い天気分布が続いていましたが、今日はちょっと天気に変化が見られそうです。


寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?
寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 今日の日本はざっくりと二つのエリアに分けられます。
 マークのイメージ通り、秋晴れモードの西日本
 傘マークが目立つぐずつきモードの北日本
 その中間の東日本は両方ミックスのエリアですが、どちらかといえば西日本寄り
 東日本と北日本の境目付近が、どちらの天気にも影響されるグレーゾーンという感じです。


寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。
寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 全国の天気マークと同様、東日本も太陽マーク優勢エリアと、傘マーク優勢エリアに分かれますけど、どちらも「のち」マークになっていて、どちらかといえば回復傾向
 というわけで、東日本は西日本寄り・・・に分類したんですけど、北陸は例外
 北陸が例外というとき・・・そして冬前のこの季節・・・寒気の影響が疑われます。


寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 今日、天気が動きはじめたのは、上空の寒気が日本海に南下してきたから
 寒気が南下してくれば、大気は不安定になるとともに、寒暖の空気が混ざりあおうとして、地上付近の空気の動きが活発になってきます。
 それが北日本に傘マークがつく主な原因。

 一方、西から高気圧が進んできますから、西から回復傾向です。


寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 天気が動きはじめたワケ
 メリハリがなかった天気分布が動きはじめた理由・・・・上空の寒気が南下してきたから・・・と上のアニメで書きましたが、もうちょっと詳しくチェックしておきましょう。

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 これ、水蒸気画像という衛星画像。
 乾燥した空気は映りにくいので暗く映り、水蒸気が多い空気ほど白く映るのですが、白の点線で示した部分が乾燥した空気・・・・寒気の南の先端部分に対応しています。
 また乾燥したエリアがU字になっていますが、最も垂れ下がった部分(赤の点線)が上空の気圧の谷と対応
 つまり、寒気を伴った上空の気圧の谷が、日本海を北東進するので、地上付近では大気が不安定になって、低気圧が発生したり、雷雲や突風が発生しやすいというわけです。

 これを天気図で見ると・・・・

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 上空の気圧の谷が日本海を北東進・・・することが計算されていますよね。
 そして、上空の気圧の谷に対応する寒気

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 谷とほぼ同じ形をしていて、-18℃ラインが先に見た水蒸気画像の暗域と対応しています。


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 今日の雨?
 さて、寒気を伴った上空の気圧の谷の影響で空気の動きが活発になるとして、直接に影響のある地上付近の空気の動きはどうなるのか?

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 沿海州方面に空気の流れが集まるライン(シアーライン)ができたり、北陸付近に低気圧性の渦ができ、低気圧になったり消滅してみたり・・・・
 まさに不安定な大気が形成されます。

 今朝のレーダーを見ると・・・・

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 低気圧の影響で北陸から東北の日本海側で雨模様
 一方、太平洋岸は低気圧が遠ざかりつつあって、回復傾向
 これがどうなるかといえば・・・・

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

 いつもの予想図に、発生する低気圧、消滅する低気圧、弱い低圧部などを書きこんでみましたが、北日本の雨は非常に複雑な降り方をすることがわかります。
 単純にベタっと降るわけじゃなくて、ザッと降ったり、曇ってみたり、まさに不安定な雨ということになりそうですね。


寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の予報・・・長野県は、どちらかといえば西日本の回復エリア寄りの天気傾向ですが、北部は日本海で消えつつある低気圧の影響を受けやすいといえます。
 予報文は単純に回復傾向を予想していますけど、不安定な空模様の新潟県との県境付近・・・まさに小谷のアメダス付近などや、信濃町、飯山方面では一時的にパラッという雨の可能性はあると思います。
 北部の予報・・・これでイイとは思いますが、県境付近では予報文に書くか書かないか悩む程度に雨の可能性があると思っておいたほうが無難でしょう。


寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

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 可能な限り返信いたします。

寒気南下し天気が動き出す(10月15日)

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)



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