2010年10月04日

雨の一日、昼前後まとまった雨に注意(10月4日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 久々に超多忙の週末だったので、ブログ更新ができませんでした
 おこし頂いた方・・・申し訳ありませんでした

 ブログも仕事で書いていられたらどれだけイイかな?なんて思いますけど、1年間の天気修行のつもりで書いているブログなので、がんばらねば・・・・・
 正直なところ、これだけの情報をまとめる労力は、朝のワイドショーの天気予報数本の予報を作ったり、原稿を書くより大変です。
 放送事故というプレッシャーが無いのが救いですけど。
 


 さて、雨雲だらけの東日本~北日本
 誰もが知りたいことは、この雨いつやむの?どの程度降るの?だと思いますけど・・・最近、ポイントがズレていないかな?とちょっと気になっています。

 で・・・レーダーに書き込みをしておきましたけど、どうして雨の理由がわかるの?



 今朝の雨は実況天気図を見ると比較的簡単に理由がわかっちゃう雨
 それぞれの理由を詳しくチェックしておくことにします。




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 レーダーで見た雨のエリアと傘マークが対応していて、東日本以北は傘マークだらけ。
「のち」回復マークが散在していますが、チラチラと予報文を斜め読みしてみると、回復のタイミングはどれも「夕方」以降
 雨は息をしながら、日中は降りやすい状態とおもっておいたほうが無難かも・・・・




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 長野県内は午後に「雷を伴う」がついていますから、午前中くもりだったり、大した雨じゃなくても午後には一発きそうですね。
 上の実況天気図からすると、寒冷前線の通過が原因のようです。




  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 北海道で低気圧発生
 そして、低気圧から延びる前線の通過が今日の雨の主役ですが、寒冷前線が通過した後も、山陰を中心とした日本海側では今夜以降、再びぐずつき気味
 シアーライン(風の収束線)による雨雲の発生が予想されています。
 こっちは、普通の予想天気図ではわかりにくいですね。




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
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 今日の雨の様子
 今朝は雨の様子からチェックしていきましょう。



 いきなり雨のアニメから。
 上の天気図のアニメを良く見ると、関東付近で寒冷前線が「く」の字に折れ曲がっていますが、この部分(キンク部)で降水が活発になっていることがわかります。
 天気図では解析されていない弱い低気圧があるため、雨雲が活発になっているわけですが、この部分が通過するタイミングで一時的にドバッという雨が予想されます。
 
 もうちょっと詳しく見てみましょう。



 関東付近のキンク部に南から風が流れ込んでいますが、この流れが雨の原料を運びこむ空気の流れ
 この計算値では「L」の文字がついていて、低圧部が計算されています。
 この「L」は長野県も通過しますから、このタイミングが要注意。

 もっと拡大してみると・・・・



 これは14時の計算値ですが、すでに前線上のキンク部は通過して、関東地方へ
 逆算すると昼前後が長野県のピークになるようです。

 最後は雨の量を雨の原料の状態からチェックしてみます。



 南風にのって太平洋から342Kという、雨の原料としては十分な空気がキンク部に流れ込む予想になっています。
 長時間は降りそうもありませんが、降るタイミングではかなりまとまった降水量になると思います。


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 今日から明日の天気のシナリオ
 今日の天気のシナリオは、寒冷前線通過と北海道付近での低気圧の発生

 ただ、予想天気図にアニメに書きこんでおいたように、西日本の日本海側から北陸にかけては、いったん回復するものの今夜から明日にかけてぐずつき気味



 これは上空5700m付近の天気図ですけど、今日日中、上空の気圧の谷が通過して、一連の天気のシナリオを押し進めるわけですけど、今夜以降、再び上空の気圧の谷がやってきます。
 これが原因。
 上空の偏西風が主流から切り離されて日本海で渦を巻いているので、天気変化がゆっくりになっているわけです。

 上空の谷に一番深いところは、どちらかといえば日本の西側
 谷に東側の偏西風は南西の流れになっているので、南の暖かい空気を運びこむ傾向
 だから、今日明日、南岸では雨が降っても気温は高めに推移します。

 この一連のシナリオが終了すると、日本付近は谷の西側になって、南下する寒気の影響を受けるようになりますから、そうなったら気温はまた下がる・・・ということになります。




  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の天気予報・・・「夕方」までまとまった雨が予想されていますが、予報用語で夕方は午後3時以降のこと。
 計算値を見る限り、午後3時前後にはほぼ回復・・・のようですから、今日の天気予報は当たりということでイイと思います。
 これ以上チェックしても重箱のスミを突き破るようなもんですから。




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 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)