2011年12月08日

冷たい雨は次第に雪へ、週末にかけ寒気南下(12月8日)


冷たい雨は次第に雪へ、週末にかけ寒気南下(12月8日)


 長野市内、昨日夕方の空・・・・北アルプスは雲の向こう側でしたが、美ヶ原が今日の雨など感じさせない美しい姿を見せていました。
 でも・・・同じ景色・・・今朝は一転して低い雨雲(乱層雲)に覆われて冷たい弱い雨が降っています。

冷たい雨は次第に雪へ、週末にかけ寒気南下(12月8日)


 レーダーを見ると、西日本に大きな雨雲・・・寒気と暖気がぶつかりあう低気圧と前線の雨

 一方、北陸には大陸から吹きだす冷たい季節風がぶつかりあう場所・・・シアーライン(JPCZ)に沿った雨
 冷たく乾燥した大陸からの季節風が、暖かい日本海から水蒸気を吸収して雲を作り、その雲が帯状になって能登半島の西側に押し寄せています。

 さらい、北海道日本海側にはお馴染み・・・寒気の吹き出しによる筋状の雪雲

 そんな3点セットの降水が見られる今朝の空模様ですが、これから明日にかけて次第に冬の様相を見せ始めます。
 まずは、今日の気圧配置から。

冷たい雨は次第に雪へ、週末にかけ寒気南下(12月8日)


 天気図のベース・・・今日からちょっとリニューアルしました。

 南岸の低気圧北東に進み、雨のエリアも東へ移動。
 日本海のシアーラインの雨は一日を通して活発
 北海道上空には寒気が入り、津軽海峡付近に小さな低気圧ができて、風雪が強まる傾向

 降水の3点セットは、一日を通して、各地に影響を与え続けそうです。
 まずは、降水3点セットの動向を、いつものMSMシミュレーションでチェック。

冷たい雨は次第に雪へ、週末にかけ寒気南下(12月8日)


 南岸の雨域が東進。
 日本海のシアーラインの雨は継続。
 北海道の降水域は小さくてもピリリ・・・・天気図アニメの書き込みどおりになっていますよね。

 上空約1500m(地上に近い高さ・山などの影響が少なめ)の-6℃のラインも載せておきましたが、今夜には新潟県付近まで南下。
 「一応」雪と雨の境目の目安ですから、今夜には新潟方面では平地でも雨が雪に変わる可能性が考えられます。
 高い山はますます白くなりそうですが・・・・雪になるかは地上付近の気温や湿度も関係してきます。
 新潟の予報・・・今日は「雨か雪」(傘マーク)、明日は「雪か雨」(雪マーク)・・・予報官も断定まではできないんでしょう。

 寒気のチェックをしたので、ついでに雪に変わった場所での雪の降り方・・・上空5500m付近の寒気の様子もチェック。

冷たい雨は次第に雪へ、週末にかけ寒気南下(12月8日)


 -36℃のラインが、「一応」並雪と大雪の境目の目安といわれていますが、今夜北海道、明日朝には東北北部まで南下してきます。
 このタイミングで、季節風が強く吹き、日本海の水蒸気による雪雲(筋状雲)が大量に発生すれば大雪になるわけですが、今回は季節風が弱く(等圧線の間隔が広い)、本格的な大雪にはなりそうもありません。
 もっとも、場所によっては大雪、または一時的にふぶいたりすることはありそうですし、明日朝は・・・北日本に限らずかなりの冷え込みになりそうです。

 スキーやボードを楽しみにしている方には、「山の雪だより」(yuming)・・・寒波も大歓迎なんでしょうね・・・・・

 向こう一週間の気温の様子もチェックしちゃいましょう。

冷たい雨は次第に雪へ、週末にかけ寒気南下(12月8日)


 北海道は平年より低めで安定?ですが、東日本・西日本では明日が寒気南下のピーク
 来週には再び気温急上昇
 まだまだ気温乱高下の季節変化が続いてしまいそうです。

冷たい雨は次第に雪へ、週末にかけ寒気南下(12月8日)


 以上チェックしてきたこと(降水3点セットの動きなど)を思い浮かべながら、天気予報をチェックしていただければ・・と思いますが、マークが傘であっても、予報文は「雨か雪」になっているところも多いと思います。
 -6℃ラインのお近くの方は、必ず以下おURLで予報文も読んでみてください。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県週間天気予報: http://www.imocwx.com/weekd.htm

 短期予報解説資料(他の資料も)
     http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe5782&cat=e2

11時06分追記
 雪に関する長野県気象情報 第1号
   平成23年12月8日10時55分 長野地方気象台発表
■見出し
県内では、北部の山沿いを中心に9日未明から昼前にかけて雪が降り、積雪となる所があるでしょう。
積雪や路面の凍結などによる交通障害に注意して下さい。
■本文
[気象状況] 
 これから10日にかけ次第に冬型の気圧配置となり、長野県の上空約1500メートルには9日明け方から10日にかけて氷点下6度以下の寒気が流れ込む見込みです。
このため長野県内では、北部の山沿いを中心に9日未明から昼前にかけ雪が降り、北部の平地でも積雪となる所があるでしょう。
[予想降雪量]
 9日12時までの24時間降雪量は、いずれも多い所で

 北部 大北地域山沿い    :15センチ
         平地    : 3センチ
    長野地域山沿い    :10センチ
         平地    : 3センチ
    中野飯山地域     :10センチ
 中部 乗鞍上高地地域    : 5センチ
    松本地域の聖高原周辺 : 5センチ
    上田地域の菅平周辺  : 5センチ
 
の見込みです。
[防災事項]
 積雪や路面の凍結による交通障害などに注意して下さい。
[情報の発表予定]
 「雪に関する長野県気象情報」は、状況に特段の変化がない限りこれで終了します。

 
 
 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)




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Posted by kasayan at 08:00│Comments(2)雑記
この記事へのコメント
こんばんは。
寒気について質問です。

寒気の南下、北上を予想するのは上空のジェットをもとにされているのでしょうか?
Posted by DK at 2011年12月09日 00:51
>>DKさん
 おはようございます。
 ジェット気流を参考にしますが、ジェット気流の場所を解析するためには、上空の気圧の谷の様子を見ます。
 同時に、上空の気温そのものもチェックします。
 使う道具は・・・高層実況天気図やGSM・MSMなどの数値予報の計算値によって作られている予想天気図も使用します。
Posted by kasayankasayan at 2011年12月09日 07:25
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