2011年11月28日
北と南で雨、季節はまだ変わり目(11月28日)
このブログでは、しばしば「短期予報解説資料」という、気象庁が気象事業者向けに発表している予報の虎の巻を引用していますが・・・・・

これは今朝の短期予報解説資料。
当初発表されたモノは昨日午後3時20分発表の日付で、後に今朝3時40分発表に訂正されました。
単に書き換えを忘れたといえばそれまでですが、もし放送事故を恐れる放送局や、気象情報が命にかかわるような場所では、この資料一枚が信頼できなくなるだけではなく、予報全体ミスが生じていないか?疑心暗鬼になるものです。
今回のミスから、短期予報解説資料は、前回発表された資料を別の予報官が「書きかえる」という方法で作成されていることがわかりますが、「書きかえる」という作業には「書きかえ忘れ」という問題が生じます。
ワープロで文書を作成するときに、誰でも一度は失敗したことがあると思いますが、気象庁発表の予報を総括する資料で同じミスがあるというのが少々恐い気がしました。
さて、今朝の実況把握3点セット。

レーダーでは北と南に雨・・・南のほうが範囲が広く活発ですが、北も一部の降水量が多くなっていて、小粒でもピリリと辛い雨のようです。
実況天気図を見ると、晴天をもたらした高気圧はすでに東海上に抜けて、日本付近は気圧の谷。
この気圧の谷、今日の天気にどのような影響を与えるんでしょうか?


今夜の予想天気図を見ても、まだ日本は高気圧にはさまれた気圧の谷。
気圧の谷には、谷川のように北と南から空気が流れ込みます。
北の空気は寒気、南の空気は暖気・・・・二つの空気がぶつかれば雲が発生します。
その雲が発生する場所が2か所・・・南岸の前線帯と北日本の前線帯。
今日は2か所で雨が降ることになりそうです。
また、今日いっぱいは暖気が優勢・・・気温は高めに推移しそう。
そんな空気の流れをざっとチェックしてみると・・・・

地上に近くて、地形の影響を受けにくい上空1500m付近の空気の様子のアニメ。
左側の気温の様子を見ると、5℃のラインが北日本をゆっくりと北上・・・気温は高め。
このライン付近が北の前線帯と対応するようです。
また、右側の図・・・相当温位という雨の原料(暖湿気)の様子を見ると、南岸の前線帯の南側にたっぷりと雨の原料があることがわかります。
幸い海上中心ですけど、前線帯を越えて流れ込む弱い暖湿気が南岸にかかって、太平洋岸ではくもりがちの天気が予想されます。
暖気と寒気による雨の様子は?

暖気主体の南岸や九州西岸の雨。
暖気と寒気がぶつかってできる北日本の前線帯の雨。
空気がぶつかったり、急にカーブして、上昇気流が発生しやすい場所で雨が計算されているのがよくわかります。
南岸の雨・・・・ギリギリ陸上にかかりませんけど、ちょっと北上しただけで雨になりそうですから、沿岸部では用心しておいたほうがよさそうですね。

府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県週間天気予報: http://www.imocwx.com/weekd.htm
短期予報解説資料(他の資料も):
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe5782&cat=e2
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Posted by kasayan at 08:02│Comments(0)
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