2011年11月20日

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 午前7時頃、雲の切れ間が見えていたKasayanの住む長野市内・・・8時頃からやや強めの雨が通り過ぎて行きました。

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 
 今日は、久々にグライダーで長野の空を飛べることになっていたのですが・・・・この天気で中止・・・残念・・・

 昨日の記事に書いていましたが、今日の長野の予報・・・気象庁の予報は「くもり 昼前 から 昼過ぎ 晴れ 所により 雨」という何でもアリ?の予報
 気象協会とウェザーニューズの予報は、くもりベースで時々雨が降るという予報。
 実際はどちらに近づくのか?

 ここ2カ月ほど、気象台の予報は雨を少なめに予想する傾向にあるので、その理由を知りたくて、色々データを検討していたら・・・・更新がこんなに遅くなってしまいました・・・ゴメンナサイ

 更新が遅くなってしまったので、今日はこのブログでしばしば使っている短期予報解説資料というプロ用の資料を噛み砕きながら、天気チェックを進めてみたいと思います。

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 これは短期予報解説資料の冒頭部分・・・予報を作成する前に、予報のスタートラインになる現在の状況・・・実況を把握しておく必要があるので、予報官が実況をどのように把握したのか?を解説したもの

 簡単にまとめてしまえば・・・・北海道付近の低気圧が発達して、西高東低の冬型の気圧配置になりつつあって、寒気も南下してきているので、日本海に寒気に伴う筋状の雪(雨)雲が発生している・・・ということを言っています。
 さらに、今回の冬型の気圧配置が強くなりそうな原因・・・上空の冷たい空気の渦・・・・寒冷渦がアムール川付近にあって、今後の動向が要チェックということを伝えてくれています。

 そこで、「低気圧」の様子を見ると・・・・

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 確かに、北海道付近にあって、西高東低の気圧配置が形成されつつあります。

 また、「筋状の雲」を衛星画像やレーダーで見ると・・・・・

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 日本海に白い雪(雨)雲が発生しつつあって、朝鮮半島の付け根から北陸にかけてJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)という筋状の雲の帯ができています。

 それじゃ・・・・「寒気」・・・どんな感じで南下してきているんだろう?「寒冷渦」の様子は?
 上空の天気図(実況)をチェックしてみると・・・・

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 確かにアムール川付近上空に等圧線(等高度線)が丸く閉じて、風が渦を巻いている「寒冷渦」があって、その付近では-40℃の今シーズン一番の寒気が観測されています。

 それでは、この状態がどのように変化するんでしょうか?予報の根拠を解説してくれています。

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 今日の「主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点」は非常に短め(じょう乱:低気圧や前線など)。

 低気圧が発達して冬型の気圧配置が強まり、季節風が強く吹く北海道は暴風雪のおそれ。
 明日21日にかけて平地で雪になる可能性がある-6℃の寒気が南下してくるので、関東甲信越でも山沿い中心に夜から雪に注意せよ・・・ということのようです。
 あと・・・JPCZの延長線上にある北陸には、筋状の雲が次々と押し寄せてくるので、大雪になるはずの水蒸気が大雨をもたらすということのようです。

 ということで、まずは冬型の気圧配置が強まる様子を通常の地上予想天気図でチェック。

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 -6℃の寒気の様子も書き込んでおきましたから、解説資料の内容を大ざっぱに理解していただけると思いますが、「寒気移流」・・・・すなわち、寒気の流れ込みをもうちょっと詳しく見てみましょう。

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 今夜、平地の雪の目安・・・-6℃の寒気は東北北部まで
 明日には東北南部付近まで南下してきそうですから、短期予報解説資料に書かれているように、今夜以降は「北陸や関東甲信北部の山沿い」でも雪が予想されて当然ということがわかります。

 また、右側の図・・・「寒冷渦」は東へ進んで、地上の低気圧にパワーを与えることが予想されます。
 明日にかけて北海道付近の低気圧が「急速に発達」する理由です。

 あと・・・JPCZの延長線上の北陸で雨が強まる様子・・・・・

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)


 朝鮮半島の付け根にある白頭山を迂回する風が収束する場所がJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)で、その延長線上に北陸にあたることがわかります。
 予報官もこのデータを見て、大雨の予想を考えたんでしょうね。

 このJPCZのさらに延長線上にあるのが長野県北部
 長野県北部は高い山に囲まれていますから、風向や風速の微妙な変化によって、JPCZの雲が流れ込んだりブロックされたりする悩ましい場所に位置しています。
 このため、予報がバラついてしまうので・・・・冒頭で書いたように深読みをしていた次第。

 今日はおとなしく、実況を見守りたいと思います。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県週間天気予報: http://www.imocwx.com/weekd.htm

 短期予報解説資料(他の資料も)
     http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe5782&cat=e2
 
 
 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

冬型の気圧配置強まる、気温急降下(11月20日)

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)

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Posted by kasayan at 09:41│Comments(0)雑記
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