2011年09月07日

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)

 
 (紀伊半島の大雨の本当の理由!・・・興味がある方は昨日の記事をどうぞ)

  16時20分追記あり  20時50分追記あり

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)



 台風12、13号も天気図から消え、北海道の大雨も峠を越し・・・今日のブログはのんびりとさせていただきたいなぁ・・・と。
 いつもと違って(同じ?)、Kasayanがのんびりと天気チェックした流れに沿って書き進めていきたいと思います。
 チェックした天気図全部は掲載できませんが、こんな天気チェックの流れもあるんだなぁ・・・・と思って興味のある図だけ目を通していただければ結構です。


 さて、窓を少し開けて寝たんですけど、寒くなって午前3時に目を覚ましてしまいました。

 目がさえてしまったので、PCのスイッチオン・・・・3時のアメダスを見るとKasayanの住む長野市内は14℃
 車で45分ほどの菅平は6.8℃・・・・東京では冬の気温・・・朝にかけてまだまだ下がりそう・・・・

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 静岡県方面を見ると、富士山頂で-2.0℃
 少なくとも朝に関しては秋の気配を実感。

 富士山で氷点下だから、上空に寒気が入っているんだろうなぁ・・・・富士山頂よりちょっと低いけど上空3000m付近の実況天気図を確認してみようかな・・・・・と・・・・・

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 手に入る直近の実況天気図は昨夜21時の天気図。
 大陸沿岸、ウラジオストクあたりに上空の低気圧があって、低気圧の回りを反時計回りに強い風(偏西風)。
 低気圧の南西側には0℃の寒気のカタマリがあって、どうやら北西の強い風が大陸の寒気を運んできているようですね・・っと。

 せっかくだから絵にしておこうか・・・・寒気の様子や曇りのエリアを作画ソフトでゴソゴソと書き込んで・・・・・

 衛星画像ではどう見えるのかしらん?

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 実況天気図の曇りエリアは、気温と露点温度(空気中の水蒸気が粒になる温度)の差が3℃未満の場所なんだけど、衛星画像とピッタリ(当たり前ですけど・・・)・・・・・フムフム・・・・
 
 水蒸気つながりで・・・北海道に大雨を降らせた雨の原料・・・水蒸気の流れもチェックしておこう・・・・

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 水蒸気画像にも書き込みを・・・・・
 北海道に集中的に水蒸気が流れ込む半面、日本海側からは乾燥した空気が流れ込んでいるんだから、雨雲も発達するわけですなぁ・・・・

 雲の下ではどうなっているの?

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 北海道の雨はおさまりつつあるけど、北海道・東北日本海側じゃ結構激しいスコールになっているみたい。
 山陰方面まで帯状になっているのは、さっき見た実況天気図の-3℃前後の寒気と対応していそう・・・
 上空の寒気に伴う不安定な降水ってヤツですな・・・

 実況把握はまあこんなもんでイイでしょう・・・・とりあえずお茶でも飲んで、本でも読みますか・・・・・


 さて・・・・本もつまらんし、ラジオもつまらんから・・・・今日日中はどうなるのよ?・・・上空から下へとチェックしていきますか・・・・・・

 上空5700m付近の気圧の谷も、上で見た上空3000mと大体同じだけど・・・・大気不安定の目安になる上空5700m付近の寒気は・・・

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 東日本は-9℃の寒気にすっぽり・・・北日本には-12℃の寒気がやってきて、北海道の西側にC(コールド)スタンプがあるから、寒気の小さなカタマリが北海道へドスン・・・・
 こりゃ不安定な天気になりそうだぞと・・・・昨日までの雨があるから・・・引き続き警戒ですねぇ・・・

 寒気を見たついでに、今夜の雲の様子も・・・・実況天気図と同様、気温-露点温度<3℃のエリア・・・ちょっと広めに塗ると曇りのイメージのエリア。
 北海道じゃ晴れないね・・・だけどそれ以外は晴れそうですな。

 晴れるのはイイけど、寒気も南下しているから本州では夕立があるんじゃないの?
 地上に近い上空約1500mの気温もチェックしておきますか・・・・・

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 地上付近にもそこそこ寒気が入ってきてるジャン・・・・そりゃ寒さで目が覚めたんだから・・・・
 大気は安定傾向だから夕立はなさそう・・・でも、一応不安定の原因・・・暖湿気の様子もチェックしておこう。

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 暖湿気は南岸まで・・・全国的に乾燥冷涼な空気に覆われる・・・・・・「気温は上がっても過ごしやすい」っていうコメントをお天気キャスターがするパターンね。

 で・・・北日本の雨は?

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 日本海側中心ね・・・・・
 熱帯低気圧・・・発達しそうもないな・・・追跡は必要だけど・・・・・

 疲れちゃったから、MSM(別のシミュレーション)で具体的な雨の変化をチェックしちゃえ・・・・

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


 うんうん・・・・先のチェックどおりね・・・・・・

 
 ・・・・・以上で、Kasayanの今朝の行き当たりばったりのチェックの流れは終わりにします。
 でも、これだけじゃあんまりなので、今夜の予想図にザックと解説をまとめておくことにします。

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)



16時20分追記
 あらららら・・・・13時05分、気象庁が台風14号を観測したと発表。計算値と衛星画像で見る限り、今日中に台風14号まで発達するとは思わなかったんですが・・・・これぞゲリラ台風ですね。時間があれば、今後の計算値など夜に追記してみたいと思います。
 (最新のMSMシミュレーションでも台風の目安風速17.2m/sギリギリ。台風情報でも明日15時・・・10日15時でもようやく20m/sの予想・・・。熱帯低気圧に限りなく近い台風14号ですが、雲のまとまりはそれなりに台風のカタチ。どうなるのか?軽々しい判断はできませんけど・・・・。問題は明後日あたりから暖湿気が太平洋岸に流れ込んで、災害の地にイタズラをすること。この点は要注意だと思います。

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)



20時50分追記
 気象庁台風進路予想図及びGSMモデル、ならびにアメリカGFSモデルを比較しても・・・・発達、速度については不明です。
 ただし、沖縄方面へと進む確率は高いと思われます。

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)


広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)



 
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 可能な限り返信いたします。

広く乾燥した晴天、北日本日本海側不安定(9月7日)

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Posted by kasayan at 06:45│Comments(5)雑記
この記事へのコメント
kasayan さま

いつも拝見しております。
ところでkasayanさんの気象本の発売予定はあるのでしょうか?
以前、準備されている旨のコメントを見たような・・・
Posted by kushiro fsc at 2011年09月07日 11:14
>>kushiroさん
 挿絵等を作っている時間がなくなってしまい、ちょっと延期にさせてもらっていました。
 実は今月末の締切を前に冷や汗を流しながら文章の推敲しつつ、挿絵の原図を作っているところです。
 今回はヨット向けの気象本ですが、その次に一般向けの本を考えているところです。
 とにかく理科の本にはしない・・・天気予報の取扱説明書+使い方のテクニック本にしようとしているのですが・・・新しい試みなので四苦八苦です。
Posted by kasayankasayan at 2011年09月07日 16:29
こんばんは。

発刊されるんですか?
期待しています!
Posted by sekky at 2011年09月07日 22:28
こんばんは、連投すみません。

本日は予報士試験の解答例発表日でした。
今回から、支援センターのサイトで過去三年分の問題がzip形式で公開されました。
なぜ三年分なのかわかりませんが、少しサービスが進んだ感じです。

自己採点した結果、学科一般は13/15。
どうやらクリアしそうです。
専門は免除なので、やはり実技のデキがどうかというところ。

 実技1の温暖前線解析。緯度は合ってるのですが実線を東に伸ばしすぎました。また、梅雨前線の南北850hPa面での風向風速、相当温位の読取を半分ほど間違え、相当温位の鉛直分布の特徴も深読みしすぎて、上層ほど低くなっているなどと解答してしまいました。
kasayanさんがおっしゃるように図から読み取れることを素直に表現することが徹底できてません。
 実技2は最後の波浪の問題がどうかというところで1よりはデキが良いかも。

まぁ、自己採点だし表現の違いを都合よく解釈しているきらいはありますから、やはり10/7の結果待ちですね。

合格したい。
Posted by sekky at 2011年09月07日 22:31
>>sekkyさん
 発刊というよりは、締切に追われて発汗というところです。
 ちょっと変わった本になると思いますので・・・・・

 前線の解析・・・それも梅雨前線となれば、様々な見解が登場してきます。
 気象庁発表と民間気象会社発表で異なる場合があるように、理由に問題が無い範囲はストライクゾーンだと思います。
 民間気象会社にいる気象庁OBが、現役予報官の解析にケチをつけたりする分野でもありますから・・・・

 気にしないで朗報を待つのが吉でしょう。
 合格祈っています。
Posted by kasayankasayan at 2011年09月08日 07:03
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