2011年08月26日

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


 台風11号台風12号、そして秋雨前線南下による局地的な強い雨・・・・・
 今年の季節の変わり目は激しい現象が重なり合うようです。

 さて、ここ数日、気象庁のスパコンが計算したGSMというシミュレーションデータ(地上気圧・1時間降水量・風)を掲載してきましたが、昨日の計算値と今朝の計算値はほぼ同じ。
 計算値がボチボチ安定してきたようです。

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


 テレビやネットで目にする台風進路予想図は、台風モデルという台風専用のシミュレーションデータで作られたもの。通常の天気予報に使われるGSMモデルとは微妙に異なる結果になりますが、今朝の段階で、GSMモデルのほうがわずかに遅めの結果になっているようです。

 この図はかなりリアルなので、細かいところに目がいってしまいがちですが、所詮はシミュレーションにすぎません。
 ご覧になる場合、台風進路予想図の予報円を併用して、雨の範囲や強風の範囲について、最悪の場合とラッキーな場合など、安全マージンを考えていただきたいと思います。

 ところで、アメリカのGFSモデルと、ヨーロッパ中期予報センターの計算値についても昨日とほぼ同様の結果が出ていて、全体として計算の安定がうかがえます。

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


 掲載した図は、沖縄付近に最接近?と思われるタイミングのもの。
 気象庁のGSMモデルとの比較を書きこんでおきましたが、これもシミュレーションにすぎませんから、GSMの安全マージンを考える上で参考にするという使い方をしてください。

 いずれにせよ、雨や風の影響はこれからがヤマ場ですが、うねりは台風に先行して本州に影響してきます。

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


 今日にも九州南部に、明日には西日本全域に2mのうねりが到達しますから、最大3m前後の波が予想されます。
 しばしば天気予報などで解説される一発大波が発生すればもっと高い波も・・・・
 沖縄方面は・・・・いわずもがな・・・ですね。

 昨日も書きましたが、藤原の効果といって、二つの台風がある場合、相互作用によって突然台風が迷走することがあります。
 計算値が安定してきたからといって、新しい台風情報のチェックは怠らないでくださいね。

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


 米軍台風進路予想
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/
 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html


 さて、台風はこれくらいにして、秋雨前線の動向・・・予想天気図から。

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


 短期予報解説資料というプロ用の資料から抜粋して切り貼りして作ってみました。
 
 上空の太平洋高気圧が西日本で勢力を強めるので、秋雨前線は西日本で前線は天気図から消えます。でも、前線の残骸が残るので、地上付近に台風から暖湿流(雨の原料)が流れ込むことも加わって、日中晴れ間が出て気温が上がると大気不安定に・・・・局地的な雨のおそれがあります。

 他方、東日本の前線はまだ活発
 前線にそって局地的に激しい雨や突風、竜巻が発生するおそれがあります。

 そんな様子を、気圧配置の骨格・・・上空の天気図でチェックしてみましょう。

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


 寒気を伴った上空の気圧の谷が北海道付近を通過・・・北海道では不安定な天気。

 西日本方面に太平洋高気圧が張り出しますが、東日本ではイマイチ。
 西日本の前線は消えるものの、東日本では前線が残ることになります。

 また、新潟県~福島県付近まで-6℃の寒気が南下.
東日本の前線付近は大気が不安定で、雨も活発・・・ということになりそうです。

次は、前線に流れ込む暖湿流(雨の原料)の様子

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


 西日本経由で北陸方面の前線に暖湿流が流れ込む傾向。
 北陸方面の雨、その南下・・・・に注目ですね。

 で・・・以上を踏まえて具体的な雨の様子をチェック。

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)


 関東甲信越中心の雨
 全体として秋雨前線の活動は弱まってくる傾向ですけど、局地的な激しい雨に注意をする必要・・・ということが読みとれそうです。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

台風11号・12号の動向、秋雨前線南下大雨注意(8月26日)

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)

(当ブログはリンクフリーです)




同じカテゴリー(雑記)の記事画像
大晦日~元日~2日の天気と初日の出(12月31日)
今日は冬型、大晦日は穏やかに(12月30日)
前線通過、今夜から再び冬型へ(12月29日)
冬型緩むも次の寒波が・・(12月28日)
年末年始の空模様・・年末にかけテンポ早く(12月27日)
冬型は弱まるけれどゆっくり(12月26日)
同じカテゴリー(雑記)の記事
 新ブログ URL (2012-01-01 09:59)
 大晦日~元日~2日の天気と初日の出(12月31日) (2011-12-31 08:16)
 今日は冬型、大晦日は穏やかに(12月30日) (2011-12-30 07:49)
 前線通過、今夜から再び冬型へ(12月29日) (2011-12-29 07:40)
 冬型緩むも次の寒波が・・(12月28日) (2011-12-28 07:27)
 年末年始の空模様・・年末にかけテンポ早く(12月27日) (2011-12-27 07:41)

Posted by kasayan at 07:12│Comments(4)雑記
この記事へのコメント
31日から4日まで沖縄旅行、1~3日慶良間方面でのダイビングを計画していました。
台風11号の影響を考えて、仕事の都合でなんとか2日出発へなら変更できそうなので、検討中なのですが・・・・。
関西からの出発です。2日後倒しにしてもあまり影響は変わらないでしょうか?
アドバイスをお願いします。
Posted by 海 at 2011年08月26日 10:13
>>海さん
 気象庁の5日間台風進路予想図をご覧になっておられるかと思いますが、31日といえば沖縄本島方面に台風の直接の影響が出始めるタイミングです。また、週間の天気図(http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fefe19&cat=e3)を見ていただくとわかりますが、2日はまさに沖縄本島に接近するタイミングです。
 今日(16日)に入手できる気象情報からすれば、いずれの出発日にしてもあいにくの旅行になってしまう可能性が高いと考えられます。
 もちろん、台風進路が不安定ですから、計算値がはずれる可能性はありますが、はずれる根拠が見出せません。
 今日の記事に掲載しておきましたが、波はすでに高くなってきていますから、ダイビングができるかどうか?波についても検討をされることをおすすめします。
Posted by kasayankasayan at 2011年08月26日 20:13
おはようございます。
kesayan様いつも分かりやすい解説ありがとうございます!
お忙しいと思いますが、質問させていただきますm(__)m

なかなか進路の予想が難しいと思いますが、この双子台風ちゃんは8日ごろにはいなくなっているでしょうか??
また台風が去ったとして、8日ごろの海はまだまだ荒れているものでしょうか?8日ごろに石垣島リベンジしようか、9月後半か10月頭ごろにするか悩んでいます。

私事で大変申し訳ありません。自然現象なので無茶な質問だと思いますが、気象予報士さんの意見を伺いたいと思いましてまたコメントさせて頂きました。予測していただけるとありがたいですm(__)m
Posted by 小麦粉 at 2011年08月27日 07:08
そうですよね・・・。どちらにしても影響は避けられそうにないですね。
もう少し後倒しで検討をしてみようと思います。
ありがとうございました。
Posted by 海 at 2011年08月27日 20:17
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。