2011年07月31日
台風9号進路予想、甲信・東海の不安定続く(7月31日)
例によって台風9号の進路予想ですが・・・・

今朝はアニメではなく5日09時の予想図。
気象庁発表の進路予想を素直に延長して考えると、この図のように大陸方面へと進むことになるでしょう。
また、ヨーロッパ中期予報センターの計算値も大陸方面へ進むことを示唆しています。
気象庁進路予想図(5日間予想)
http://www.jma.go.jp/jp/typh/11095.html
次に、アメリカ海軍が計算しているGFSという計算値(いくつかの計算値の中の一つ)。

ずいぶん九州南部に接近しているように見えますが、この先の計算値では、このまま北上することを示唆しています(米軍の台風予想は気象庁の予想とほぼ同様)。
米軍進路予想図
http://www.usno.navy.mil/NOOC/nmfc-ph/RSS/jtwc/warnings/wp1111.gif
アメリカ軍の計算が当たるという神話?があるようですが、経験上Kasayanとしては決してそんなことはないと思います。
天気予報は占いではないのですから、いずれの計算値も一つの科学的に導き出された可能性のひとつです。
最悪パターンを考える必要があるのか?中間を想定して備えるか?・・・個々が天気予報を必要とする状況(旅行ためなのか?防災上の準備なのか?農業・漁業の対策なのか?)に合わせて考える必要があると考えるべきだと思うのですが・・・・どうでしょう?
さて、不安定な天気が続いていますが・・・・・今日の天気は?

ポイントは日本付近が相変わらず気圧の谷・・・新潟県や福島県に大雨を降らせた前線は天気図上消滅していますが、弱い前線帯は残っていて、上空に寒気も居座っています。
大気の不安定な状態は続いていますから、規模は小さくなりつつあるものの、引き続き突然のにわか雨や雷雨の可能性があると考えておいたほうが良いでしょう。
では、いつものように上空の寒気から詳しく見ていきます。

東日本の上空では寒気がゆるやかな渦を巻きながら南下しています。
今夜になってもこの渦は東日本上空。
次は、寒気の下に流れ込む暖湿気・・・雨の原料の様子。

暖かく湿った空気(オレンジの矢羽根)が関東沖から東海・甲信方面に流れ込むことが予想されています。
上の予想天気図では、関東沖に低気圧がありますが、この低気圧の周辺を回って流れ込むようです。
そして、この暖かく湿った空気(相当温位336K前後)と、北日本の冷涼な空気(相当温位324K前後)が東海・関東甲信方面でぶつかって弱い前線帯を作ります(赤の点線)。
この付近で特に雨雲が発生する可能性大。
雨雲の発生は地上付近で発生する上昇気流とも関係しています。


(記入を忘れてしまいましたが、上の図は15時の予想です)
暖かく湿った空気がぶつかる山や風が収束する場所では上昇気流が発生して雲ができやすく、暖湿気が流れ込みやすい場所で発生した雲は雨雲になります。
そんな目で見ると、東海や甲信南部中心に雷雨が発生するということになりそうですが・・・・日本付近の空気の流れは非常に複雑ですから、それ以外の場所で雷雨が発生しないということにはなりません。
ご自分の地域の予報文を読んで、「所によって雨」とか「雷」の文字がある場合には、少なくとも山沿い方面で雷雨のおそれがあると考えておいてください。
予報文: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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Posted by kasayan at 06:23│Comments(0)
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