2011年07月20日
台風6号進路予想と雨・風の様子(7月20日)
台風6号も明日朝にはひと段落しそうですから、ノロノロと進む台風にイライラしていた農業・漁業、交通関係、役所の防災担当の方々・・・・もう一日の我慢・・・・・・・
さて、いつものように1時間降水量、地上の風と等圧線のアニメ。

昨日まではGSMという計算値でアニメを作っていましたが、今日は解像度の高いMSMという計算値でアニメを作ってみました。
台風本体の雨は、南から暖湿気(雨の原料)が流れ込みやすい台風の東側がメイン。
今日は東海から関東が中心になりそう。
一方、台風から少し離れた東北南部付近でも強い降水。
どうやら北海道の北にあるオホーツク海高気圧からの吹き出しの風・・・・三陸沿岸ではヤマセと呼ばれている冷たい北東風と、台風の東側の暖かく湿った南風がぶつかりあって前線が形成されるようです。
そこで前線が形成される様子をチェック。

南風が運ぶ暖湿空気と、北東風が運ぶ乾燥冷涼空気がぶつかりあって前線ができる様子がはっきりと現れています。
もっと分かり易いように立体的に・・・・

このように、台風本体だけではなく、前線の雨にも注意が必要になりますが、幸いなことに台風は南下傾向。
なぜ南下するのか?・・・・その様子を上空の天気図でチェック。

北海道の北東上空には寒気を伴った低気圧(寒冷渦)があって、その周辺は反時計回りの強い北西風の場。
その縁辺の弱い北西風は東北南部~関東北部付近で吹いていますが、紀伊半島付近にある台風への影響はわずか。
他方、太平洋高気圧の中心は日本の南東はるか沖にあって、高気圧縁辺の南西の流れも南岸はるか沖なので、こちらも台風への影響はごくわずか。
台風は太平洋高気圧縁辺の弱い流れに流されつつ、次第に上空の低気圧の北西風の影響を受けて南下する・・・ということのようです。
これを立体的に見てみると・・・・・

本当に強い空気の流れは、上空10キロメートル付近の高い所にあります。
この本流からかなり離れた弱い流れが作用するというわけですね。
おおざっぱに状況をつかんだところで、今日の雨の様子を風とからめて詳しくチェックしておきましょう。


基本的に、暖かく湿った空気が山にぶつかって降らせる雨が中心。
特に降り易い場所をチェックしておきましたが、風向が変化すれば降り易い場所も変化します。
気象レーダーをチェックすると同時に、アメダスの風向風速データをチェックして、雨と風の関係を常に把握していると、目先の降り易い場所を予想することができると思います。
12時50分追記:最新の計算値では、関東甲信の降水量がずいぶん少なく計算されています。南岸は引き続き大雨の可能性が高いと考えるべきですが、関東甲信の北部の降水は若干割り引いて考えて良いかもしれません。
最後・・・風は予想進路図の強風域・暴風域をチェックしつつ一番上のアニメを見ていただければ状況把握ができると思いますが、例によって、台風の予想進路図は、気象庁をメインにして、米軍予想をセカンドオピニオンとして使うのがオススメです。
気象庁進路予想図: http://www.jma.go.jp/jp/typh/110624d.html
米軍進路予想図: http://www.usno.navy.mil/NOOC/nmfc-ph/RSS/jtwc/warnings/wp0811.gif
(米軍進路予想図(JTWC)の表示時間は世界標準時なので、+9時間してください)
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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Posted by kasayan at 06:39│Comments(0)
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