2011年07月17日

台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)


 今日も台風6号の予想進路と、「何が起こるのか?」について・・・・

 一般的な台風予想進路図は、観測値によって頻繁に更新されますから、更新頻度の少ないブログ等でそのまま引用するのは不適切だと思います。
 そこで、気象庁・米軍の予想進路図で最新の情報をチェックしていただくとして、気象庁の天気予報の中核を担っているGSMという計算値(風向風速・1時間降水量・等圧線)のアニメで「何が起こるのか?」を中心にまとめてみたいと思います。

 気象庁5日間進路予想: http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
 米軍進路予想図: http://www.usno.navy.mil/NOOC/nmfc-ph/RSS/jtwc/warnings/wp0811.gif
  (米軍進路予想図(JTWC)の表示時間は世界標準時なので、+9時間してください)

台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)


 まずは、広い画格で台風の進路と、雨の様子をおおざっぱにチェックしておきましょう。
 GSMでも、17日午前3時の(気象庁・米軍の)台風予想進路図とほぼ同じコースを進むことが計算されています(昨日の記事に掲載した図ともほぼ同じですから、計算も比較的安定しているようです)。

 まず、今日(17日午後)から明日(18日)にかけ、台風本体の接近に先行して流れ込む湿った空気の影響で、九州~東海の沿岸部でまとまった雨が降り始めます。
 そして、台風は東寄りの転向するため、明日(18日)夜から明後日(19日)にかけていったん速度が遅くなり、九州・四国方面に長時間影響を与えることになります。
 その後、20日にはやや速度を上げながら、紀伊半島付近に上陸あるいは南を通過して21日朝には関東の東海上へ抜けるということが読みとれます。

 ポイントは、非常にゆっくりと日本付近を通過するということ、非常に発達した状態のまま接近し通過していくということ。
 つまり、長時間の激しい雨や風が予想されることになります(海水温が高いから・・一昨日の記事参照)。

 また、強い風と発達したまま(中心気圧が低い)沿岸部を通過するとなると、さらに気になるのは高潮
 低い気圧による海面の吸い上げ効果、強い風による海水の吹き寄せ効果、湾奥などの地形的要素が高潮の原因に挙げられますから、台風の中心に近くで風下にあたる湾の満潮時が要注意になります。

 上の図をズームしたアニメも作っておきましたから、ご自分の地域では何が起こるのか?をじっくりと考えて、何を対策すべきかを考えていただきたいと思います(青<黄<赤の色塗りは1時間降水量、矢羽根は風向風速を意味しています)。

台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)



 なお、台風の波の影響は昨日から出始めていますが、風や雨に先行してはすでに台風モード。

台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)


 明日夜、九州南部では10メートルを超える波浪が予想されています。
 (テレビの中継を出すなら鹿児島県の佐多岬でしょうね・・・・)

 ・・・なんだか・・・ありきたりの天気予報みたいなコメントになってしまって、Kasayanとしてはなんだか面白くないんですけど・・・
 防災情報であるということと・・・たぶんこれから数日間、以上のようなコメントがテレビやラジオの天気予報で何度も耳にするでしょうから、早めにまとめておくことにしました。
(なんで面白くないのか?・・どうして速度が遅いの?なんで急に東へ曲がるの?を詳しく説明していないからですね・・・。できれば明日あたりにでも・・・・)

 なお、予想進路は、今後も微妙に変化してくる可能性は十分ありますが、「何が起こるのか?」については上のアニメと大きく異なることはないと思います。
 予想進路が変わったら、上のアニメの中心位置を修正して考えればOKです。

 一応、台風の雲や風、台風に伴う湿った空気の様子をイメージしやすいように、立体図を作っておきました。

台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)


台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)


台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)



 さて、今日の天気も一応チェックしておかなければ・・・・
 予想天気図に解説を書きこむだけの時間がなくなってしまったので、短期予報解説資料というプロ用に資料に掲載されている簡易図を引用加筆しました。

台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)


 今日も猛暑・・・台風からの湿った空気の流れ込み方次第では、ジリジリの猛暑からジメジメの猛暑へと変化します・・・特に西日本。
 
 また、ジメジメの原因は雨の原料になりますから、湿った空気次第で夕立(雷雨)の発生の程度も変わってきます。
 ということで、今日の夕立予想もかなりアヤシイものですけど、一応チェックしておきました。

台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)


台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)


 いつもと異なり、全国の図には下層雲(紫)の様子も表示させてみました。
 台風の外側の雲が南岸にかかってくる様子がわかると思います。

 関東甲信方面の夕立の予想に関しては、暖湿気の影響が読み切れませんので、昨日同様非常にアヤシイものです。
 したがって、雷雨ではなくて、雷雲の発生可能性のひとつの目安にしていただきたいと思います。
 (「山沿い中心の雷雨」と言ってしまえば簡単なんですけどね・・・・)

 赤の点線エリアでモクモクの雲がわきやすく、時折局地的に雷雨が発生するといったイメージです。

PS.
 皆さん、米軍の台風予想進路図がお好きなようですが、米軍のほうが当たるとか、分かり易いということはないと思います。
 米軍の予想が修正され、次第に気象庁の予想に近くなることも多々あります(今回もそう)。
 また、気象庁の予想図も、中心を結んだ線に着目すれば、米軍と同じです。
 誤差まで考慮してくれている点で、気象庁の発表はむしろ親切かもしれないと思うんですけど・・・・
 ただ・・・米軍といえば・・・なんだか当たりそうな気はしますよね。


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

台風6号予想進路、台風の影響始まる(7月17日)

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)



 



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Posted by kasayan at 06:18│Comments(0)雑記
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