2010年04月24日
天気予報は当たるのか?(4月24日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

低気圧や前線の太い雲の帯は東海上へ遠ざかっていますが、日本付近は灰色っぽく写る背の低い雲に覆われている所が多くなっています。

レーダーを見ると、日本海沿岸や関東付近に弱い雨雲。
今朝は強い寒気が南下していて、この時期としてはうーんと冷えていますから、回復傾向とはいえ、雪雲になりきれなかった雨雲が日本海沿岸で雨を降らせたり、関東沖の局地的な前線が雨を降らせているようです。

今朝5時の気温の様子を見ると、東日本・北日本中心にかなりの冷え込み。
もっとも、日中晴れてくれば、この季節の日差しはさすがに春の日差し。
グッと気温が上がってきますから・・・・春の行楽日和というコトバがピッタリになりそうですよ。
・・・・なんて、テレビの解説者見たいな一言を書いているのがちょっとイヤだったりするんで・・・・
昨夜、週間予報の記事を書こうとしてくじけたので、週間の天気図だけを掲載しました。
その記事の一番下に掲載したURL・・・アメリカNOAAのHPですが、ゴールデンウィーク全部の天気図を表示することができます。
遠投ではどんなに優秀な選手でもコントロールが難しいように、予想がズレる可能性が大なわけですが、ゴールデンウィークの計画を立てる上で参考資料がまったく無いよりはマシという方は、HPの使い方は書きませんので、いじり倒して役立ててみてください。
昨日の記事:http://kasayan.naganoblog.jp/e452286.html
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日はエリア分けしませんでした。
全国的に回復傾向というわけですが、それでも細かく見るとあちこちでマイナス要因?があります。
このあたりは、下の予想天気図のアニメでチェックしてください。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

全県で、「晴れ 時々 くもり」・・・・回復ですねぇ・・・
でも、南部では「所により 夕方 雨」がついています。
静岡県を見ると、なぜか傘マークがついていたりしますから、この影響を南部は受けるんでしょうね。
なんで?・・・もちろんチェックします。
例によって週末ですから、明日の県内の予報も掲載しておきますが、明日は完ぺきに回復といったところです。

4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日は回復傾向でも、マイナス要因が二つ。
北日本への寒気の影響と、関東南岸付近の弱い気圧の谷。
弱い気圧の谷の影響については「局地的な前線」とか「シアーラインの影響」とかいいかえることができますけど、いずれにせよ、北風が長野県を通過して南岸に吹きだすにあたって、長野県の高い山々を迂回した風が南岸付近で合流して雲を発生させるのが原因といえます。
広い目で見ると、長野県全体が高い山のようなものですね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
週末なんで、まずは今日から明日にかけての気圧配置の流れを見ておきましょう。

高気圧がジワジワと東へと移動してきます。
さすがに天気回復ということが一目でわかりますよね。
でも、明日になると北海道を低気圧が横断。
北日本の天気は下り坂ということのようです。
で・・・・この流れによって何が起こるのか?
地上の天気図だけではわかりにくいところを高層の天気図で簡単にチェックします。

上空の気圧の谷(赤の点線)と、上空の寒気の様子。
地上では高気圧が進んできますけど、上空では強い寒気を伴った気圧の谷が通過しているんですよね。
こいつが北日本に大気不安な天気・・・雨雲や雷雲を発生させる可能性があります。
そこで、東北地方の天気予報の予報文を読むと、マークは太陽マークなのに、「所により 昼過ぎ から 夕方 雨」のようなオマケがついています(マークの天気予報だけじゃ本当のことはわかりにくいですよね)。
まあ、長野県には影響ないでしょう・・・・
で・・・明日日曜は?

寒気は抜けていく・・・と思いきや、まだまだ強い寒気は東北を覆っています。
(遅霜の可能性は明日朝もありそうですね・・・晴れて放射冷却有りですし)
今日通過する気圧の谷ほどじゃありませんけど、次の気圧の谷が寒気をひきつれて北海道付近を通過するようです。
この気圧の谷、小粒でも地上に低気圧を作るようなピリリとした強さを持っていますから、東北や北海道では明日雨や雪の可能性大。
小粒ですから、一日中というわけじゃなくて、雨や雪が一時的に・・という感じでしょう。
こちらも長野県には影響なさそうですね。
・・・よそ見すると、次の寒気・・・朝鮮半島の北側まで来ているのがわかりますね。
でも・・・・今日の南部の「所により 夕方 雨」の原因・・・関東南岸や東海の雨はこれじゃ全然わかりません。
具体的な雨や風の様子の計算値を見てみましょう。

詳しい等圧線や風の様子を見ると、関東沖に等圧線が凸になっている部分(弱い気圧の谷)があって、その付け根の関東南岸・東海沿岸付近に弱い降水が計算されています。
地上付近での出来事で雨が降るようです。
ついでに明日の雨の様子も見ちゃいましょう。

北海道付近を通過する低気圧付近で降水が計算されていますね。
小粒でもピリリ・・・でしたけど・・・そんな感じの渦状の降水域です。
さて、今日に戻って・・・関東南岸・東海沿岸の雨の原因・・・地上付近の風の様子を見てみましょう。

高気圧の吹きだしの北風が中心ですが(県内の予報文も北風でしたよね)、良く見ると長野県付近を通過する風は長野県の高い山を東西に避けるように通過しています。
そして、この風が関東南岸や東海沿岸で合流しています。
合流した空気は上昇して雲を作って・・・・雨・・・・ですね。
長野県が原因になって静岡に傘マークを付けているようです。
そして、この傘マークの影響が県南部にも一時的にあるようですね。
ということで・・・・北部や中部、気圧配置のマイナス要因を受ける可能性はほとんどなさそうですから、寒気が通過する影響で雲が広がりやすいもののマズマズの天気。天気予報はハズレそうもないですね。
一方南部、一時的に雨が降る可能性がありそうですが、予報では「所により」というように曖昧な感じではあるものの雨の指摘はされていますから、折り畳みの傘を持っていれば問題なし。降ってもハズレにはなりません。こちらも天気予報は当たる・・・ですね。
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Posted by kasayan at 07:10│Comments(1)
│今日の天気予報は当たるのか?
この記事へのコメント
はじめまして、有水です。はじめて、書き込みをしました。
Posted by 有水 at 2010年04月24日 13:33