2010年10月26日
雪は降るのか?台風14号予想進路は?(10月26日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

気象庁が計算しているGSM(全地球モデル)というシミュレーションプログラム・・・・週末30日以降をアニメにしてみました。

台風14号が九州に上陸し中国地方を横断して日本海へ・・・そして北日本に再上陸・・・・
”気象庁発表の台風予想進路図はこの計算値を採用していませんが!!”、今週末にかけて、予想進路図の大きな予想円の北側を通過するようならこうなります。
一方、アメリカのGFSという計算値は、紀伊半島付近に上陸、あるいは南岸をかすめるようなコースを計算しています。

目先・・・早めの冬型の気圧配置や雪が話題になっていますけど、台風も目を離せない状態ですね。
14時20分追記 雪に関する長野県気象情報 第1号 平成22年10月26日10時43分 長野地方気象台発表 (見出し) 県内では、10月26日夕方から27日に明け方にかけて、北部や中部の標高の高い地域を中心に積雪となる所がある見込みです。路面の凍結などによる交通障害に注意して下さい。 (本文) [気象状況] 26日夕方から27日に明け方にかけて、長野県上空約1500メートルにはマイナス3度以下の寒気が流れ込み、冬型の気圧配置が強まる見込みです。 このため、北部や中部の標高の高い地域を中心に雪となり、積雪となる所がある見込みです。 [防災事項] 標高の高いところでは、雪や路面凍結などによる交通障害に注意して下さい。 [補足事項] これで「雪に関する長野県気象情報」は終了します。 |

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

テレビの天気予報でもバンバンコメントされているはずですが・・・・西高東低冬型の気圧配置が強まれば・・・天気分布も冬の天気分布に・・・
太平洋側晴天、日本海側雪(雨)・・・ということになりますが、今日日中は冬型の移行期で、南西高・北東低ともいえる高気圧優勢の変形の冬型なので、北日本では太平洋側もぐずつくカタチになります。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

東日本も白の点線で示したように、日本海側と太平洋側で天気が二分されます。
上越国境や、長野県北部の高い山・・・・北アルプスや北信五岳、志賀高原などでは雪・・・積もることも予想されます。
明日の朝は山々の頂が白くなっているのが見られるかも・・・・
昨年は11月3日・・・このブログスタートの日が初冠雪の日でしたが、今年は昨年より約一週間早くなるかもしれません。
明日朝は、冷え込みそうですから、平地の初霜には注意が必要ですね。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

ありきたりのことばかりですけど・・・・詳しくは下でということで・・・・

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |

南岸をそこそこ離れて通過することを予想しています。伊豆諸島の八丈島付近を通過するという感じでしょうか。
このコースだと、台風通過前に、南岸でまとまった雨が予想されることになります。
一方、米軍の予想進路図は・・・・

昨夜21時を初期値とする計算値ですが、気象庁よりやや北よりを予想しています。
紀伊半島付近を指向していますが、ぎりぎり南岸をかすめるのか?微妙なところです。
一番上に掲載したGSMという計算値が最もストレートな北上を予想していますが、いずれにせよ、すべて気象庁の広大な?予報円の範囲内の話です。
つまり、どのコースも予想の範囲内?・・・可能性があると考えておきたいですね。
良く知られた説明には、気団変質の話がよくつかわれますが・・・・
大陸の空気が冷やされて、地面付近にたまって背の低いシベリア高気圧ができる → 大陸に寒気が貯まると西高東低の気圧配置になって日本海に寒気放出 → 北西の冷たい季節風が吹く → 暖かい日本海から水蒸気吸収し筋状の雪雲(ロール状対流)発生 → 日本海沿岸に雪雲がやってくる →日本の脊梁山脈にぶつかって雪が降る
という流れ。
まず、大陸の寒気がやってくる様子。

上空5700m付近の寒気のコアの部分・・・-36℃といえば、冬の寒気としても一級品ですが、今夜北海道方面へ。
-30℃の冬の平均的な寒気は東北北部まで。
すくなくとも、これらの寒気の下は完全な冬。
この寒気より南側は、初冬という感じですが、地上付近の気温が低ければ、降るモノは雪になります。
そこで、上空1500m付近の寒気の様子を見ると・・・・

0℃のラインは本州の南岸付近まで。
西日本でも海抜1000m以上の山で降るモノは雪になる可能性が十分にあります。
で・・・雪になる寒気は十分としても、降るモノがあるの?ということですが・・・・

季節風(矢印)に沿った筋状の雲に対応して、筋状の降水域が日本海に計算されています。
そして、山陰から北日本まで日本海側にベッタリと降水の予想。
地上付近の気温次第で、雨または雪のどちらかになるということでしょうね。
ちなみに今朝の衛星画像を見ると・・・・

日本海の大陸沿岸には、すでに寒気が吹きだしていますから、筋状の雪雲が形成されつつあります。
寒気の南下と季節風の強まりとともに、この筋状の雲が北陸や北日本に到達する今夜・・・・雪になるというわけですね。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
中信地方の山岳地帯・・特に霧ヶ峰や八ヶ岳方面は、降水が予想されていませんけど・・・ちょっとだけ雪が気になります。
大丈夫だとは思いますが、今日11時の予報に「所により」が記載されていないか?を確認して行動を決定してください。

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可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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Posted by kasayan at 08:57│Comments(0)
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