2010年07月31日
天気予報は当たるのか?(7月31日)猛暑いつまで?夕立は?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日15時に「北日本から西日本の高温に関する全般気象情報 第1号」が発表されています。
(本文抜粋)
北日本から西日本にかけては、向こう一週間は気温が平年より高く、平均気温が平年より3度程度高い日の続くところが多い見込みです。
また、最高気温が35度以上の猛暑日となるところがあるでしょう。
気温の高い状態が続きますので、農作物の管理や熱中症などの健康管理に十分注意して下さい。
昨日は、一か月予報も発表されています。

最近は、この図もテレビの天気予報やワイドショーなんかにしばしば登場するようになりました。
あくまで確率論の話ですが、東日本・西日本では、気温が平年より高くなる確率が70パーセント以上ということを意味しています。
未来の空模様をスーパーコンピューターで計算しようとすると、初期値になる観測データのちょっとした誤差で未来の空模様は大きく変化してしまいます。
野球の遠投では、手元がちょっと狂っただけで大暴投になるのと同じ。
それじゃこまるので、初期値をちょっとずつ異なる未来の空模様を沢山計算してその平均をとると、未来の平均的な空模様が、そこそこの精度で計算できるわけす。
アンサンブル予報というのですが、むこう一か月の気温の様子をグラフにしたものでは・・・・

右(8月27日)に近づくにつれて、誤差が多くなってグラフがばらけていますが、計算値の多くが平年値(真ん中の線)より上に位置しています。
北日本と比べると、西日本や東日本はバラツキが少なく、ほとんどが平年以上。
向う一か月、猛暑が続く・・・・と断言すると当たりはずれの話になっちゃいますが、確率論ですから、その可能性が高いということになります。
その理由ですが、向う一か月・・・東日本・西日本は、太平洋高気圧に覆われる傾向が続くから・・・シンプルな理由・・・・・
暑いからどうの・・・という話はしません・・・・・テレビでたくさんやってくれるでしょうから・・・・
北日本は、低気圧や気圧の谷が通過しやすい状態が続くようですから、盆休み・・・北海道方面の旅行は、天気のタイミングをよーく見計らう必要がありそうです。
あくまで確率論の話でした。
(今朝のニュース)熱中症死者、全国で200人超
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日は、一か月予報の話なんかまとめちゃったので、後はシンプルに。
猛暑エリアは、太平洋高気圧の張り出しの形とピッタリ一致しています。
じゃ・・・北日本は?・・・・予想天気図でチェックです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

「昼前から昼過ぎ 晴れ」ですから、朝残っている雲さえ取れれば夏空再開。
もちろん、「所により 雨」がついています。
夕立はどこで?については一番最後にチェックします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

最近の天気予報では、上空10000m弱の高さにある高気圧と、太平洋高気圧の重なり合い・・・ビックマック?、サーティーワンアイスクリームのダブルコーン?・・・状態による猛暑の話がよく出てくるので、一応、こちらでも書きこんでおきました。
暑そうだね・・・というイメージだけ伝わればイイです。
今日から明日にかけて、北日本を低気圧がかすめ通り、寒冷前線が通過します。
こんな状態が、今年の夏、北日本には多いということのようです・・・・高確率で・・・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
一応、上空10000m弱の高気圧の様子・・・チェックしておいたので、掲載しておきましょう。

中心が西日本へ。
東日本へも拡大の傾向・・・ということです。
次は、北日本を通過する低気圧や前線の雨の様子・・・・夕立の様子もあわせてチェックしておきましょう。

夕立が一番多く発生する18時の予想図ですけど、北海道の西に前線の雨域。
北日本は下り坂ですけど、本格的に雨になるのは夜中の12時頃のようです。
一方、夕立エリアは、東日本中心。
それも北アルプスや南アルプスなどの山沿い中心。
14時10分追記:東京方面、計算外のゲリラ雷雨の可能性が高くなっています。南からの海風の強さ、そして、鹿島灘方面からの海風の入り具合が、先日の春日部・久喜方面の豪雨のときと似ています(位置は違いますが)。レーダー等で警戒が必要です。
レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=206
東京アメッシュ(東京都レーダー):http://tokyo-ame.jwa.or.jp/
14時20分追記:最新の計算値とレーダー画像、海風の様子をまとめておきました。最新の計算値でも計算されていません。今思えば、風向風速の予測から、可能性を危惧しておけば・・とは思うのですが、大気の安定度からすると際立って激しい雷雨になると言う程度では・・・・・ゲリラ・・・。気象庁は13時に予報を訂正しています。

もっと詳しく夕立をチェックしてみると・・・・

極めて局地的・・・上空に寒気が入っていないので、山の斜面が暖められて上昇気流が発生・・・雷雲モクモク・・・という山を中心とした局地的な夕立しか発生しないようです。
日中の猛暑のあと、適度なお湿り・・・というわけにはいかないようですね。
ということで、今日の予報・・・「所により雨」に期待しすぎなければ、当たりということになりそうです。
今日は一か月予報をチェックしてみましたけど、一か月予報って、毎月発表されるんじゃなくて毎週金曜日に発表されています。
確率論ですから(今日は連発しています)、修正が必要なんですよね。
長期予報ははずれるなんてよく言われますけど、上のグラフを見れば、気象庁がどれだけ工夫して一か月予報を出しているか・・・・おわかりいただけたと思います。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
大晦日の雪は?
今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日)
また雪?明日にかけて冬型へ、北は荒れ模様(11月1日)
台風一過の晴天にならない?ぐずつきの日曜日(10月31日)
台風情報:台風14号予想進路とお役立ちリンク(10月30日)
台風14号予想進路と台風対策情報(10月29日)
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Posted by kasayan at 07:02│Comments(2)
│今日の天気予報は当たるのか?
この記事へのコメント
こんにちは。現在仕事中ですが、予報になかった天気急変が東京や埼玉で発生という情報が入り、なぜ発生したのか、当地周辺にも及ぶのかなど、気になってしまいました。そこでもしかしたら貴ブログで追記で解説して頂いてるかもと思い、拝見したところ、さすが、追記発見です。やっぱり頼りになります。先日のゲリラ雷雨と同じ状況なんですね。当地ではまだ降っておりませんが、油断大敵ですね。雷雨になると客足に響きますので、こないよう祈りながら仕事にあたります。長文失礼しました。
Posted by 埼玉加須市 at 2010年07月31日 15:51
加須市さん、こんにちは。
たまたま今日も仕事をしていたので、発見・・・でした。
そのレベルですから、あまり頼りにしないで、ウェザ-ニューズなんかの携帯メール配信サービスなんかをお使いくださいね(使われているのかな?)。
メールサービスもまだまだだとは思いますが・・・・
備忘録をかねて、別記事で今日の雷雨をまとめておきましたが、観測機器が発達してきた現段階では、緊急地震速報のような伝達手段が一番難しい状況だと思います。
たまたま今日も仕事をしていたので、発見・・・でした。
そのレベルですから、あまり頼りにしないで、ウェザ-ニューズなんかの携帯メール配信サービスなんかをお使いくださいね(使われているのかな?)。
メールサービスもまだまだだとは思いますが・・・・
備忘録をかねて、別記事で今日の雷雨をまとめておきましたが、観測機器が発達してきた現段階では、緊急地震速報のような伝達手段が一番難しい状況だと思います。
Posted by kasayan
at 2010年07月31日 17:51
