2010年07月27日
天気予報は当たるのか?(7月27日)ゲリラ雷雨?夕立予報?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
関東のことですけど、昨日はゲリラ雷雨とかゲリラ豪雨と思われる雷雲が発生していました。
埼玉県春日部市・久喜市付近。

ゲリラ雷雨とは、予測が困難な、突発的で局地的な豪雨に使われるマスコミ用語。
山沿いで発生した雷雲が流れてくるパターンの通常雷雨とは異なり、平野部などでいきなり発生、発達し、短時間に豪雨を降らせて消えてしまうというものです。
昨日、ゲリラ雷雨が発生した15時頃の風や気温の様子・・・・・


埼玉県南部付近に、関東平野の中でも特に気温の高いエリアが形成されていて上昇気流発生。
アメダスの風向を見ると、そこに向かって3方向から海風が流れ込み、さらに北関東で発生していた雷雲から吹きだす風が流れ込んでいました。
これらの風が集まって上昇気流が発生してゲリラ雷雨発生・・・になったんじゃないかと思うのですが・・・

昨日朝の地上付近の空気の流れの予想図を見ると、青で書き込んだ海風がうまく計算されていませんでした。
ただでさえ、東京湾方向から北上する海風が軽井沢方面に湾曲する場所に、これらの海風が吹きこんだため、ゲリラ・・・・ということになったのでは?
長野県の雷雨は、基本的に山や盆地を流れる風を見ることで、およその発生エリアは予想できますから、多くの場合はゲリラ雷雨とまではいえないと思います。
ただ、これから猛暑が続くと、山の斜面などの局地的な昇温によって、ゲリラ的な雷雨の可能性が高まることも否定できません。
今日も夕立予報?・・・・夕立予想?・・・・してみました。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北日本の低気圧によるぐずつきエリア以外は、相変わらず猛暑の夏晴れ。
もちろん、各地の予報文には「雷」の文字が並んでいます。
何度も書いていますけど、マークだけじゃ「雷」はわかりませんし、「所により」の夕立なのかエリア全体に広がるような夕立なのかもわかりません。
上の(緑文字)のリンクから各地の予報文を読んでみてください。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

長野県内全域に「雷」の文字がついています。
このところ、エリアが限定されているので、今日もどうせ降らないんだろう?と思っている方もおられると思いますが、「所により」が今日は頭上に来るかもしれません。
長野市内では、そろそろお湿りが欲しいところですけれど・・・・・・
オマケですけど、今日も関東の海風は強くなりそうですね・・・ゲリラ雷雨のモト・・・神奈川の海上風速の予報もつけておきました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日とほとんど変わらないので、着目点だけ点滅させるアニメにしました(作るのが楽だから・・・)。
明日以降、太平洋高気圧が少し弱まって、九州や西日本で雨・・・・場合によっては大雨の可能性もありますから、この方面では天気予報の見方をちょっと変えないといけないでしょうね。
(テレビの原稿だと、大雨の”おそれ”と書けと言われていました。可能性はダメなんです・・ホントは。)
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、このところの雷雨の原因になっている大気不安定のモト・・・上空の寒気。

相変わらず日本をすっぽり・・・不安定は継続。
さっそく夕立の様子を・・・ということで、まずは全国の雨の予想。

夕立についてはやはり関東北部山沿い中心。
北海道付近は低気圧の雨・・・九州の西には熱帯低気圧の強い雨域がありますけど、これが明日以降西日本へ。
ちょっとヤバそうな雨エリアですよね。
ということで、東日本付近の雨の予想から・・・

長野県付近は、「午後の山では雷雨に注意」といわれていることがよーくわかるような降水の分布。
ホントにアルプスの高い山々を中心に雨が予想されています。
そのほかは、昨日同様、関東北部の山岳地帯中心に降水が予想されていますが・・・・もうちょっと詳しく見てみましょう・・・・昨日だってこれと似たようなものだったんですから・・・・

雷雲発生のモト・・風が集まって上昇気流が発生しそうなのが赤の点線部分。
今日は、北アルプス方面に多めの降水が計算されていますが、昨日はちょっとだけでした。
昨日、実際は北アルプス方面で夕立発生・・・今日はキチンと計算されています。
西風が北アルプスの山で強制上昇させられて雷雲発生ということでしょう。
稜線にいたら、富山県方面からモクモクとわきあがるという光景なんでしょうね。
その他は、昨日とほぼ同様。
同時に発生じゃなくて、発生のタイミングはバラバラ。
ここ数日の傾向としては、上田など東信方面の夕立はちょっと遅めになるようです。
また、関東付近、黄色のエリアでは、計算されていない鹿島灘方面の海風が入ればゲリラ雷雨の可能性はあるかも?
データの蓄積がないので、断言はできませんが、東風を感じるようになったら要注意かもしれません。
で・・・わいた雷雨を流す風・・・上空中層の空気の流れ。

基本は西風ですけど、昨日より、ちょっと南気味・・・基本はこれに沿って流れるんでしょうか?
さらに、夜9時の地上付近の空気の流れ。

海風は陸風に代わってきて、両者の合流地点は東京西部付近。
低圧部ができて、渦を巻いています。
東京多摩地域・・・・降水は計算されていませんけど、どうなるのかな?
16時40分追記:関東付近の海風(特に東京湾・相模湾からの南風)が昨日の1.5倍~2倍強くなっています。このため、天気変化全体のストーリーは昨日より遅めに進行するかもしれません。
ということで・・・・「所により」雷雨モードなので、今日も予報はあたるとしか言えません。
上の予想はあくまで雷雲が発生する可能性が高いエリアで、実際はもっと複雑。
下のレーダーを使い分けて、モクモクの雲が見えたら、レーダーチェック・・・早々の対応・・・・が一番イイでしょうね。
気象庁レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207
Xバンドレーダー:http://www.river.go.jp/xbandradar/index.html
長野県砂防(雨量予測情報):http://133.105.11.45/index.html
携帯用河川情報センター:http://i.river.go.jp/
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Posted by kasayan at 07:11│Comments(0)
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