2010年06月03日
天気予報は当たるのか?(6月3日)夕立ピークへ
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

これ、昨日午後2時の菅平。
急激に雷雲(積乱雲)が発達しはじめた様子です。

同時刻のレーダー画像ですが、県境付近の山々で雷雲が発生中。
昨日盆地内で雨が降ったのは中南部中心で、北部の雷雲は山限定。
気象庁発表の予報はエリアの平均的な天気傾向ですし、「所により」がついていましたから北部の予報も当たっていたといえます。
ただ、人口の多い盆地で雨が降らなかったので、多くの方が空振りというイメージがあったかもしれません。
でも・・・・今日はここ数日で一番雷雲が発達する可能性大。
携帯電話のレーダーがあるサイトをブックマークしておいたりすると便利ですね。
空が黒っぽくなってきたら、パッと確認して見てください。
おすすめサイト一例: http://www.yanmar.co.jp/k-tai-yohou/
10時55分追記:
長野県全域に早くも雷注意報が発表されました。昨日に引き続き11時前に発表したということは、昼にニュースや天気予報で注意を喚起してほしいという長野地方気象台のキモチのあらわれ。
今日はキチンと放送してくれるんでしょうか?
■発表日時
平成22年 6月 3日10時47分 長野地方気象台発表
■概要
長野県では、3日昼過ぎから3日夜遅くまで急な強い雨や落雷に注意して下さい。

2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道だけ気圧の谷のぐずつきエリア。
あとは、昨日同様の晴れベースです。
もっとも宇都宮に傘マークがついているように、天気マークには「所により雨・・雷を伴う」なんていうオマケつき。
オマケが多いグリコエリア?は昨日より少し東へ移動しています。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

関東各地、「のち雨」マークがついていますね・・・・
予報文はここ数日変わり映えありませんけど、今日は「所により」のエリアが少し変化。
また「雨」の強さも少し変化しそうです。
文字情報だと変化が分かりにくいのはやむを得ないですね。
雷雲のサイズは数キロから10数キロ程度の小さなスケール。
隣町でどしゃ降りでも当地では一滴も降らないなんてことは当然起こりうることですから、予報が空振りだ見逃しだなんて細かなことにこだわらず、傾向で把握するのがポイントです。
ところで、今日もいつものグチをぶつぶつ・・・・
昨日、午前11時前に早くも雷注意報が発表されたんですけど、昼の天気予報で画面でもコメントでも注意報を伝えていなかった局がありました。
10時台の注意報発表というのは、気象台としてはかなり注意モードになっていたんだと思うんですけど・・・・これを伝えないのは天気予報の業界では非常識と言われるような行為・・・・・
どうなってるのよ?長野県の天気予報番組・・・・
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧がちょっと東へ動いたために東日本にも南から暖かく湿った空気が入りやすくなった・・・というのが昨日との違い。
このため、長野県周辺の山岳地帯中心だった夕立がエリアと勢力を拡大するわけです。
この南風と昨日も吹いていたさわやかな北風がぶつかりあう長野県。
どこでどれだけ降るか?ですね・・・問題は。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
マンネリになっていますけど、不安定の主原因の寒気チェックは欠かせないでしょう。
テレビやラジオじゃ「寒気・・・寒気」といいますけど、言葉だけじゃどうなっているかわからないですよね?

寒気の中心こそ東海上へ抜けていますけど、まだまだ上空の寒気は残っています。
次に今日の風の様子を見てみましょう。

東日本付近、東へ少しだけ移動した高気圧からの南風が流れ込んでいます。
一方、日本海の時計回りの渦・・・弱い高圧部からの吹きだしの風ですけど・・・この北風が南風とぶつかるのが東日本の内陸部。
ぶつかった風は上にいくしかありませんから、気温の上昇とあいまって上昇気流が強まります。
そして、上空で待ち受けている寒気も上昇流を助けて・・・モクモクと上にのびる雷雲が発生しやすい状態。
地上付近の暖湿気の様子を見ると・・・・・

南風によって、東日本や東北付近も水色の暖かく湿った空気が流れ込んできているのがわかります。
雷雲を維持する雨の原料もそれなりに用意されているというわけですね。
というわけで、今日の県内の雨・・・・・

特に午後6時あたり・・・昨日までは計算されていなかった上田や佐久方面に黄色の強い降水が計算されています。
あくまで傾向ですけど、善光寺平付近も昨日よりは雷雨の可能性がちょっと高くなっています。
昨日夕立のあったエリアでも引き続き夕立の可能性有りでしょう。
今日も天気予報は当たりですが、昨日以上に雷雲にはご注意を。
レーダーを活用して、うまく対処してください。
PC用レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
携帯用レーダー:http://www.yanmar.co.jp/k-tai-yohou/
(上記ページから携帯にURLをメールで送信できます)
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kasayangw@yahoo.co.jp
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Posted by kasayan at 07:19│Comments(2)
│今日の天気予報は当たるのか?
この記事へのコメント
Kasayan様
昨日は宮崎県のことをさり気なく掲載してくださって
ありがとうございました。
夕方から天気は回復してきまして、今日は清々しい天気となりました。
また、気象予報士の試験に必ず出題される、12時間降水量の天気図を使っての説明もありがとうございました!
8月の試験に向け頑張ります!
分かりやすい解説をいつもありがとうございます。
昨日は宮崎県のことをさり気なく掲載してくださって
ありがとうございました。
夕方から天気は回復してきまして、今日は清々しい天気となりました。
また、気象予報士の試験に必ず出題される、12時間降水量の天気図を使っての説明もありがとうございました!
8月の試験に向け頑張ります!
分かりやすい解説をいつもありがとうございます。
Posted by JUN at 2010年06月03日 11:21
JUNさんこんばんは。
8月試験だとあと2カ月ちょっとですね。
2回ほど気象予報士試験の試験監督をしたことがあるのですが、みなさん実技試験の最後には時間に追われているようでした。
最初はどうしても丁寧に解答しようとして時間をかけ過ぎてしまうようですが、詳しく書いているつもりで結構回りくどい書き方をしているだけだったり、あまり意味のない情報を書いていたりするように思います。
採点者が一番最初に探したいキーワードが早めに登場する文章になるよう練習されてみてはいかがでしょうか?
頑張ってくださいね。
8月試験だとあと2カ月ちょっとですね。
2回ほど気象予報士試験の試験監督をしたことがあるのですが、みなさん実技試験の最後には時間に追われているようでした。
最初はどうしても丁寧に解答しようとして時間をかけ過ぎてしまうようですが、詳しく書いているつもりで結構回りくどい書き方をしているだけだったり、あまり意味のない情報を書いていたりするように思います。
採点者が一番最初に探したいキーワードが早めに登場する文章になるよう練習されてみてはいかがでしょうか?
頑張ってくださいね。
Posted by kasayan
at 2010年06月03日 22:01
