2010年06月01日
天気予報は当たるのか?(6月1日)不安定続く・雷雲注意!
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
長野県南部、伊那谷付近では昨夕から雨が続いています。

週末からずっと、長野県中南部では夕方になると雨雲が発生する傾向が続いていますが、今日も同じ。
ただ今日は北部のにわか雨の可能性が昨日、一昨日よりちょっと高くなっています。
昨日夕方の天気予報を見ていたら、某局のアナウンサー、番組の冒頭で「明日(は)大気の状態が不安定になってにわか雨・・・」とコメントしていました。
日本気象協会が契約している局ですから、気象協会の原稿作成者の原稿を読んだのかもしれませんが、昨日も中南部では大気不安定によるにわか雨がありましたから、「明日(も)」が正解。
にわか雨のなかった北部に住んでいて、週末の休みに天気図を見なかったりすると、こんなマチガイをしてしまうんですよね。
つまらないマチガイのようですけど、全国ネットならクレームの電話が来ることもあるんですよ。
週末、どんなに遊んでも天気図だけは目を通すというのが、天気予報番組担当者の心得。
昨日も、夕方から中南部でそれなりに雨が降っていたのに、県内の天気予報番組ではレーダーを使っていませんでしたし、この雨がいつまで続くのか?ということには全く触れていませんでした。
長野県の天気予報番組・・・・いつものグチですけど、気配りがねぇぞ・・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日はエリア分けしていません(忘れたんじゃないですよ)。
全国的に晴れベースですが、昨日同様、天気マークの表現されない傘マークがたくさん隠されています。
神経衰弱のように、天気マークの裏側の予報文を読んでいくと・・・・傘マークがないのはおよそ東北や関東南部、東海の一部くらいのようです。
それぞれ降る時間帯や山沿いなどのエリアが異なりますから、遠くにおでかけなら、キチンと予報文も読みましょう。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

天気マークは北部晴れベース、南部曇りベースですが、予報文の晴れの時間帯をみれば全県で実質晴れといったところ。
ただ、全県に「所により・・・・雨」のオマケがついていて、中南部では昨日同様「雷を伴う」というさらなるオマケがついています。
予報文の用語集で「夕方」は午後3時以降ですから、北部と中部は午後3時以降がアヤシイ。
一方、「夜のはじめ頃」=18時~21時まで雨ということですから、今朝のレーダーに映っていた雨は晴天の南部のどこかを一日中強まったり弱まったりしながら夜までウロチョロするということですね。
何時?何処で?にわか雨?についてはアニメを作っておきました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日と似たアニメになりましたけど、九州方面は昨日より暖湿流が入りやすくなっています。
また、東日本の寒気は昨日より強めですから、全般に昨日よりにわか雨の可能性が高くなりそう。
さらに今日は、寒冷低気圧という寒気を伴った低気圧の影響で、北海道も一時的に不安定。
アチコチで不安定な今日の天気です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
似たような天気が続くので、まず気圧配置の変化をもたらす上空の流れを見てみると・・・・

強い流れははるか南の太平洋にある梅雨前線付近。
日本付近の上空の風は弱く、日本海では東よりの風が吹いていて、西から変化する天気の流れに逆行しています。
まだしばらく似たような天気がつづくようですね・・・・・
さて、今日の不安定の原因・・・寒気の様子を確認。

マイナス18℃の寒気が東日本・北日本を通過します。
でも、それだけなら九州方面はたいして不安定にならないので、地上付近の様子もチェック。

東日本はさわやかな朝ですけど、日中は盆地や内陸部など、冷たい海風が入りにくいエリアで気温上昇。
県内では22℃前後までですけど、上空5500m付近の気温との温度差は40℃。
暖かい空気が風に流されてアルプスの山々にぶつかって上昇したり、風が集まって上昇したりすれば雷雲が発生しやすい状態です。
また九州や四国方面には昨日に増して暖かく湿った空気が流れ込みます。
九州上空には上空の低気圧もできていて、上昇気流が発生しやすく、こちらも雷雲が発生しやすい状態。
例によって、大気不安定の指数をみると・・・・

特に不安定なところを赤く塗りました。
九州方面はかなりなもんですねぇ・・・・
相変わらず長野県付近も不安定エリアですが、今日は昨日より広めで北部も含まれています。
さて、不安定の原因や様子をチェックしたところで、具体的な雨の様子。

見どころは書き込んでおきましたが、今日の日本は3か所で雨が降りやすいというのがよくわかります。
で・・・・長野県付近は?

計算値ですから、あくまで傾向として見てください。
昨日は中部南部中心でしたけど、今日は北部北ア方面や北信五岳方面にも降水が計算されています。
暖かい空気が山に沿って上昇する現象が中心のようですから山沿い中心の雨だと思いますが、帰宅時間とかさなりますから、折り畳みの傘くらいは用意しておいたほうが安心ですね。
今日も昨日同様、天気予報は当たると思いますけど、南部は一日にわか雨の可能性が高いですし、中部や北部でも山沿いを中心にもっと早めに降る所もありそうです。
外仕事をするのなら、時々空を見上げてあやしい雲に注意したり、レーダーで雷雲の様子をチェックするよう心がけてください。
レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
携帯版のレーダーや雨メールサービスなんかも役立ちそうですね・・・今日は。
オマケ


これは今夜6時35分のレーダー画像。
北信五岳以外は上のMSMの降水量の図とほぼ一致します。
今日のMSMはかなりの精度でした。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
可能な限り返信いたします。
大晦日の雪は?
今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日)
また雪?明日にかけて冬型へ、北は荒れ模様(11月1日)
台風一過の晴天にならない?ぐずつきの日曜日(10月31日)
台風情報:台風14号予想進路とお役立ちリンク(10月30日)
台風14号予想進路と台風対策情報(10月29日)
今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日)
また雪?明日にかけて冬型へ、北は荒れ模様(11月1日)
台風一過の晴天にならない?ぐずつきの日曜日(10月31日)
台風情報:台風14号予想進路とお役立ちリンク(10月30日)
台風14号予想進路と台風対策情報(10月29日)
Posted by kasayan at 07:14│Comments(0)
│今日の天気予報は当たるのか?