2010年05月31日
天気予報は当たるのか?(5月31日)午後から中南部不安定
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
この週末、長野県中部を中心に甲信地方では、夕方からにわか雨が続いています。
上空に寒気が入り大気が不安定になっていることと、午後になると山岳地帯の長野県付近に風が集まって上昇流が発生することが原因ですが、今日、明日もこの傾向が続きます。
こんなときは、レーダー画像を見て、雨雲が発生し始めたということを早めにチェックするのがおすすめです。
27日に注意報・警報が市町村単位に変更されましたが、その影に隠れて気象庁のHPのレーダー画像も改善されたことはあまり知られていないと思います。

雷の活動の様子や予測まで表示されるようになっていますから、雷雲が発生しやすい今日・明日はぜひ試していただきたいと思います。
使い方もHPにキチンと書かれていますから、取扱説明を読んでからどうぞ。
レーダー・ナウキャスト: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

全国に太陽マークが散らばっていて、パッと見は全国的に晴れ・・・ですけど、北と南を除いては、雲マークとセットになっていて、ちょっとアヤシイ感じ。
各地の予報文をつまみ読みしてみると、「所により 夕方 から 雨 で 雷を伴う」というオマケが多いようです。
マークだけ見ていたら失敗しそうですね?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内の予報文にも「所により 夕方から」というオマケがついています。
北部は「雨」だけですけど、中南部は「雷を伴う」までついていますから、昨日と同様に中南部中心のにわか雨のようです。
何時から?何処で?はしっかりチェックしておきましょう。
南部の「北の風 後 南の風」・・・の南の風が雨の目印になりそうですよ。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧に覆われるといっても、3両編成の高気圧列車ですから、連結部?は弱い気圧の谷になります。
低気圧ほどではないにしても、弱い気圧の谷付近ではちょっとしたことで天気悪化。
おまけに大気不安定の原因になる寒気が上空にあればすぐに雷雲発生。
今日は弱い気圧の谷がある四国沖と中部山岳地帯中心に、午後から傘マークがつきそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上のアニメの理由を順番にチェックしていきます。
まず、弱い気圧の谷の部分で何が起こるの?・・・ということで空気の流れの様子から・・・

弱い気圧の谷付近では低気圧のように空気が渦を巻いているわけじゃありませんけど、空気がぶつかりあったり、急激に方向を変えるように流れていて、上昇気流が発生しやすくなっています。
上昇気流ができるという点では低気圧と同じですね。
そして、上昇気流がたどり着く上空に寒気が有れば・・・大気不安定ですから、雷雲が発生するわけですが・・・・

この季節としては強めの寒気は東日本・北日本中心。
中部山岳方面の雷雲の理由はOKとして四国沖方面の雨の理由は?

四国沖方面には南から暖かく湿った空気が流れ込み始めています(明日はもっと流れ込む)。
上空がそこそこ冷えているので、地上付近に暖かい空気が入れば、結局相対的に大気不安定というわけです。
で・・・大気不安定の程度を示す指数の分布をみると・・・・

西日本と中部山岳付近が網かけの不安定エリアになっています。
このあたりが雷注意エリア。
ということで、雨はどうなるの?

午前中は四国沖の雨だけですけど、午後になると、四国沖の雨は紀伊半島や九州方面まで拡大。
また、長野県付近にも降水が計算されています。
中部地方にズームすると・・・・

昨日と同様、午後3時ころから富士見町や諏訪方面から雨が広がって、日没あたりには中南部のかなり広いエリアで雨模様。
上昇流が発生しやすい八ヶ岳・南ア・中ア・北ア南部中心の雨になりそうですね。
今日の県内の予報文・・・南部が「後 南の風」になっていますけど、この南の風が北部や中部の予報文にあった「北の風」とぶつかって降る雨ですから、南部では南風に変わるタイミングがにわか雨のタイミングと思ってよいと思います。
今日の予報・・・雲の広がり具合については時間切れで検討できませんでしたけど、ハズレはないでしょう。
午後からのにわか雨・・・北部での可能性は昨日同様少ないとは思いますが、「所により」がついていますし・・・・
あまり突っ込んでも意味がないので、午後の雨は上にご紹介した気象庁のレーダーで確認してみてください。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
可能な限り返信いたします。
1、今日の一言
この週末、長野県中部を中心に甲信地方では、夕方からにわか雨が続いています。
上空に寒気が入り大気が不安定になっていることと、午後になると山岳地帯の長野県付近に風が集まって上昇流が発生することが原因ですが、今日、明日もこの傾向が続きます。
こんなときは、レーダー画像を見て、雨雲が発生し始めたということを早めにチェックするのがおすすめです。
27日に注意報・警報が市町村単位に変更されましたが、その影に隠れて気象庁のHPのレーダー画像も改善されたことはあまり知られていないと思います。

雷の活動の様子や予測まで表示されるようになっていますから、雷雲が発生しやすい今日・明日はぜひ試していただきたいと思います。
使い方もHPにキチンと書かれていますから、取扱説明を読んでからどうぞ。
レーダー・ナウキャスト: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

全国に太陽マークが散らばっていて、パッと見は全国的に晴れ・・・ですけど、北と南を除いては、雲マークとセットになっていて、ちょっとアヤシイ感じ。
各地の予報文をつまみ読みしてみると、「所により 夕方 から 雨 で 雷を伴う」というオマケが多いようです。
マークだけ見ていたら失敗しそうですね?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内の予報文にも「所により 夕方から」というオマケがついています。
北部は「雨」だけですけど、中南部は「雷を伴う」までついていますから、昨日と同様に中南部中心のにわか雨のようです。
何時から?何処で?はしっかりチェックしておきましょう。
南部の「北の風 後 南の風」・・・の南の風が雨の目印になりそうですよ。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧に覆われるといっても、3両編成の高気圧列車ですから、連結部?は弱い気圧の谷になります。
低気圧ほどではないにしても、弱い気圧の谷付近ではちょっとしたことで天気悪化。
おまけに大気不安定の原因になる寒気が上空にあればすぐに雷雲発生。
今日は弱い気圧の谷がある四国沖と中部山岳地帯中心に、午後から傘マークがつきそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上のアニメの理由を順番にチェックしていきます。
まず、弱い気圧の谷の部分で何が起こるの?・・・ということで空気の流れの様子から・・・

弱い気圧の谷付近では低気圧のように空気が渦を巻いているわけじゃありませんけど、空気がぶつかりあったり、急激に方向を変えるように流れていて、上昇気流が発生しやすくなっています。
上昇気流ができるという点では低気圧と同じですね。
そして、上昇気流がたどり着く上空に寒気が有れば・・・大気不安定ですから、雷雲が発生するわけですが・・・・

この季節としては強めの寒気は東日本・北日本中心。
中部山岳方面の雷雲の理由はOKとして四国沖方面の雨の理由は?

四国沖方面には南から暖かく湿った空気が流れ込み始めています(明日はもっと流れ込む)。
上空がそこそこ冷えているので、地上付近に暖かい空気が入れば、結局相対的に大気不安定というわけです。
で・・・大気不安定の程度を示す指数の分布をみると・・・・

西日本と中部山岳付近が網かけの不安定エリアになっています。
このあたりが雷注意エリア。
ということで、雨はどうなるの?

午前中は四国沖の雨だけですけど、午後になると、四国沖の雨は紀伊半島や九州方面まで拡大。
また、長野県付近にも降水が計算されています。
中部地方にズームすると・・・・

昨日と同様、午後3時ころから富士見町や諏訪方面から雨が広がって、日没あたりには中南部のかなり広いエリアで雨模様。
上昇流が発生しやすい八ヶ岳・南ア・中ア・北ア南部中心の雨になりそうですね。
今日の県内の予報文・・・南部が「後 南の風」になっていますけど、この南の風が北部や中部の予報文にあった「北の風」とぶつかって降る雨ですから、南部では南風に変わるタイミングがにわか雨のタイミングと思ってよいと思います。
今日の予報・・・雲の広がり具合については時間切れで検討できませんでしたけど、ハズレはないでしょう。
午後からのにわか雨・・・北部での可能性は昨日同様少ないとは思いますが、「所により」がついていますし・・・・
あまり突っ込んでも意味がないので、午後の雨は上にご紹介した気象庁のレーダーで確認してみてください。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
可能な限り返信いたします。
大晦日の雪は?
今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日)
また雪?明日にかけて冬型へ、北は荒れ模様(11月1日)
台風一過の晴天にならない?ぐずつきの日曜日(10月31日)
台風情報:台風14号予想進路とお役立ちリンク(10月30日)
台風14号予想進路と台風対策情報(10月29日)
今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日)
また雪?明日にかけて冬型へ、北は荒れ模様(11月1日)
台風一過の晴天にならない?ぐずつきの日曜日(10月31日)
台風情報:台風14号予想進路とお役立ちリンク(10月30日)
台風14号予想進路と台風対策情報(10月29日)
Posted by kasayan at 06:56│Comments(2)
│今日の天気予報は当たるのか?
この記事へのコメント
Kasayan様
体調が戻られたようで安心しました。
宮崎県は他府県と比べれば寒くはありませんが、それでも平年より低い気がします。
引き続きお気を付けくださいませ。
四国沖のシアーラインの動向や気象状況も大変分かりやすく、勉強になりました。
いつも有り難うございます!
体調が戻られたようで安心しました。
宮崎県は他府県と比べれば寒くはありませんが、それでも平年より低い気がします。
引き続きお気を付けくださいませ。
四国沖のシアーラインの動向や気象状況も大変分かりやすく、勉強になりました。
いつも有り難うございます!
Posted by JUN at 2010年05月31日 11:19
JUN様
ご心配いただきありがとうございます。
昨日は一日布団の中・・・久々に12時間を超える睡眠をむさぼり、復活いたしました。
せっかくの日曜日が・・・・・涙・・・・です。
宮崎方面、夕方からかなり集中して降っているようですね。
これから水害の季節ですけど、せめて今年くらいは宮崎県の水害はナシにしてもらいたいものです。
シアーラインは通常のプログノではわかりにくいのですが、かなり重要な判断要素になります。
もうすこし工夫された専門の天気図ができるとよいですよね。
ご心配いただきありがとうございます。
昨日は一日布団の中・・・久々に12時間を超える睡眠をむさぼり、復活いたしました。
せっかくの日曜日が・・・・・涙・・・・です。
宮崎方面、夕方からかなり集中して降っているようですね。
これから水害の季節ですけど、せめて今年くらいは宮崎県の水害はナシにしてもらいたいものです。
シアーラインは通常のプログノではわかりにくいのですが、かなり重要な判断要素になります。
もうすこし工夫された専門の天気図ができるとよいですよね。
Posted by kasayan
at 2010年05月31日 19:31
