2010年05月29日
天気予報は当たるのか?(5月29日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
土曜日の朝、ちょっと寝坊をしてしまったので、更新が遅くなりました。

今朝5時の気温ですけど、ついに菅平ではマイナス0.1℃。
すでに霜注意報は解除されていますが、高原はまさに冬ですね。

これ、先日水曜日の昼、車で30分ほどのところにある戸隠の自然園の水芭蕉。
気温が低いせいでしょうか、最盛期は過ぎていますけど、まだまだ楽しめました。
この週末が最後かな・・・・・・・
この低温傾向、来週になってゆっくりと解消する予想になっていますが、6月4日頃まではまだ平年を下回る見込み。
長いこと長野の美しい春を楽しめるのは観光には良いですけど、農業への影響は深刻ですね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

太陽マークが全国に散らばっていますけど、関東周辺だけ傘マーク。
関東では「忍者雲」という雲が出ます。
ハットリ君や影丸の形をした雲です・・・・というのはウソですが、高気圧に覆われて一見晴れそうな気圧配置でも、高気圧の中心が日本海にあって、関東に北東の風が吹き込むとき、ドロドロンと太陽が低い雲に覆われて、弱い雨がシトシト・・・肌寒くなるという(昔は)出現予測困難な雲のことです。
三陸沖の湿った空気が北東の風に運ばれてきて、衛星画像にも写りにくい雲ですが、今日は忍者が姿を現して、どうどうと関東方面を攻めてきます。
このエリアとの境目にある長野県・・・・どのような影響を受けるんでしょうか?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

長野県付近にズームすると、県の東側、関東方面には全部傘マークがついています。
予報文には「所により 夕方 から 雨」と書かれていますが、「所により」って県の東側じゃないのかな?という感じがしますよね?
また、「夕方から」ということは、関東方面の雨、夕方・・・用語集では午後3時・・過ぎ頃から活発になるんじゃないか?という感じがします。
このあたり、今日は詳しく見ておきましょう。
気温は昨日よりちょっと高めですけど、まだまだ平年よりやや低めです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日は高気圧を水色に塗っちゃいました。
普段はオレンジ色の晴れのイメージにしているんですけど、今日の高気圧は冷たい高気圧だからです。
今日の雨、北東風が冷たく湿った空気を三陸沖から運んでくるためですが、それだけじゃありません。
東海付近、等圧線が北側に凸に曲がっているところ・・・ここが弱い気圧の谷ですけど・・・ここに弱い低気圧=低圧部ができます。
北東の風とこの低圧部があいまって関東付近や長野県に雨を降らせるわけです。
ここの解説、テレビでは・・・上空の気圧の谷が通過するので・・・・と説明する人もいますけど、今日の上空の気圧の谷、一般の人にはちょっとわかりにくい状況。
地上の天気図に兆候が表れていればそれで説明でききますから、このほうが良いと思います。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、今日の長野県付近の天気を悪くする原因・・・高気圧から吹きだす北東の風の様子から。

矢印が空気の流れの傾向ですが、一目で北東傾向がわかります。
ただ、関東付近で北東の風と南東の風がぶつかるラインができています。
弱い気圧の谷と低圧部ができるためですが、湿った空気がこのシアーライン(収束線)で行き場をなくして上昇・・・雨雲発生ということになります。
次は、この北東の風が運んでくる空気の様子・・寒気の状態をチェックしておきましょう。

午後9時の寒気の様子ですが、今日一日、この状態が続いています。
特に三陸沖の下層には0度の冷たい空気の中心がありますから、この空気が流れ込んできたら・・・・そりゃ気温もさがりますよね。
ちなみにこの空気、三陸にも流れ込みますけど・・・湿った冷たい親潮海面上の空気が運ばれてきて・・・霧発生・・・有名なヤマセになります。
冷害の原因になったり漁業の妨げになったりするわけです。
横道にそれちゃいましたけど、北東風と湿った冷たい空気で降る雨はどのあたり?でどの程度?ということを確認。

午前中から関東では兆候がありますけど、夜には関東ほぼ全域と長野県付近にまで降水が計算されています。
(沖縄も要注意の雨ですけど・・・・こちらは目をつぶらせてもらいます)
で・・・長野県付近を詳しく・・・・・

降水が計算され始めるのが12時頃。
午後次第に雨のエリアが野辺山・佐久方面に拡大して、夜には諏訪など県中央部まで。
やっぱり予報文の「所により」は県の東部でした。
降水量は少なめですから、くもりのイメージで推移する場所や霧雨程度で済むとことも多いと思いますが、県東部では午後に用心です。
ということで・・・今日の天気予報・・・「所により」がキチンとついていますから、当たるということになります。
ただ、県の東部では「夕方」より前に降りだす可能性大。
エリアを平均的に見れば「夕方」でOKですけど、佐久や野辺山・富士見町方面では、ちょっと早めの降りだしを想定しておいたほうが良いでしょう。
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Posted by kasayan at 09:07│Comments(0)
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