2010年05月14日
天気予報は当たるのか?(5月14日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の菅平・・・冬の朝に見られたような灰色の雲に覆われていましたが、雲の切れ間から朝焼けの空がちょっとだけ顔を出していました。
煙突の煙・・・風は弱めですけど・・・横にたなびいて、地上付近のほうが上空より冷える逆転層ができていそうです。
ところで、一か月ほど季節が逆戻りしたような朝・・・早朝から霜対策に忙しかった方も多かったと思いますが、まずは気になる今朝の気温。

午前5時の段階で、盆地では5℃前後ですが、ちょっと標高が高くなると3℃前後。
長野や飯山方面の気温が意外に高めなのは、上の写真のような雲が毛布の役割をして、上空に熱が逃げていく放射冷却があまり効かなかったからだと思います。
7時15分追記:7時10分、早々に霜注意報が解除になりました。晴れてあと1~2℃低かったらヤバかったと思いますが、早めの解除で良かったですね。
下にも書いておきましたが、晴れる明日朝のほうが心配かも?????
毛布のような雲の様子・・・レーダーや衛星画像で見たかったのですが、イマイチだったので、計算値で見てみましょう。

新潟県境付近に降水や下層雲が計算されていますから、これのおかげで多少は霜の影響はすくなかったんじゃないか?と・・・・・
で・・・・霜の恐れはいつまでか?昨日も見ましたけど、新しい計算値でもう一度確認。

寒気の中心は、昨日の計算値と同様、今日の日中に東海上へと抜けるようですけど、まだまだ寒気が残ってしまいそうです。
地上付近の気温の予想・・・この計算値のまんまにはなりませんけど、傾向として見ると・・・・

明日朝、今朝よりは多少マシな感じがしますが、今朝と似たようなもの。
明日朝は毛布になっていた雲も無くなってしまいそうですから、むしろ放射冷却の効果で、地表付近はもっと冷え込む可能性も考えられます。
明日朝までは、まだまだ遅霜に用心しないといけないようです。
もっとも、明後日は南から暖かい空気が流れ込みやすい状態になります。

「今のところ」と言っておきますが、日曜日の朝は、とりあえず霜や寒さからは解放されそうです。
今日の一言・・・・一言じゃなくなってますけど・・・・一番気になる気温についてまとめてみました。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気分布は、昨日とほぼ同じ・・・日本海側ぐずつき気味で太平洋側晴れベース・・・・冬型の天気分布ですけど、西日本と北海道は日中ほぼ晴れ。
冬型の気圧配置がゆるんできてるんですね。
ただ、長野県付近・・・東日本は雲マークと太陽マークがセットになっていて、雲マークが左側にあるくもりベース。
イマイチすっきりしない理由・・・どうしてなんでしょう?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

長野県周辺はくもりベースの天気マークばっかりですが、冬型の天気分布・・・ぐずつく日本海側の北陸は「雨 のち くもり」マーク。
そして、冬型ならピーカンになるはずの千葉県にも傘マーク。
関東はなんか変ですから、ここはキチンと理由を確認しなくちゃいけませんね。
県内の予報文・・・北部の「山沿いでは明けがたまで雪」は北陸の傘マークの影響が及んでいるからでしょうね。
北部と中部では「昼過ぎ」から晴れ間が出る予想。
南部では午前中から「時々」晴れ間がのぞく予想になっていて、「所により雨」なんてオマケはついていませんから、気温は低めでも雨の心配は想定していないようです。
今日は、気温の話で力尽きてしまったので・・・・・晴れ間がいつからどの程度でるの?という話はパスして、千葉県の傘マーク・・・関東付近がすっきりと晴れないことの県内への影響を、雨中心にざっとチェックしておくことにします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

北陸や東北日本海側中心ですけど、北西の風と寒気のセット・・・・冬型の天気分布発生フォーメーション?が残って、ぐずつくというストーリー。
西日本から高気圧に覆われて晴れるわけですけど・・・・昨日に引き続き関東から東海にかけては、等圧線が凸に曲がっている弱い気圧の谷の影響を受けそう。
弱い気圧の谷・・・関東沖には低気圧まで発生。
このため、午前中東海上に抜けていく上空の寒気のコアの影響とあいまって、関東付近でくもりベースの天気になるようです(午前中中心ににわか雨も)。
ということは・・・県南部もちょっと影響を受けそうですね。
(昨日の弱い気圧の谷による山梨県付近の雨は県内に影響はありませんでしたが・・・)
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
降水中心にチェック・・・しますから、まずは全国の降水の様子を概観・・・・

朝9時・・・東北日本海側と北陸、関東付近に降水が計算されています。
北陸の降水は、雪雲崩れの雨雲による降水。
関東付近は弱い気圧の谷から生まれたての低気圧による降水。
夜にかけて高気圧が張り出し、関東沖の低気圧も東へ遠ざかるので、全般に回復傾向です。
沖縄方面の梅雨前線の影響は・・・コメントなしでイイですね・・・
続いて長野県付近にズーム。

午後にかけて、高気圧が張り出してくるとともに北陸の降水は弱まってきます。
北部と中部の予報が「昼過ぎから時々晴れ」になっていることとリンクしてますよね。
一方南部・・・・昨日同様、南アルプス方面に降水の予想・・・・・天気図で見た弱い気圧の谷の影響?
さらに詳しく・・・・

昨日同様、北風と南風が南ア付近でぶつかって雨雲発生・・降水が計算されています。
昨日より長野県境に近いところ・・・昨日の計算値がかなり正確だったことからすると、今日は南アの南部や静岡県境付近では午後から雲が広がりやすく、にわか雨の可能性が高そうです。
ということで、今日の予報・・・北部中部の予報は当たると思いますけど・・・・北部の山沿いの雪は予報どおり朝のうちだけですが、昼頃までは霧雨のような弱い雨の可能性は残ると思っていたほうが安全でしょう。
また、南部の予報も盆地を中心に原則として当たりますが、例外的に静岡県境付近では夕方パラッとあることを想定しておいたほうがよさそうです。
まあ、重箱のスミを突くような話なんですけどね・・・・・・
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Posted by kasayan at 07:06│Comments(0)
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