2010年05月13日
天気予報は当たるのか?(5月13日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の志賀高原はどんよりとした雲の下。
県内の国道、各地で雪のための通行止めがあるようですが、志賀高原のライブカメラを見ると志賀高原も各地で新たな積雪の様子が見られました。
スタッドレスをはずしちゃった人がほとんどでしょうから、困った方も多いでしょう・・・・
志賀ライブカメラ: http://www.shigakogen.gr.jp/live/index.php

今朝5時時点の全国の最低気温のランキングを見ると、8位以内に長野県が4ヶ所もランクイン。
今回日本にやってきた寒気は長野県を中心に影響を与えているようですね。
農家の方は遅霜の対策で、深夜から大変なご苦労をされたことでしょう。
昨日からの気温の推移をみると・・・・

寒気が入ってきた昨日夕方から急激に気温低下。
この寒気・・・いつまで居座るのか?・・・今朝の最新のデータもチェックしておくことにしましょう。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

日本海側に傘マーク、太平洋側は太陽マーク・・・・北日本は太平洋側にも雲マークがついていますけど、基本的には冬の天気分布と同じです。
季節がもどっちゃったんですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

さて、冬型の天気分布となると、北部はぐずつき気味で、中南部は晴れベースというのが長野県の定番の天気分布。
でも、さすがに5月ですから、北部といえども太陽マークがついています。
北部は左側に雲マークがあるくもりベースで晴れ間有り。
中南部は左側が太陽マークの晴れベースで雲が広がるタイミング有り。
もっとも予報文を読むと、北部の「山沿い」で「朝晩 雪」が予想されています。
お隣の新潟県や富山県の傘マークが影響してきてるんですね・・・・
予報用語で「山沿い」はどこ?については昨日の記事に書いておきましたけど、雪はどのあたり?ということと、「朝晩」だけで大丈夫なの?ということはキチンと確認しておきます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

西高東低の冬型の気圧配置+強い寒気=冬型の天気分布、という定番の公式ですね。
もっとも、東北方面は低気圧が後を引いて弱い低圧部になっていて、本来晴れてもよさそうな太平洋側もぐずついてしまうようです。
そして、一つ気になるのが、夕方以降に東海沖にできる弱い気圧の谷(赤の点線で書きこみました)。
弱い気圧の谷付近・・・・東海や関東の予報文をつまみ読みすると、神奈川や静岡、そして山梨などの長野県の近くの県では「夕方 から くもり 所により 雨 で 雷を伴う」なんて書かれています。
県内・・・南部あたりに影響はないの?・・・・これもチェックしとかなきゃ・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
この時期には珍しい寒気がやってきていますから、今日も専門天気図多め・・・・Kasayanの備忘録も兼ねています。
全部読むのは大変ですから、アニメなど、興味のある図だけ眺めるだけでも十分お役に立てると思いますから、適当に読み流してください。
さて、今日の天気予報をチェックする前に、まずはこの寒気がいつまで居座るの?をチェックしときましょう。

15日(土)の朝に冷え込みと遅霜をもたらして、日中には東海上に抜けていきそうです。
寒気が抜けると、今度は正反対に暖気が南から流れ込む傾向に切り替わるので、明後日15日朝まで遅霜要注意ということですね。
では、今日の予報のチェック・・・・北部山沿いの雪(雨)の拡大と、静岡県方面の雷雨の南部への影響が心配ですから、降水の様子を中心に見ていきます。
まずは全国の降水を概観。

北日本の雨や雪は低気圧が遠ざかるにつれて回復傾向。
でも北陸以北の日本海側の降水は引き続き予想されています。
北陸の降水の影響を受けやすい長野県にズーム・・・・アニメで確認。

北アルプス・北信五岳・志賀高原方面では一日降水が計算されています。
日本海から北西の風に沿って、筋状の雲(降水)が断続的にやってくるようですが、雨中心というだけで冬と同じです。
日本海の暖かい海水が、寒気の影響で蒸発して雲になり、北西の風(5月ですから季節はずれの季節風?)に流されて、筋状になってやってくるんですね。
北部では盆地でも、時々冬に見かけた灰色の雲が流れ込んでくるでしょうけど、雪や雨は山中心で大崩れはなさそうです。
もう一点、18時頃から山梨方面で降水が計算されています。
これが県内へ影響しないの?・・・・上の天気図のアニメで見た弱い気圧の谷の降水ですね・・・

地上の風の様子を見ると、山梨県付近で南東の風と北の風がぶつかりあっています。
ぶつかりあった空気は逃げ場がないので上昇・・・・上空の寒気もあいまって雷雲が発生という流れ。
この雨・・・風がぶつかるエリアがちょっと動いただけで南アルプス方面や八ヶ岳方面に移動しそうですから、中部や南部の東側(茅野や野辺山方面)では、ちょっと注意したほうがよさそうです。
ちなみに、このエリアの細かな気圧配置の計算値を見ると・・・・

弱い気圧の谷の部分にあたる駿河湾付近に低気圧になりきらない低圧部が計算されています。
空気がぶつかって上昇流ができることが気圧でも確認できました。
さて、今日の天気予報ですが・・・・・北部の山沿い・・・「朝晩 雪」という予報ですが、実質は朝晩中心に雪の可能性が特に高いというだけで、日中も降ったりやんだりの状態。
ハズレとはいいませんけど、山沿いは一日ぐずつくというつもりでいたほうが良いと思います。
また、中部や南部・・・特に東のエリアでは、午後6時頃にかけて雲が広がりやすく、「時々くもり」というよりは「のち くもり」に近い天気変化をする可能性があります。
こちらも予報は当たるとおもいますけど、黒い雲がモクモクしてきたら、予報より悪目になる可能性があるので用心してください。
最後にオマケ・・・・
西高東低の気圧配置があまり変化しないのに、朝晩に雲が広がったり、雪や雨が強くなったりする理由・・・・アニメにしました。
地上の悪天にパワーを与える上空の弱い気圧の谷(ピンクの濃い所付近)が断続的にやってくるから・・・です・・・

今日もかなりボリューム沢山の記事になりましたけど、明日からはシンプルに戻ります。
オマケのオマケ
お天気でお手伝いさせていただいた方がグライダー飛距離で世界記録・・・今朝の信濃毎日新聞に掲載されていました。裏方冥利につきるといったところです。

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Posted by kasayan at 08:06│Comments(0)
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