2010年02月08日
天気予報は当たるのか?(2月8日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

この写真・・左はおなじみの衛星画像・・・今朝6時30分のもの。
で・・右側は、今夜9時の衛星画像?
未来の衛星画像なんてあるわけがありませんから、これはKasayanが雲量の計算値の図をちょっと加工したもの。
今朝朝鮮半島の東側にある雲のエリアが日本海を東に進んで今夜には県内に影響してくるんですね。
この雲がかかってしまうと、しばらくスカッとした晴れ間になりそうもありませんから・・・・女房に言っておかないと・・・。
ここ数年は女房の洗濯・布団干し用おかかえ気象予報士になってます。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日は珍しい分け方をしていますが、大きくは西日本日本海側からの下り坂エリアと、北日本日本海側からの下り坂エリアに二分できます。
日本海側の西と北から天気を悪くするものがやってくることが天気マークだけでも読みとれます。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

近県の天気マークからも、日本海側から天気を悪くするものがやってくるのがわかります。
富山や新潟の予報文を読むと「夕方 から 雨」の傾向。
県内は全域で「夜 遅く 雨か雪」。
天気マークはいきなり傘マークにチェンジですけど、予報文には「のち くもり」もついていますから、曇ってくるタイミングは例によって、時系列予報でチェックしてください。
http://www.jma.go.jp/jp/jikei/322.html
富山や新潟から雨が降りだすのに、長野県では南部のほうが早めに天気は下り坂。
日本海側から天気は下り坂ですが、全体としては西からも天気は下り坂・・・・北アルプスのブロック効果が雪だけじゃなくて、雨の場合にもあらわれているようです。
いずれにせよテレビやラジオの解説が「午後には南部から次第に雲が広がって」になる天気変化が読みとれます。
次に、今日はオマケで予想最高気温の図も付けておきます。
大雪後の晴天・・そして昨日以上に高温・・・雪崩や屋根からの落雪に注意してくださいね。

4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今朝3時~今夜9時~明日夜9時の流れでアニメを作ってあります。
今日日中の晴れ間をもたらす高気圧が足早に南へ抜けて明日は気圧の谷に入るという流れ。
テレビの解説では「暖かく湿った空気が日本海側へ流れ込み」というコメントが多いと思います。
アニメを見れば、雨の原料になる暖湿流が日本海へ流れ込み、これによって発生した前線が、天気マークの図でチェックした「天気を悪くする何か」だということ・・・・そして、山陰付近で発生した前線が、明日にかけて南東方向へと進むことがおわかりいただけると思います。
明日までの流れも簡単に説明できるのがブログの良いところ・・・・だと思うんですけどいかがですか?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
さて、今夜県内に雨をもたらす前線の様子から。
テレビの解説の元ネタの専門天気図でチェックします。

暖湿流が流れ込むんじゃないかな?というのは気象予報士なら上のアニメで見た高気圧の位置を見ればピンときます。
そういうときは、この相当温位(雨の原料の程度)の図を見るわけです。
赤の線を引いた付近が雨の原料が多いところ。
原料がたっぷり流れ込めば雨雲も活発になります。
朝鮮半島の南まで沖縄付近と同じくらいの暖かく湿った雨の原料が流れ込んでいますよね?
そして、雨の原料を運びこむのが高気圧の西側の縁に吹いている南西の風。
これもしっかりと吹いていて、日本海へと吹きこんでいます。
さらに、上空高い所(5500m付近)と低い所(1500m付近)の気温の様子もチェック。

暖かい空気と冷たい空気がガッチンコすれば発達した雲が発生しやすいので、チェックしておくわけです。
で・・・・高い所の寒気は昨日までの大雪の頃と比べれば10℃以上も上がっていますが、北から緩やかに日本を覆っています・・・・温度を示す線が曲がっていませんよね。
一方、低い所では温度を示す線が北に凸になっていて、暖かい空気が流れ込んでいることがわかります。
下層だけに暖かい空気が流れ込んでいるということは・・・気温が上昇するのは当然ですが・・・暖かい空気が上昇しやすくなって大気が不安定になりやすい状態。
相当温位の図と、暖気の図からすると・・・山陰付近では雷も想定したほうがよさそうですが、長野県付近はそこそこの雨で済むんじゃないかな?と思います。
で・・・気になる県内の雨の降りだしと曇るタイミング。

雨の降りだしは、計算値では午後6時前後から。
予報文や時系列予報では夜遅く(21時以降)にしているのは、山のブロックの効果で降りだしの雨量が少ないことを考慮していると思います。
ただ安全マージンを考えるなら・・・暗くなったら雨や雪の可能性が急増すると考えておいたほうが良いと思います(気温が上がるので雪は標高の高い所)。
一方、曇り始めるタイミングは午後3時前後。
昼前から上空の薄い雲がかかりやすい傾向ですから、朝から白っぽい青空で、昼ころには曇りのイメージになってしまうところも多いかもしれません。
洗濯するならできるだけ早く!
ということで、今日の予報ですが・・・・曇りのタイミングは良いとしても・・・・雨の降りだしのタイミングがずれる可能性があるので・・・夜遅く雨という部分がアヤシイ・・と思います。
昨日から天気悪化のタイミングが早まっている傾向もあるので・・・・・
県の西のエリアほど前倒しで対処しておいたほうが良いかも?
17時半追記:17時発表の予報で雨の降りだしが修正されています。
やっぱり早まりました。ただ、降りだしの早いのが中部になってます(これもちょっとアヤシイ・・)。実況からすると、北アの影響を受けにくい背の高い雨雲のようです。
長野県 8日17時
北部
今夜 くもり 夜 雨か雪
中部
今夜 くもり 夜のはじめ頃 雨か雪
南部
今夜 くもり 夜遅く 雨か雪
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Posted by kasayan at 08:25│Comments(0)
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