2010年01月13日

天気予報は当たるのか?(1月13日)



 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 昨日は、県内全域で雪メイン

 昨日も書きましたが、県内のテレビの天気予報・・・雨中心の予報と雪中心の予報がありましたが、たとえコメントで「雨または雪」と解説しても、天気マークに傘をつけていた2つの放送局の予報はハズレたという印象になってしまったと思います。

 雪か雨があいまいな時には、傘と雪のマークを重ねて表示するなど、正直?な対応だって許されると思うんですがいかがでしょうか?

 さて、今朝の県内も、西側のエリアを中心に各地で雪になっています。

天気予報は当たるのか?(1月13日)


 何度かここにも書きましたが、県内には図のような雪の通り道があります。

 雪雲を流す風が西寄りの場合は、北アルプスなどが壁の役目をするので、南部を含めて県の西部・・・それも標高の低い部分に線状の雪雲の通り道ができます。

 一方、北西の風になると、北アルプスの壁が強化され、中部南部への流れ込みは遮断されますが、北部には、北信五岳のすきまをぬうように雪雲がドッと流れ込みます。

 今日から明日にかけて、雪雲を流す風が周期的に変化
今日午前中は、一時的に北西の風になって、北部で雪のエリアが拡大します。

 以前、雪かき用に、「どれだけ降った?」「どれだけ積もるの?」という疑問に答えるリンク集を作りましたが、今回はかなり役立つと思うので、よろしければ活用してみてください(リンク集のページ)。
 
2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。


天気予報は当たるのか?(1月13日)


 冬型になると、日本海側と太平洋側でエリアを分けてきましたが、今日は日本海側の天気分布に入るエリアが拡大しています。
 
 冬型がいつも以上に強い!ということを意味しているんですね。

 西日本の太平洋側でも広い範囲で雪ですから、ニュースでも取り上げられるはずです。
 
3、長野県の予報
 長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。


天気予報は当たるのか?(1月13日)


 上で見た雪雲の通り道も書き込んであります。

 予報文をよーく読むと、北部~南部まで、天気マークは異なれど、今日午前中が第1のピーク
そして午後は小康状態になりますが、夜になると再び雪(第2のピーク)になることがわかるはずです。

 中部が「時々 晴れ」で、太平洋に近い南部が「くもり」なのでアレ?と思われた方も多いと思いますが、北アルプスによる雪雲のブロックが影響しているのでしょう。
 上のレーダーの図に書き込んだ、雪雲の通り道・・・御嶽南ラインが比較的活発なんですね。
ということは・・・全般に西寄りの風になりやすいということ。

 西寄りの風ということで・・・・北部は山沿い中心・・・で済めば良いのですが・・・。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


天気予報は当たるのか?(1月13日)


 今朝は冬型が強まる途中の段階。
まだまだ序章にすぎません。

 今夜、冬型がガッチリとフォーメーションをとって、典型的な冬型の天気分布が出来上がります。

 また、大陸の寒気を伴った高気圧が南まで張り出すので、西高東低の気圧配置も北東~南西に傾いた形になって、九州方面も日本海側の天気分布のエリアにとりこみます。

 そして、冬型のフォーメーションができたタイミングで上空には大雪になってもおかしくない強い寒気が南下
 今夜、本格的な第2のピークがやってくるわけです。

 冬型の気圧配置には、里雪型、山雪型があるといわれますが、どちらかといえば等圧線がウネウネせずキチンとならんだ山雪型に近いようです(こういう分け方は固定的で好きじゃないんですけど)。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 県内各地に大雪注意報が出ているので、予報の当たりハズレを書くのは自粛します。

そこで、これからの雪の傾向だけ見ておきましょう。

天気予報は当たるのか?(1月13日)


 これは、午前9時の降水(雪)エリア
上のレーダーで見た雪雲のエリアが北上し、全体に北西方向から流れ込んでくるのがわかります。

 県北部に奥深く雪雲が流れ込むパターン
午前中いっぱいですけど、これが第1回目のピークです。

天気予報は当たるのか?(1月13日)


 そして、これが午後9時の予測。

 雪雲の流れは西から強まって、比較的西寄りのコースでやってきます。
このため、県南部にも雪雲が流れ込みやすくなって、木曽地域ではそこそこの降雪が予想されます。
 一方、北部は雪雲が北アルプスでブロックされるため、大北地域や新潟県境、飯山地方を中心にした雪が予想されています。

 今日、予想されている2回の雪のピークはこんな傾向にあるわけですけど、風向がちょっと変わっただけで雪雲がドッと流れ込みますから、あくまで傾向としてとらえて、新しい注意報を確認するようにしてください

 注意報の原文には、予想の降雪量が書かれていますから、この機会に一度読んでみてください。
とても参考になりますよ!

 気象庁HP:http://www.jma.go.jp/jp/warn/322.html

 今朝04時38分発表の注意報を引用掲載しておきますが、新しい情報を常にアップデートしてください

平成22年 1月13日04時38分 長野地方気象台発表

北部」大雪,なだれ注意報」
上田地域」大雪注意報」
松本地域」大雪注意報」
乗鞍上高地地域」大雪,なだれ注意報」
木曽地域」大雪,なだれ注意報」
((北部と乗鞍上高地地域、上田地域の菅平周辺、松本地域の聖高原周辺、
木曽地域では、14日明け方にかけて、大雪となる見込みです。雪による交
通障害や、新雪によるなだれに注意してください。))

長野地域 [発表]大雪,なだれ注意報
 雪 14日明け方にかけて 以後も続く
   24時間最大降雪量 山沿い 40センチ 平地 20センチ
 付加事項 降雪による交通障害

中野飯山地域 [発表]大雪,なだれ注意報
 雪 14日明け方にかけて 以後も続く
   24時間最大降雪量 60センチ
 付加事項 降雪による交通障害

大北地域 [発表]大雪,なだれ注意報
 雪 14日明け方にかけて 以後も続く
   24時間最大降雪量 山沿い 40センチ 平地 20センチ
 付加事項 降雪による交通障害

上田地域 [発表]大雪注意報
 雪 14日明け方まで
   24時間最大降雪量 菅平周辺 20センチ
 付加事項 降雪による交通障害

佐久地域 [解除]濃霧注意報

松本地域 [発表]大雪注意報
 雪 14日明け方まで
   24時間最大降雪量 聖高原周辺 20センチ
 付加事項 降雪による交通障害

乗鞍上高地地域 [発表]大雪,なだれ注意報
 雪 14日明け方まで
   24時間最大降雪量 20センチ
 付加事項 降雪による交通障害

諏訪地域 発表注意報・警報はなし

上伊那地域 発表注意報・警報はなし

木曽地域 [発表]大雪,なだれ注意報
 雪 14日明け方まで
   24時間最大降雪量 15センチ
 付加事項 降雪による交通障害

下伊那地域 発表注意報・警報はなし

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
 可能な限り返信いたします。







同じカテゴリー(今日の天気予報は当たるのか?)の記事画像
大晦日の雪は?
今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日)
また雪?明日にかけて冬型へ、北は荒れ模様(11月1日)
台風一過の晴天にならない?ぐずつきの日曜日(10月31日)
台風情報:台風14号予想進路とお役立ちリンク(10月30日)
台風14号予想進路と台風対策情報(10月29日)
同じカテゴリー(今日の天気予報は当たるのか?)の記事
 大晦日の雪は? (2010-12-31 06:17)
 今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日) (2010-11-02 07:56)
 また雪?明日にかけて冬型へ、北は荒れ模様(11月1日) (2010-11-01 07:33)
 台風一過の晴天にならない?ぐずつきの日曜日(10月31日) (2010-10-31 07:31)
 台風情報:台風14号予想進路とお役立ちリンク(10月30日) (2010-10-30 07:08)
 台風14号予想進路と台風対策情報(10月29日) (2010-10-29 07:14)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。