2009年12月06日

天気予報は当たるのか?(12月6日)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 長野では、どんな気象状況のとき、雪になるんだろう?

 関東などの平地では、風向などで多少のバラツキはありますけど、比較的教科書通りに雨と雪の判別ができるように感じています。
 長野県は・・・・・

天気予報は当たるのか?(12月6日)


 標高が高い・・・・
関東で雪を降らせる雪雲の底の高さより、長野県の地面のほうが高いんです。
 アルプスの山々にいたっては、雲の頂上より高い場合も。
おまけに屏風のように立ちはだかる山々の間には細長い盆地がいくつもあります。

 こんな地形の立体図を見ながら、雪雲の気持ち?になって考えてみることにしました。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。


天気予報は当たるのか?(12月6日)


 昨日の予報は、傘マークが全体に散らばっていましたけど、今日の予報では日本海側中心
太平洋側には太陽マークとなれば・・・条件反射のように冬型の気圧配置・・・がイメージされます。

 「冬型」って、なんだかパターン化していて、空の微妙な表情の違いを見逃しそうでイヤなんですけど、ほかに良いコトバがないんですよね・・・。ただ、傘マーク中心で、雪だるまマークは北海道や東北北部だけ。

3、長野県の予報
 長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。


天気予報は当たるのか?(12月6日)


 中南部の晴れベースに対して、北部だけ、曇りベースの「曇り 時々 晴れ」。
 お隣の新潟には「のち 雨」の傘マークがついていますから、冬型の天気分布の影響ですね。

 注目は、マークの裏・・予報文にある北部「所により 夜遅く 雪」
「夜遅く」を用語集で見ると、21時から24時になってますから、ホントに遅く降るっていうことです。

 では、「所」ってどこ?「雪」になるの?を確認してみます。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 まずはザックリと天気変化をイメージしておきます。

天気予報は当たるのか?(12月6日)


 西高東低冬型になる・・・今夜の段階で、平地(沿岸の平野部)で雪になる目安となる上空5400m付近の寒気は東北北部まで・・・北陸は雪よりも雨中心・・・ということです。
 なんかありきたりなお天気キャスターの解説みたいでイヤなんだけど・・・・・

 じゃ・・・雪の目安の寒気が来ないのに、なんで北部は夜「雪」なの?ということになりますよね。

 ということで、もうひとつの目安、平地(沿岸の平野部)で雪になる目安、上空1500m付近、マイナス6℃の寒気の様子をチェック。

天気予報は当たるのか?(12月6日)


 これ、明日朝の予想図ですけど、今夜には北信にマイナス6℃の寒気が入ってくるようです。
上空の強い寒気は流れ込まなくても、地上に近いところに、ホフク前進のように寒気が滑り込んでくるんですね。
 これで、降ってくるものは「雪」になるということも・・とりあえず納得できます。

 もちろん、雪粒が融けないで落ちてくるためには、地上付近の気温低くなければいけません。
新潟の沿岸は、比較的暖かい日本海の水温の影響もあって、それほど地上の気温は低くなりませんけど、標高の高い長野では、気温も低く、融ける前に落ちてきちゃう可能性も高くなります。
 
 「雪」の可能性の次は、「所」・・・これって何処?をチェック。

天気予報は当たるのか?(12月6日)


 例によって、今夜日付が変わる頃の雨のエリアの計算値。
新潟県境や北アルプス北部で降水(雪)が多くなっていることがわかります。

天気予報は当たるのか?(12月6日)


 これ、糸魚川の沖の日本海上空1000m付近から、長野県方面を見た立体図。
雪雲の底あたりの高さから、長野県を見ると、目の前に山が立ちふさがっています。
 中学の理科の教科書にも書いてありますけど、暖かい日本海からの水蒸気をたっぷり含んだ空気は、山にぶつかって上にいくしかありません。そして、上空1500m以上にはマイナス6℃の寒気が待ち受けていますから、水蒸気は雪粒になって山に落ちてくるんですね。

 ただ、山も一枚の壁ではありません。
風向によっては、谷を抜け、低い山を越え、長野県奥深く侵入してきます。
 もっとも、今回の雪雲を流す高さの風は北西で、北日本に比べれば弱い風
壁のような北アルプスのブロックがよく効きそうですから、上の雨(雪)エリアのように、長野県北部を取り囲むような形になるんでしょうね。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 冬型の気圧配置の場合、中・南信の予報はかなり当たります。
すべては、北信でどれだけ雪が降るか?にかかっているわけですから。

 問題は、いつものように北信での雪のエリア
先日、冬型がゆるむ際に、おもいのほか長野市西部まで影響が残りました。
では、今夜のように冬型が一時的に強まる傾向の場合は?・・・・教科書以上のことはまだよくわかりません。

 とりあえず、気象庁の分布予報も眺めたうえで、当たると信じておくことにします。

 で・・・・長野市に住んでるKasayan。
スタッドレス交換時期のチキンレースをしていることは前に書きましたが、今回も見送ることにします。
・・・・もっとも、長野市でも西長野方面は比較的山のブロックが効くようですけど、浅川方面や豊野~小布施方面は雪雲が流れ込みやすい傾向にある・・・・ような気が・・・します。
 自分のための予報はハズレるというジンクスもあるし・・・・



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この記事へのコメント
糸魚川沖の立体図、すごくわかりやすいですね〜。大陸からの寒気の吹き出し、気団変質、日本海側の大雪、の流れは試験勉強で頭にいれたのにこの立体図をみたら目から鱗っていいますか、わかった「つもり」だったというか、新鮮でした。「関東で雪を降らせる雪雲の底の高さより、長野県の地面のほうが高い。アルプスの山々にいたっては、雲の頂上より高い場合も。」も数字でわかっているはずなのに改めて「へ〜〜!」でした。冬型のパターン化に安心しちゃあいけないとか勉強になることばっかりです。
伊那市の立体図みても私たちは標高の高い山の中にすんでいるんだな〜と改めて思います。飯島のアメダス海抜728m。長野は418m。山なみの影響だけでなく標高も雪雨の見極めには大切なんだと重ねて目から鱗でした〜。
Posted by hanakotaro at 2009年12月06日 21:35
hanakotaro さん、こんにちは。
本で読んだものを実際に目でみたいものですよね。
できるだけ外にでて自分の目で確認するように心がけてはいるんですけど、限界がありますからしかたなくバーチャルで眺めています。
長野に帰る前、横浜に住んでいたのですが、解析の視点は船乗りの視点でした。長野では、飛行機乗りの視点のような気がします。
Posted by kasayankasayan at 2009年12月07日 12:22
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