2009年12月04日
週末予報は当たるのか?(12月4日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
週末は雨・・雪?・・・今週末の天気をチェックしてみます!

これ、今日午後2時過ぎ、長野市内から見た浅川・飯綱方面の空。
低い雨雲が飯綱山や牟礼上空にかかっていて、時折市内にまで流れ込み、小雨がパラパラ。
ここまで小雨が残るとは思わなかったんだけど・・・・勉強になりました・・・

この雨、普通のレーダーではリアルなイメージにならないので、レーダーをアメダスで修正したレーダーアメダス画像で雨雲の様子をチェック。
冬型がゆるんできたといっても、北信・・それも県境に近いほど、雪雲になれなかった雨雲に覆われていました。
さて、これから週末はどうなるのか?
ぼちぼち県内のスキー場開きの予定が迫っていますけど、雪は????
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

まず土曜・・・本州は「のち 雨」マークのオンパレード。
ということは、雨の降りだしをチェックしなくてはなりません。
そしてもう一つ・・・この傘マーク・・・・山のスキー場では雪になるのか?・・・ですね。

明日、土曜日に雨が降りだすならいつ止むの?ということで明後日日曜日。
東日本の日本海側、東北北海道方面は「時々 雨」マークだらけですが、長野は「くもり 時々 晴れ」マーク。
「のち 晴れ」ではありませんから、明日土曜日の雨は、その日の夜には止んでしまうということですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

「のち 雨」のタイミングを予報文で見ると、「昼過ぎ」。
本当?は後でチェックしておきましょう。

そして明後日日曜日。傘マークは消えていますから、はやくも土曜の夜に雨は止むんですね。
北部は曇りベースで晴れ間も出る・・・今日に似ていますね・・・・。
中・南部は晴れベースで「時々 曇り」。
冬型崩れの今日(金曜日)のような天気になりそう・・・かな?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
天気がテンポよく変化するようなので、天気図のアニメで流れでイメージしたほうがよさそうです。

低気圧が日本海北部をなめるように南下・・・したかと思えば北海道の東側(太平洋側ではない)にサッサと北上してしまいます。
この季節、低気圧が北海道付近を横断してオホーツク海で猛烈に発達・・・大陸からは冷たい高気圧が張り出し、強い冬型になって雪が降るわけですけど、どうも肩すかしをくらうような気圧配置の変化です。
おまけに、四国沖にも低気圧が発生して、こいつも南岸を北上。
秋や春先に発生する低気圧も合わせて通過するんですから、どうも冬って感じじゃありません。

じゃ・・せめて寒気だけでも南下してきて、降るものが雪にならないか?・・・ですけど、
上空1500mで0℃の寒気はギリギリ中信まで南下する程度。
平地で雪になる目安となるマイナス6℃の寒気にいたっては上陸すらしません。
せいぜい、標高1500m以上の高いスキー場にしか積雪は望めそうにないでしょう。

がっくり・・・としたところで、明日、雨の降りだしと止むタイミングの両方がありますから、これも予報のモトになった生データを見て確認しておきます。
明日正午には、県西部から雨雲にギリギリかかっている状態ですから、気象台は「昼過ぎから」という判断をしたんでしょうね。具体的には正午プラスマイナス1時間でイメージしておけば安全という感じです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
で・・・今週末の予報がハズレるとしたら・・・・
ハズレて雪になってもらわないと、スキー場をはじめ、農業にだって影響がでてくるはずです。
でも・・・・どれだけ寒気の南下が大きくなっても、平地でバンバン雪が降るほどはずれると考えるのは困難です。
せいぜい、日曜日の朝まで雨が残っちゃう可能性もゼロじゃない・・・と考えて、明日土曜日の夜、テレビの天気予報を見るときには、雨が上がるタイミングを確認しておいてください。
(降りだしのタイミングが大切な人は、朝の予報で再チェック!)
週末の天気チェックは、金曜日の夜からの48時間を流れで・・・ストーリーでイメージするのが吉・・・です。
・・・・結構・・まとめが早くなってきたゾ・・・・・
1、今日の一言
週末は雨・・雪?・・・今週末の天気をチェックしてみます!

これ、今日午後2時過ぎ、長野市内から見た浅川・飯綱方面の空。
低い雨雲が飯綱山や牟礼上空にかかっていて、時折市内にまで流れ込み、小雨がパラパラ。
ここまで小雨が残るとは思わなかったんだけど・・・・勉強になりました・・・

この雨、普通のレーダーではリアルなイメージにならないので、レーダーをアメダスで修正したレーダーアメダス画像で雨雲の様子をチェック。
冬型がゆるんできたといっても、北信・・それも県境に近いほど、雪雲になれなかった雨雲に覆われていました。
さて、これから週末はどうなるのか?
ぼちぼち県内のスキー場開きの予定が迫っていますけど、雪は????
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

まず土曜・・・本州は「のち 雨」マークのオンパレード。
ということは、雨の降りだしをチェックしなくてはなりません。
そしてもう一つ・・・この傘マーク・・・・山のスキー場では雪になるのか?・・・ですね。

明日、土曜日に雨が降りだすならいつ止むの?ということで明後日日曜日。
東日本の日本海側、東北北海道方面は「時々 雨」マークだらけですが、長野は「くもり 時々 晴れ」マーク。
「のち 晴れ」ではありませんから、明日土曜日の雨は、その日の夜には止んでしまうということですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

「のち 雨」のタイミングを予報文で見ると、「昼過ぎ」。
本当?は後でチェックしておきましょう。

そして明後日日曜日。傘マークは消えていますから、はやくも土曜の夜に雨は止むんですね。
北部は曇りベースで晴れ間も出る・・・今日に似ていますね・・・・。
中・南部は晴れベースで「時々 曇り」。
冬型崩れの今日(金曜日)のような天気になりそう・・・かな?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
天気がテンポよく変化するようなので、天気図のアニメで流れでイメージしたほうがよさそうです。

低気圧が日本海北部をなめるように南下・・・したかと思えば北海道の東側(太平洋側ではない)にサッサと北上してしまいます。
この季節、低気圧が北海道付近を横断してオホーツク海で猛烈に発達・・・大陸からは冷たい高気圧が張り出し、強い冬型になって雪が降るわけですけど、どうも肩すかしをくらうような気圧配置の変化です。
おまけに、四国沖にも低気圧が発生して、こいつも南岸を北上。
秋や春先に発生する低気圧も合わせて通過するんですから、どうも冬って感じじゃありません。

じゃ・・せめて寒気だけでも南下してきて、降るものが雪にならないか?・・・ですけど、
上空1500mで0℃の寒気はギリギリ中信まで南下する程度。
平地で雪になる目安となるマイナス6℃の寒気にいたっては上陸すらしません。
せいぜい、標高1500m以上の高いスキー場にしか積雪は望めそうにないでしょう。

がっくり・・・としたところで、明日、雨の降りだしと止むタイミングの両方がありますから、これも予報のモトになった生データを見て確認しておきます。
明日正午には、県西部から雨雲にギリギリかかっている状態ですから、気象台は「昼過ぎから」という判断をしたんでしょうね。具体的には正午プラスマイナス1時間でイメージしておけば安全という感じです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
で・・・今週末の予報がハズレるとしたら・・・・
ハズレて雪になってもらわないと、スキー場をはじめ、農業にだって影響がでてくるはずです。
でも・・・・どれだけ寒気の南下が大きくなっても、平地でバンバン雪が降るほどはずれると考えるのは困難です。
せいぜい、日曜日の朝まで雨が残っちゃう可能性もゼロじゃない・・・と考えて、明日土曜日の夜、テレビの天気予報を見るときには、雨が上がるタイミングを確認しておいてください。
(降りだしのタイミングが大切な人は、朝の予報で再チェック!)
週末の天気チェックは、金曜日の夜からの48時間を流れで・・・ストーリーでイメージするのが吉・・・です。
・・・・結構・・まとめが早くなってきたゾ・・・・・
大晦日の雪は?
今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日)
また雪?明日にかけて冬型へ、北は荒れ模様(11月1日)
台風一過の晴天にならない?ぐずつきの日曜日(10月31日)
台風情報:台風14号予想進路とお役立ちリンク(10月30日)
台風14号予想進路と台風対策情報(10月29日)
今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日)
また雪?明日にかけて冬型へ、北は荒れ模様(11月1日)
台風一過の晴天にならない?ぐずつきの日曜日(10月31日)
台風情報:台風14号予想進路とお役立ちリンク(10月30日)
台風14号予想進路と台風対策情報(10月29日)
Posted by kasayan at 18:15│Comments(6)
│今日の天気予報は当たるのか?
この記事へのコメント
次々に見やすい予報図がでてきますね!この雨の降り出しとやむタイミングの予報図は初めて見ました~。
「ストーリーでイメージ」が吉・・・。できるかな。これから会合に行くので帰ってから天気図とにらめっこします。
「ストーリーでイメージ」が吉・・・。できるかな。これから会合に行くので帰ってから天気図とにらめっこします。
Posted by hanakotaro at 2009年12月04日 18:55
初めまして。
息子が天気予報が好きで、夕方のテレビは天気予報をはしごしています。
色々と質問されても答えられなくて・・・
「のち、っていつ?」「ところ、って、長野?」とよく聞いてきます^^;
勉強になりました!ありがとうございます。
これからも参考にさせて頂きますmm
息子が天気予報が好きで、夕方のテレビは天気予報をはしごしています。
色々と質問されても答えられなくて・・・
「のち、っていつ?」「ところ、って、長野?」とよく聞いてきます^^;
勉強になりました!ありがとうございます。
これからも参考にさせて頂きますmm
Posted by しまりー
at 2009年12月05日 01:18

初めまして、予報士の卵を何年かやってます。長野県中部の山沿いに住んでますが、ところにより雨という予報であまり雨だったことがないようにおもいます。山岳による細かい地形効果みたいなものがあって、「ところ」は限定されてしまうようなことあるんでしょうか?
Posted by cikkochan546 at 2009年12月05日 06:06
hanakotaroさん、おはようございます。
予想図に書き込みをされていると思いますが、それを誰にでもわかるように工夫する作業をすると、頭に残ってストーリーを作りやすくなります。
モデルのクセや、広くて山が多い長野の地形のクセも毎日解析をしないと身に付かないので、毎日が修行?です。
メンドウでも毎日・・・最低でも一年・・・・なんですよね・・・
予想図に書き込みをされていると思いますが、それを誰にでもわかるように工夫する作業をすると、頭に残ってストーリーを作りやすくなります。
モデルのクセや、広くて山が多い長野の地形のクセも毎日解析をしないと身に付かないので、毎日が修行?です。
メンドウでも毎日・・・最低でも一年・・・・なんですよね・・・
Posted by kasayan
at 2009年12月05日 07:27

しまりーさん、おはようございます。
天気マークだと「のち」や「所」が全然わかりませんよね。
ぜひ気象庁のHPで予報文を読んでみてください。
かなり詳しく書いてありますよ。
これからもよろしくお願いします。
天気マークだと「のち」や「所」が全然わかりませんよね。
ぜひ気象庁のHPで予報文を読んでみてください。
かなり詳しく書いてありますよ。
これからもよろしくお願いします。
Posted by kasayan
at 2009年12月05日 07:29

cikkochan546さん、おはようございます。
卵を何年もやっておられれば、孵化しておられるのでは?
ぜひ長野の気象のクセなど教えてください。
「ところにより」がどこなのか?を探るのが予報士の腕の見せ所ですが、長野の場合は、地形効果が非常に複雑で悩ましいです。
山の連なり方に加えて、半端でない標高が加わっていますから。
(関東の予報がメインだったころは、北東流の影響が難しいと悩んでいました。どこの予報士も自分のいるエリアの予報は難しいといいますが・・・)
ただでさえ、山岳の効果で長野県全体の降水量は全国的にも特に少ないという特徴があります。その中での降水分布は、低気圧の通過コースなどによって異なっているようですし・・・予報文をしっかり読んで、実況で検証して経験を積むほかなさそうです。
まだ長野の帰ってから数カ月・・・これから一年は勉強勉強です。
これからもよろしくお願いします。
卵を何年もやっておられれば、孵化しておられるのでは?
ぜひ長野の気象のクセなど教えてください。
「ところにより」がどこなのか?を探るのが予報士の腕の見せ所ですが、長野の場合は、地形効果が非常に複雑で悩ましいです。
山の連なり方に加えて、半端でない標高が加わっていますから。
(関東の予報がメインだったころは、北東流の影響が難しいと悩んでいました。どこの予報士も自分のいるエリアの予報は難しいといいますが・・・)
ただでさえ、山岳の効果で長野県全体の降水量は全国的にも特に少ないという特徴があります。その中での降水分布は、低気圧の通過コースなどによって異なっているようですし・・・予報文をしっかり読んで、実況で検証して経験を積むほかなさそうです。
まだ長野の帰ってから数カ月・・・これから一年は勉強勉強です。
これからもよろしくお願いします。
Posted by kasayan
at 2009年12月05日 07:39
