今夜から雪?今年二回目の本格的冬型へ(11月2日)
故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
今日の天気予報はあたるんでしょうか?
今朝の北アルプス・・・槍ヶ岳方面。
標高2000m以上はほぼ真っ白で冬山。
ふもとの里山が色づいてきた
この一週間で、標高の高い山はすっかり冬の景色になっています。
次は、
今朝の衛星画像。
大陸の高気圧付近の晴天、北海道付近で発達する低気圧の渦、そして、
日本海にはJPCZという冬に現れる(雪)雲の帯が見られます。
11月に入って、
衛星画像もすっかり冬景色・・・これで
気温があと4℃前後下がれば、完全な冬。
昨年11月3日にこのブログをスタートしましたが、一枚目の写真は、長野市から見える菅平の雪景色でした。
記録的猛暑の夏でしたが、ここにきて昨年と同じ冬の景色になっていることに不思議な気がします。
おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?
天気分布は冬の天気分布・・・と言いたいところですけど、
東北の太平洋側までぐずつき気味。
完璧な冬の天気分布となると、東北の太平洋側も雲が多めの晴れになりますから、
冬型への移行期最終段階の天気分布といったところでしょうか。
冬型がうーんと強まると、九州北部もぐずつき模様ですけど、まだ冬のハシリなので晴れベースです。
地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。
東日本も日本海側がぐずついて、太平洋側が晴れベースの
冬の天気分布。
長野県北部の「所により 昼過ぎから 雨」というのは、冬型が強まって降る・・・ということですから、
本来雪の多い地域が「所」の場所だということになります。
ところで、
明日の予報も赤字で掲載しておきましたけど、
「雨か雪」ということで、雨優先の雪が予想されています。
北部が「昼過ぎ まで」で、中部が「明け方 まで」。
今日午後から降り出した雨が、今夜には雪になり・・・明日午前中まで・・・
志賀高原や北アルプス、北信五岳の高いところでは、先週と同じように積雪の可能性がありそうですから、
明日の祭日、最後の秋の行楽は雪対策をしておきたいところです。
予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
気圧配置+季節風+寒気+(日本海の高温海水温)=日本海側の雪or雨
という
公式のパターンですけど、さらに
JPCZという(雪)雲の帯が、北陸中心の多めの降水をもたらします。
季節風が日本海に吹きだすとき、
北朝鮮付近の高い山を迂回する2方向の風が日本海上で合流して上昇気流が発生するラインができますが・・・これがJPCZ。
特に雲が発生しやすい場所で、その
延長線に当たる場所で降水が多くなります。
今日は
北陸中心。
冬場に衛星画像を見るときには、この雲の帯の行く先をチェックすると積雪が多くなる場所を予想できます。
難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
冬型の気圧配置の公式?
西高東低の気圧配置+季節風+寒気=日本海側の雪or雨
という公式で、上のアニメを作りましたから、
それぞれの項?をチェックします。
まず、西高東低の気圧配置を作る原動力・・・
上空の気圧配置の様子。
日本上空はスッポリと気圧の谷・・・等高度線(実線;等圧線と同じ)が凹・・・U字のエリアに入っています。
上空の偏西風(赤矢印)がU字に蛇行すれば、
日本付近には寒気が南下。
寒気が暖かい日本海の海水に接して雪雲発生・・・雪のシーズンがやってきます。
で・・・
今回はどの程度の寒気が南下してくるのか?
雪(雨)雲の発生の程度や、降るものの雨・雪の判別に関係してきますから、必ずチェックが必要。
上空5700m付近は
先週寒波とほぼ同等の寒気。
上空1500m付近の寒気・・・
0℃のラインも先週とほぼ同じ位置まで南下。
高原ではほぼ間違いなく雪になるでしょうね。
ということは、
先週雪が降った場所で何かが降れば、同じように雪になることが予想されます。
それでは、
何かが降る場所はどこなのよ?
これには、
季節風の項が関係してきます。
基本的に北西の季節風というヤツですけど、上で書いたように
JPCZという収束線が発生。
収束した空気は上に行くしかないので、
上昇気流が発生して、特に雲が発達するわけです。
今日の
行き先は北陸ですね。
今日の雨or雪は?
まず、いつものMSMという計算値のアニメから。
JPCZという収束線の降水域が発達して、収束線が
次第に南下して日本海沿岸に沿うカタチに変化していく様子がわかります。
真冬だと、JPCZの位置がこんなに早く変化しないので、北陸などで豪雪が続いたりするんですけど、まだ冬のハシリですから・・・・
で・・・東日本・・・
長野県付近ではどのような降り方?
基本的に北西の風に乗って、
雨(雪)雲が日本海から流れ込んでくるわけですけど、高い山があるのが長野県。
図のように、
風が山々を迂回したり、山にぶつかったりして雨(雪)を降らせます。
長野県北部中心・・・それも定番の雪の多いエリア中心の降水(雪)になりそうですね。
天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
今日の長野県の予報・・・
冬型移行期最終段階ですから、
中南部の晴天はかなりガチンコの予報。
もっとも、
北部の県境・・・それも高原では降り出しのタイミングが微妙ですが、
「所により・・・」は「昼過ぎ」を予想していますから、
まず問題なさそう。
昨日のように、
平地に雨(雪)雲が流れ込んでも、「所により」ですから・・・
予報自体はハズレということはないでしょう。
北部は午後、昨日のようなにわか雨の可能性があるかもしれない・・・と考えておけば、
今日の予報は当たるでイイと思います。
で・・・・・ちょうど一年・・・・何回か、更新ができなかった日もありましたが、350日以上は更新することができたのではないかと思います。
地域の予報をマスターするには最低1年、できれば復習も兼ねて2年は真剣に天気図解析をしなくてはダメなんて言われるんですけど、
とりあえず、修行はこれで終わりにします。
まもなく50歳を迎える下り坂の脳みそと体力で朝の修行・・・なんとかなりました。
気象状況の
コメントや、メール、たくさんたくさん、ありがとうございました。
明日朝は、多くの方にいただいたメールや、コメントに返事を書きたいと思います。
で・・・
明後日からは・・・・明日一日考えて・・・・もうちょっと楽なカタチで、何か?を更新していきたいと思います。
まあ・・・
ブログが終わるわけじゃないので、これからもよろしくお願いいたします。
コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)
にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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