午後から雨?微妙な予報をどう考える?(10月19日)
故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
今日の天気予報はあたるんでしょうか?
例によって、先日ドライブがてらに探した
信濃町アメダス。
4要素アメダスですが、プラスアルファ・・・
レーザー光線で積雪深を観測。
まだまだ雪は先ですが、白い樹脂製のプレートには、
レーザー光線の赤いスポットが点滅し、雪のシーズンを待ち受けていました。
この白いプレートの上に2メートル以上の雪が積もるんですねぇ・・・・あと2カ月もすると・・・・
おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?
ざっくりとエリア分けすると、
太平洋側ほど曇りベースで、日本海側、そして北日本ほど晴れベース。
こういう場合は、
南岸に前線が停滞しているとか、
高気圧の中心が北よりに位置している場合が多いんですけど・・・・予想図ではどうなっているでしょう?
地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。
東日本を拡大してみても、
日本海側ほど晴れベース。
関東では「のち」傘マークがついていて、予報文を読むと、
「のち」のタイミングは夕方以降のようです。
長野県内も、傘マークまではついていないものの、
中南部では「所により 夕方 から 雨」。
マークだけ見て雨に降られて・・・・予報が外れた!と文句をいう早とちりな人・・・出現しそうです。
どのあたりにどの程度?・・・はあとでチェックします。
予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
高気圧が北に張り出し、南岸の前線が微妙な位置にあるから・・・
日本海側、そして北日本ほど晴れ・・・高気圧から離れていて
前線の影響を受けやすい南岸ほど雲が多く、夜にはぐずつく所も・・・
今日の天気予報番組はこういう説明が多いと思います。
難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
南岸の雨の構造
雨の降り方をチェックする前に、
雨の降る理由を確認しておきましょう。
高気圧が北に張り出すと・・・・
高気圧の吹き出しの風は北東風になって三陸沖から東日本沿岸へ。
この風が
湿った冷たい空気を運んでくるので、
沿岸部で低い雲が広がりやすく、場合によっては雨も・・・・
さらに、南には前線があるので、
前線も活発になる傾向。
ということで・・・・
どこでどれだけ北東の湿った風が吹き込むか?湿った空気でどの程度雨雲ができるのか?が雨の降り方に影響してきます。
雨の降り方?・・・とても微妙・・・
いつものように、
MSMという計算値で、雨の降り方をアニメにしてみました。
関東沖の前線が特に活発になることがわかりますけど・・・・
雨雲はほとんど海上で、内陸部に降水が計算されていません。
傘マークがついていた関東各地では、降水確率も50%になっていますけど・・・・どうしてなんでしょう?
ということで、
GSMという別の計算値を見ると・・・・
東日本の内陸部まで降水が計算されていて・・・・・
ズームしてみても・・・・
予報のイメージどおりに降水が計算されています。
気象庁・・・GSMという計算値を優先しているようですから、さらに
分布予報という統計的な計算値も見て見ると・・・・
夕方以降、内陸でも降水が計算されています。
さあ・・・・どう判断すればイイんでしょう?
前回の初期値による計算値を見比べて、計算値の傾向を読みとったり、
実況との対応から考えて、
採用する計算値を決定したり、計算値を修正して予報を作るわけですが・・・・
気象庁は、このような検討をした上で、GSMという計算値に近い予報を組み立てたわけです。
十分な根拠にもとづいて作られているわけですから、
私たちは予報を基本に考えるべきですが、
予報を作る立場からすれば、悪目の計算値が多く算出されている場合には、悪目の予報にバイアスがかかるのは当然です。
そのあたりをくみ取って、対応するのが吉。
天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
今日の長野県の予報・・・中南部の予報・・・非常に微妙です。
ただ・・・
「所により」がついていますから、高い山でほんの少し雨が降っても、予報はそれを網羅していることになります。
それを当たりというか、ハズレというか・・・・
どうしましょう?
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可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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