最後の猛暑?週末雨は?(9月11日)

kasayan

2010年09月11日 07:30



 故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?




 今日は週末の天気傾向をチェックします。



 日本海に活発な雲と雨の帯・・・秋雨前線が今週末にどこまで南下してくるのか?というのがポイント。
 ご存じのように、この前線の北側が秋ですから、ひと雨降らないことには復活した猛暑は解消しません。

 せめて曇りになってくれれば・・・・
 でも、普通の予想天気図を見ても、どのあたりが曇りになるのか?ちょっとわからないですよね?
 週末のヒマつぶしの種に、曇りのエリアをチェックする方法を少しだけ・・・・



 これは、気象庁HPに掲載されている船舶向けの無線FAX用天気図(JMHといいます)の中の一枚。
 図中の”網かけ部分の一本外側の線の中”が曇りの予想エリアになります。
 気温と露点の差が小さい所を意味するんですけど、理由抜きで便利ですよ。
  ※船舶向け天気図全リストhttp://www.jma.go.jp/jmh/umiinfo.html
  ※雲エリアチェック用天気図http://www.jma.go.jp/jmh/sml_12_fxfe57782.html

 図が予想している対象時間をチェックして使ってみてください。
 明日以降、雲のエリアの中で雨のエリアはどこ?をチェックする方法を書きたいと思います(ヒマがあれば)。

 昨夜、週一回金曜日に発表される一か月予報をまとめておきました。
 残暑の傾向や台風の傾向など気になる方は昨日の記事をどうぞ。



 おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?



 上で見た前線の雲と雨がかかる東北や北陸に傘マークがついています。
 このエリアの北と南の白い線付近が”予報のアヤシイ場所”
 前線がちょっと南北にブレただけで、境界付近の予報は変化しますから、安全マージンをとるなり、一日3回(5時、11時、17時)に発表される予報をチェックするのがオススメです。

 西日本や東日本では再び猛暑日モードに入りますから、気になる方は、上のリンクで予想気温をチェックしてください。



 地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。



 今朝、東北と北陸「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第1号」が発表されています。
   大雨情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

 このエリアとの境目・・・関東甲信地方の北部の予報が微妙?になってくるわけですが、境目には北アルプスや北信五岳、上越国境の山々が控えています。
 予報を見る限り、長野県北部の「所により 雨」を除き、これらの山々の南側は夏空猛暑エリア

 関東北部の風の予報は「北西の風」
 北陸で雨を降らせた暖かく湿った空気が山を越えてフェーン現象発生
 太平洋高気圧と強い日差しで暑くなるのに加えて、さらに暑くなりそうです。



 予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。



 ポイントは日本海に流れ込む湿った暖かい空気(暖湿流)。
 前線活発・・・大雨情報が発表されているわけです。

 今日から明日にかけてテレビの天気予報やネットで天気図を見る機会があったら、前線の位置がどこまで南下するか?という目でチェックしてください。
 前線が自分の南側に来たところから秋・・・と言っても一雨の可能性がありますけど。



 難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。

 前線で曇りになるエリアは、すでに上でチェックしてしまいましたから、この週末の雨のエリアの変化を中心にチェックすることにします。

 ただ、その前に、前線を活発にする暖湿流・・・雨の原料の様子をチェックしておきます。



 西日本~東日本には、赤で塗った湿った暖かい空気が南西方向から流れ込みます。
 前線付近では、雨の原料たっぷりの345Kという湿った空気が計算されていますから、前線上を低気圧が進んでくると、一時的に雨がドバッ!
 
 前線以外も、雨の原料が多めの西日本では、気温の上昇にともない大気が不安定になって、夕立があってもおかしくなさそうです。

 次は、週末、今日から明日にかけての雨のエリアの変化をGSMという計算値でチェック。



 今日は東北と北陸中心ですが、前線の南下にともなって、明日はもう少し南側にも雨エリアが拡大しそうですね。
 もっとも、遠投ほどコントロールが難しいように、先の時間の予想はコントロールが狂う可能性大。
 明日の雨のエリアは傾向程度にとらえておいて、今夜か明日朝の天気予報で最終チェックをするのが吉です。

 週末の雨エリアの傾向がわかったので、今日の雨の様子をMSMという別の計算値でチェックします。



 前線の雨は低気圧の東側で特に活発
 東北は全体、北陸は新潟県が雨の中心になりそうですね。

 一方、西日本~東日本の雨については、上のGSMという計算値より局地的。
 夕立は、九州を中心とした西日本の山沿いと、東日本の局地的な山沿いに限られそうです。

 一応、地元東日本にズームしてチェックしておきましょう。



 日本海を北上する湿った空気がぶつかりやすい長野県北部や関東北部の山沿いの一部に限定して、弱い降水が計算されています。
 あまり活発な夕立じゃないなぁ・・・という感じがしますが、一応要注意。

 このあたりはレーダーで実況監視がオススメですね(時間があったら追記します)。
  オススメのレーダー: http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top
 


 天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。

 今日の県内の予報・・・・長野県北部に「所により雨」がついています。

 上でチェックした局地的な夕立を想定したものだと思いますが、仮に北陸の予報の傘マークの影響が長野県北部に影響したとしても、これでカバーできてしまいます。
 天気マークだけで予報をチェックしていた人の頭上に降ればハズレと感じるでしょうけど、予報文としてはあたり
 今日の予報もあたり・・・・ですね。



 コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)

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