猛暑いつまで?台風9号の予想進路と影響は?(9月6日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
猛暑いつまで?というメールをいただくことが多くなりました。
今日の猛暑はこの記事に書いておきましたが、
猛暑の見通しについては、週に一回金曜日に気象庁から発表される
一か月予報をまとめてありますので、そちらをご覧いただきたいと思います。
一か月予報まとめ:
http://kasayan.naganoblog.jp/e551715.html
猛暑ばかりが注目されていますが、
台風9号・・・今週は
各地に雨を降らせそうです。
待ち焦がれた
まとまった雨になるのか?大雨になってしまうのか?・・・・
今朝は、
真っ先に台風の状況からチェックしちゃいます。
台風が
九州の東を北上しているのはご存じだと思いますが、海面水温が高く、
まだまた発達中。
今朝の段階で、風速25メートル以上の暴風域(暴風圏という方がいますが、古い言い方です)はありませんが、
明日朝までには暴風域ができて、朝鮮半島南端をかすめ、
9日(水)には新潟方面へと進む予想になっています。
このコースにしたがって進んだ場合、
雨はどうなるの?
上陸まで強い雨のエリアは日本海海上が中心ですが、台風に流れ込む湿った空気によって、晴れ→突然強い雨→強い日差し、という
スコールのような雨(計算値よりもっと多くなると思うのですが・・・)。
そして、
上陸通過中は激しい雨ということになりそうです。
9日には暴風域は消滅すると予想されていますが、それでも
予想される最大風速は23メートル。
たった2メートル弱くなっただけですから、
強風にも注意が必要でしょう。
今後の風や雨の様子をイメージしやすいように、今夜21時の計算値を使って、
日本付近の風や雨の傾向を把握しておきましょう。
東日本や北日本は太平洋高気圧周辺の
時計回りの流れが支配的。
この流れが行きつく
日本海~北海道の前線でまとまった雨を降らせます。
一方、
台風では
反時計回りの風。
九州はこのエリアに入ってて、台風の一番外側の
小粒でも強い雨域が流れ込みます。
台風が進むにつれてどうなるか?今後の変化もなんとなくイメージできますよね?
次は、
台風を押し流す上空の風の様子。
風の強い場所は前線の雨の帯に対応する場所。
台風は
高気圧に東進を妨げられながら
ゆっくりと、発達しながら北上。
そして、
高気圧の北の端の流れにのって、比較的ゆっくりと日本海を北東方向に進みそうですね。
16時20分追記:15時の進路予想だと、少々速度が速度が速まって、8日夜には甲信越地方に影響が出始めそう。太平洋高気圧がやや弱まるため、海上を通過する可能性があり、場合によっては暴風域を伴ったまま上陸する可能性も。太平洋高気圧が弱まって、若干北東方向への転向と、台風を押し流す強風軸への接触が早まるか?
オマケですが、
韓国気象庁の予想進路図。
速度に若干の違いはありますけど、
コースは日本の気象庁とほぼ同じですね。
韓国旅行や出張などで韓国の天気が気になる方は、どうせなら
韓国気象庁のHPで天気をチェックしてみてください。
日本語のページもありますから。
韓国気象庁HP:
http://web.kma.go.kr/jap/index.jsp
ところで、強い風のエリアが、明日朝の暴風域と同じ半径200キロだとすれば、
上陸時に関東甲信地方は広く強い風が吹きます。
関東甲信では、南東風→南風→北西風と変化?
いずれにせよ、
リンゴの収穫がこれから本格化し、桃などもまだ収穫中の長野県。
強風による落果被害などがなければよいのですが・・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
北日本は
前線の雨。
九州は
台風外側の雨。
その他のエリアは、
太平洋高気圧の猛暑エリア。
気になる気温・・・チェックしておきましょう。
上で見たように、
東日本、西日本には南風が吹き込みます。
この風が山を乗り越えると
フェーン現象発生。
山陰や北陸などでは、
この時期としてはかなり高い気温が予想されています。
もちろん、
その他のエリアも強い日差しと太平洋高気圧からの熱風の吹き下ろしで
猛暑日多発。
今日も暑い・・・・です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
長野県の
予報文、今日も
「雨」と「雷」の文字がついています。
昨日は北部中心の雷雨になりましたが、今日も似た気圧配置。
長野県周辺各県にも「雷」や「雨」の文字がついています。
昨日はみごとに長野県北部中心の雷雨で、その他はオマケのようなものでしたが、今日はどうでしょう?
夕立については、最後に詳しくチェックします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
すでに、台風チェックのところで、ポイントを書いちゃったので、まとめだと思って見てください。
台風に目が向きがちですが、北日本の前線が活発になりながら南下することも忘れないでくださいね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
すでに台風の様子はチェックしてしまいましたから、
今日の雨の様子だけ詳しく見ておきましょう。
台風の東側の雨域が九州にかかりますが、
北日本の前線が活発になって南下する様子が注目されます。
明日以降は東北にかかってきますから、
台風より一足先に注意したいところです。
次は
東日本の雷雨の様子。
昨日ほど降水量は計算されていませんが、
活発な場所は昨日に引き続き長野県北部。
あくまで傾向として見てください。
関東北部の降水をどう評価するか?昨日・・・長野県の計算値は比較的よかったのですが、関東北部がイマイチだったんですよね。
計算値の限界に近いところですから、例によって、
昼飯でも食べながら発生場所や程度を考えて追記したいと思います(時間があれば
Twitterでも随時つぶやいてみたいと思います:
ブログ左側の表示されます)。
13時追記:関東甲信地方には、「大雨と雷及び突風に関する関東甲信地方気象情報 第1号」が発表されていて、栃木県・群馬県を中心とした強い雷雨への警戒が呼びかけられています。発生した雷雲を押し流す上空3000m付近の風の流れは、東日本全体南西風。雷雲が南西に見えたら要注意。ショワルター安定指数(SSI)という安定度の指数では、輪島>館野(茨城)>浜松の順に不安定な大気になっているようです。大雨に関する気象情報が発表されている段階で、これを云々するコメントはしませんが、基本的には上に掲載したアニメのエリア中心に雷雨警戒でよいと思います。関東南部は、早い時間から海風がやや強めに吹きだしていますし不自然な収束要因が見えませんから、いわゆるゲリラ的に発生する雷雨の可能性は低めだと思います。長野県内は、午後南部の高い山で雷雲の発生は見られると思いますが、昨日同様、最終的には北部・東部中心になるものと考えます(イマイチ納得できていない部分があるので、参考意見程度にとらえてください)。
さて、
今日の天気予報は?・・・ですが、
ここ数日は、台風も来ていることですし、天気予報の当たりはずれ云々はやめておくことにします。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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