天気予報は当たるのか?(9月5日)台風9号進路は?猛暑は?
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
猛暑が続いています・・・・
もちろん、
今日の猛暑についても書きますが・・・・
(
一か月予報の記事:
http://kasayan.naganoblog.jp/e551715.html)
猛暑ばかりに目を向けていないで、
台風9号の動きに目を向けると・・・
あらら・・・・
これは
米軍合同台風警報センターが発表した予想進路図。
朝鮮半島に被害を与えた
台風7号と似たようなものね・・・という感じがしますが、日本海を通過する位置が
ちょっと南よりのような気がします。
次は
韓国気象庁の予想進路図・・・実況は今朝午前3時のものですから、米軍と同じ。
韓流?では
米軍より南側、朝鮮半島南部への上陸を予想しています。
じゃあ、
日本の気象庁は?
なんと・・・朝鮮半島には上陸しないで
対馬海峡付近を通過して山形県付近への上陸を予想しています。
台風を押し流す上空の強い流れにどこで乗るのか?
上空の強い流れはどのあたりに流れているのか?
という計算値が、それぞれの気象機関でちょっと異なっただけで
予想進路図が大きく変化する状態。
17時30分追記:15時の計算値でも、上記03時の予想進路図と変化はありませんでした。東北南部付近への上陸の可能性は十分にあります。明日夕方の計算値で今後のストーリーはある程度固まってくるのでは?と思います。
こういう場合は、
自分にとって一番イヤなコースを通る場合を想定して対策して、予想より安全なコースに進んだら「よかったね」と考えるのが吉ですから、今日は
気象庁の予想進路図どおり進んだら、どうなるか?ということを中心にまとめてみます。
特に農業に従事している方なら、
強風や大雨はイヤだけど、待望の雨・・・という方も多いと思います。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
今日
雨が降るのは3か所。
まずは、
北海道の下り坂の雨・・・こちらは短時間の強い雨に注意。
次は、
九州西部の晴天を引き裂くスコールのような雨・・・これは台風の一番外側の雨。
そして、
本州内陸部、山沿いの夕立です。
それぞれの
様子や理由は、下の
予想天気図でチェックしましょう。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
今日の
予報文は、昨日とは異なって
「雷を伴う」の文字がついています。
予報官・・・
”昨日よりは”しっかりとした夕立を予想しているということですね。
気象台発表の
天気概況にも
「にわか雨や雷雨となる所があるでしょう」と、キチンと雷の文字が入っています。
長野県周辺各県の予報文にも全部「雷」の文字が入っていて、
関東北部や山梨県などには
「激しく 降る」「非常に激しく降る」と書いてある地域も。
予報文を見比べるだけで、夕立の発生地域のイメージができますよね。
是非お試しを。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
今朝は、台風の様子に時間を割いたので、予想天気図のアニメは作りませんでした。
今日のところは、昨日同様、
基本は高気圧に覆われて猛暑!ですから。
ただ、この図に書きこんだ
箇条書きを番号順に読んで、対応する番号をふった下の図で様子を確認していただければ、いつも以上に理解が深まる・・・と思います。
さて、
今日の猛暑の様子。
今日も
日本海側から湿った空気が流れ込みますが、そのエリアが
昨日の東海から東北に移っています。
図中の矢印が日本海経由で東北に向かっていますよね。
昨日は東海や関東でフェーン現象が発生して猛暑になりましたけど、今日は
東北でフェーンが発生。
奥羽山脈越えの熱風が東北太平洋側へ。
東北太平洋側はカラっとした感じはするものの、気温は上昇。
反対に、昨日カラっとした猛暑になった
東日本の各地では、
昨日よりほんの少し気温は下がりますが、
ムシッとした暑さになりそうです。
向こう一カ月の猛暑については
最新の一か月予報の記事をご覧ください。
一か月予報の記事:
http://kasayan.naganoblog.jp/e551715.html
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
▲▲▲▲▲▲▲▲▲台風の検討▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
今朝は、まず
気象庁が予想するコースで台風が来たらどうなるの?ということをチェックしておきましょう。
まず、
今日(5日)から明日(6日)にかけて、
台風を押し流す上空の流れの様子(上段矢印)と、
台風に伴う降水の様子(下段点線の内側)を、アニメでまとめてみました。
上空の流れは明日午前中まで、北に蛇行していますが、
明日夜以降、東西にフラットな流れに変化しして、少しだけ
南下。
この流れの蛇行が、太平洋高気圧の北上を許し、猛暑をもたらしていた原因ですが、ここにきてちょっとだけ普通に戻るんですね。
そうなると、朝鮮半島付近に北上した
台風は、明日夜あたりから上空の流れに乗って、東北方面へ。
台風が東へ動き出すと、
台風の東側の強い雨域(下段の図の点線が密になっているところ)が
九州にかかってきます。
その後は、西日本は大雨警戒モードに。
さて、ここから
先の日付は別の図で。
上のアニメと基本的に同じ図ですけど、
対象エリアが広いんです。
遠くを見るには視野を広くしなくちゃいけないのと同じです。
上空の強い流れはますます南下。
台風は流れにのって、
東北南部へ。
で・・・風はイヤですけど、待望の
まとまった雨は?
7日は九州付近、8日は西日本中心、9日から10日にかけて東日本中心にまとまった雨。
どの程度、どのあたり?は、まだまだアテになりませんから、
”傾向”を見るというつもりでご覧ください。
吹かないで!降りすぎないで!・・・・というところですね。
▲▲▲▲▲▲▲▲▲今日の雨▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
さて、最後は、
今日の雨の様子。
先にまとめた、
3か所の雨・・・書き込みをしておきましたから、具体的にイメージできますよね?
東日本の夕立の様子。
昨日に比べるとずいぶん活発。
これも
あくまで傾向ですから、
午後、時間があったら実況を観察しつつ、追記をしたいと思います。(
Twitterでつぶやくかも)
17時追記:観察日記を付けるつもりでTwitterでつぶやいてみましたが、追記より楽でイイですね。
17時までの実況からすると、上に掲載したMSMという計算値・・・今日の雷雨の状況が非常によく計算されているようですから、今後の動向については、上記アニメを参考にしたいと思います。ウィンドプロファイラによる実況では雷雲を流す上空の流れは南~南西。発生した雷雲は北へ流れますから、南に雷雲が見えたら要注意。気になる方はレーダーでの実況監視をおすすめします。
気象庁レーダー:
http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
ということで・・・・
今日の予報・・・・
台風については防災上の問題がありますから、
気象庁の進路図で最悪の事態に備えましょう。
夕立については、例によって
「所により」なんですから、
当たるしかないですよね。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。
(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
関連記事